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MBAどうだった?について帰国後3年半の自分の返答:スペイン生活について

約1年半の異国での生活について、何気ない「昨日のデートどうだったー?」みたいな質問に対する「楽しかったよ!」的な軽い返答は本心ではしたくない自分がいる。ていうか、できない。でも、聞かれる。会話の一部で、もしくは本当にMBAに行きたくて真剣にその生活を想像したくて。会話の一部で聞かれた場合は、「楽しかったよ!」でも十分かもしれない。でも、それだけなわけないでしょ、1年半楽しいだけの人生なんてあるわけない。

ということで、MBA行きたくて真剣にその生活を想像したい、後者のために、そして私自身の今の物の見方、過去の回想をまとめたいと思います。そうか、1年半でそういうことを味わえる可能性があるのか、もしくは、その程度なのか、って思ってもらえればと思います。

スペインでの生活に行き着くまでのMBAの日本での準備(受験も含め)はまたどこか別で書くとして、スペインでの生活、MBA生としての生活どうだった?という大枠2つに分けて書いていきます。

スペイン生活について
まず、私はバルセロナに住んでいました。地中海側の海がある街、結構小さくて、主要なところは徒歩で行けるような大きさ。碁盤の目のような街で、歩きやすい。さらに、海側から山側に向けて傾斜があるので、わかりやすい。そんな街で、私がざっくりスペイン生活どうだった?に対して答えるなら、「とても楽しい!」に尽きるんです。なんで?

・外でワイワイする、友達と飲んだり喋ったりするのが好き
・ホムパ的なのも好き(日本よりだいぶ広い家に住んでいた、友達が近所に結構固まって住んでいたこともあって、行き来が盛んで、ご飯作ったりお菓子持って行ったり。)
・運動が好き
・食べるのが好き
・ヨーロッパの古い街並み、建築が好き(ガウディだけじゃない、サグラダファミリアだけじゃない。目にする街灯の一つ一つ、道のタイルだったりとか、本当にデザインが溢れていて、街を歩いているだけで幸せでした。カテドラルとかも荘厳すぎて涙出そうになる。)
・旅行が好き(カタルーニャ内、スペイン内、ヨーロッパ内、LCCとか電車でいっぱい行ける、結構安い)
・晴れたカラっとした気候が好き
・ビーチで泳いだりぼーっとしたりするのが好き

という自分ですが、こういう自分の「好き」に対する受け皿がどどーんとあるのがバルセロナです。なので、こういう要素を持つ人にとっては、合うのかもしれないですね。

超夜型国民
生活において、多分一番特徴的なのは、「夜が長い」というところです。ご飯の時間とも大きく関わるのですが、大体平日は、
7,8時:朝ごはん(人によるかも)
10,11時くらい:おやつ(甘いもの食べたり、ボカディーヨっていうサンドイッチ的なの食べたり)
1時,2時:昼ごはん
夕方:またボカディーヨ食べたりもしくはメリエンダっていう軽いおやつの時間みたいなのがあり、
8時、9時:夕飯(レストランのオープンが9時頃とかも多い。レストランの種類は豊富。日本にはあんまりないような中東系、南米系、アフリカ系のレストランも多い。ペルー料理とか日本人に合いまくりなので今ではめちゃくちゃ恋しい。日本食もレベル高いところもある。多様性で言うとマドリッドの方がありそうな漢字はする)
11時以降:バーやクラブに行く
みたいな感じです。休日はこれプラス1-2時間。なので、土曜の昼ごはんが3時、夜ご飯が10時、とかザラなんです。謎なところは、朝ものっすごく遅いわけでもないところ。

生活は社交、社交が生活
私が一番楽しいなーって思っていたのは、人と関わる、みたいなことが自然に起きるような生活、街の作られ方。ダラダラと人が外にいて話し続けている、それができるような、町中のベンチの数々、オープンカフェ、バー。半端じゃなくそういうお店の数が多くて、ふらっと寄って、1杯飲んで、喋って、みたいな。それらが歩いて行って帰れる距離に点在していて。週末は24時間営業のバスがあって。あと、MBA生って、基本的には人好きが多くて、みんなでワイワイするのが好きだったりで。(全員じゃない。でも傾向として)しかもみんなやっぱり知らない国で集まっている仲間だから、寂しい。だから集まっちゃう。でも時間が経つにつれて、実際は人種やそれこそ気が合う、とかで細分化されたグループみたいなのが発生していて。結局は日本に居た時と大して変わらないように、私も特に仲のいい友達と日がな一日ずっと話しているのが本当に楽しかったな。

社交生活と夜型のコンボで、眠らないエネルギッシュな街
日本と違うのは、金土の夜はどんなに遅くても、街に人がいて、明るい。私が住んでいたのが割と街中だったからかもしれないけど。ほんと不思議なくらいに週末の夜型半端ない。2時とか3時に、クラブとかバーにいて、よっしゃ、ビーチいこ!みたいなノリでビーチ行ったり。結構な年代が深夜を過ぎても外で飲んで喋っていて、明け方にはご老人たちが犬の散歩をし出す。だから人が途切れる時間がない。(ちなみにバルセロナ、めちゃくちゃ犬が多いです。愛犬家なので、ハッピーすぎる。)町中至る所で朝も昼も夜もおしゃべりしてる。老若男女。カフェ、レストラン、バー、クラブはもちろん、外のベンチ、広場、ビーチ、公園、本当に人が集まって喋ってる、飲んでる。道は広い。ランニングとかもしやすい。ランニングといえば、電車で行ける山の中腹に海や街が一望できるランニングコースがあって、そこを走ったり歩いているときは幸せの極みだった。

きっと1,2年ではいいところしか見えない
私はそういうエネルギーが好きだし、人が溢れる街並みが好きだし、その生活も大好きだなって思ってた。私はバルセロナで働いていたわけではなく、基本的には閉ざされた、異国からの集まりであるMBA生としか街を味わっていないから、私が見ていたバルセロナは現地の人とは違うものかもしれない。いいとこどり、なのかもしれない。(実際にバルセロナ出身、在住の人と話すと、結構悲しい現実や無力感みたいなものをひしひしと感じて辛くなったことも多々ありました)でも、私はヨーロッパって住んだらどんなところなんだろう、楽しいかな、楽しいといいな、と思って留学を選んで、MBA生としてとても楽しい時間を過ごせてよかった。留学中は、もちろん楽しいだけじゃなくて、いっぱい泣いたし、テロも含め今でも心を抉られるような信じられないくらい辛いこともたくさんあった。でも、あの快適な気候、おおらかでエネルギッシュな街、本当にナイスガイ達な(男女関係なく)同級生、Alumniの人たちに囲まれて、やっぱり総じて楽しかった。

お祭り騒ぎ、お祭りだらけ
あと、お祭りが多い。スペイン全土でもそうかもしれないけど、町ごとの小さなお祭り、もしくは祝祭日のお祭り。これらが日本と全く違ってとても楽しい。
1月の三賢人関連のイベント、(クリスマスの一連なのかな?)2月のカーニバル、4月のイースター、Sant Jordi, 6月のSant Joan(夏の訪れ、火祭り)、8月Festes de Gracia(地域のお祭り)、9月のLa Mercè(おっきいお祭り)、クリスマスとか色々、本当に色々。花火が上がったりお店が出てたりパレードみたいなのしてたり、なんかとりあえずどっかで何かやってるイメージ。巨大な人形、人間の塔、とかバルセロナならではのものも結構あるはず。私は特にSant Joanで町中爆竹だらけのクレイジーさとメルサ(メルセ?)の時のカタルーニャ美術館の花火が好きだなー。本当にあの花火と音楽の融合は、日本では日本では見た事ない。楽しい。綺麗。すごい。

と、バルセロナ信者みたいにとりとめなく書いてきたけれど、現実住んでいると起きる小さなイライラもたくさんあったと思い出す。

・日曜にお店が閉まる。
・英語、通じないところも結構多い。
・治安が悪いエリアがある。
・スリ、置き引き日常茶飯事。笑えるくらい物無くなった。
・空き巣とか事件とか普通。保険加入絶対。
・人種差別、無いわけではない。(中国人に間違えられる、でも正直アラブ人や南米人のようなスペインと関係に深い人たちの方への差別の方が露骨。アジア人ってなんか遠くて差別のダイレクトな対象にはなりづらいのかもしれない)
・役所、意味不明。ほんとにどんな役所も意味不明。イラつくなんてレベルじゃない。

帰国直後は、もっと盲信的にバルセロナ好きで、正直戻りたかった。日本が窮屈に感じてしょうがなかった。でも、3年経ったら、過去に住んでいた好きな街、というポジションに落ち着いている。

なんかもっと具体的に書けることがありそうだけど、また思い出したら追記していきます。とりあえず、向こうに行く前は実際どんなところかわかんなかったけど、行ってみて、自分に合っている街だったのだと今でも思う。ただ、インドア派の人に合わない街、と言いたいわけでもない。人間が住む上で必要としているものって共通項も多いと思うし、そういうのを結構満たしている都市なんだと思うから、結構どんな人が住んでも住みやすい街なんじゃないだろうか。という結論です。
また、観光地としても文句なしに面白い、エネルギッシュ、見るもの行くところがたくさんあるので、コロナ明けに行ったことない人にはぜひ遊びに行って欲しいなと思います。

次はちゃんとMBAの学生生活について書く、つもり。


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