ーどの程度の甘噛みは認めてもいいですか?ー
こんにちは。
タカシです。
今回は「甘噛み」についてです。
相談案件として
「甘噛みも大切な犬の活動だと思います」
「どの程度の甘噛みは認めるべきですか?」
と言う質問が良く来ます。
「甘噛みだし」
「甘えてるし」
「痛くないし」
犬と言う生物から考えると「甘噛み」は大切な活動です。
認めてあげたい気持ちもわかります。
今回はそのことについて。
ー結論から言いますー
結論から言います。
「認めてあげてよい人間に対する甘噛みはありません!!」
「認めてあげたい気持ちも理解できます。。。」
「が、もう一度言います」
「認めてあげてよい人間に対する甘噛みはありません!!」
ー本心は認めてあげたいんですよー
犬(仔犬)にとって甘噛みは遊びの一環であり甘え行動であり力加減や咬んではいけない場所(相手の急所)を学ぶとても大切な活動です。
犬は口を使い様々な事を学びます。
「咬む事」「口に入れる事」は犬にとって自然な行動です。
「甘噛み」だって飼い主さんが常時適切に対応できるのであれば本当に意味のある大事な活動として認めてあげたい行動です。
犬は犬として
人間は人間として
犬が健全に育つためには必要な活動です。
ーでは、なぜ認めてあげることが出来ないのか?ー
犬の成長において大事な活動であるはずの「甘噛み」がなぜ認めてあげる事が出来ないのか?
理由は単純です。
あなたの犬は野犬ではなく愛玩動物だからです。
家畜・愛玩動物(ペット)・コンパニオンアニマル・パートナー|タカシ(福路トレーナー教室)|note
人間社会で生きていくことになったからです。
咬傷犬事故のニュースがたまに出ますよね?
「子どもがノーリードの大型犬に襲われました。。。」
この後この大型犬は過酷な運命をたどります。
動愛法が少し良い方向に代わってきましたが、人を傷つけた犬はその後幸せには暮らせません。
犬は人間社会において立場の弱い生き物です。
「うちのコは小型犬だし」
「ケガさせたわけじゃないし」
「そもそも甘噛みだし」
「歯が当たっただけ」
は飼い主の言い分です。
相手が「咬まれた」と言えば「甘噛み」でも「歯が当たっただけ」でも咬傷事故になります。
世の中みんなが飼い主さんと同じく犬好きではありません。
そんな世界はむしろ気持ち悪いです。
犬が大っ嫌いな人もいます。
ペットにゴキブリを飼う人もいます。
人の好き嫌いは多種多様です。
万が一あなたの愛犬が「歯を当てた」他人に「犬嫌いやし大事にしたろ」と言う悪意があった時、「歯を当てた」だけで愛犬は大きな不利益を被ります。
「かわいいと思って撫でただけなのに」
「突然咬んできた!!」
「咬傷犬だ!!」
「こんな危険な犬は殺処分だ!!」
「嫌なら外に出すな!!」
「檻に入れとけ!!」
その状況によりどこまで相手の意見が通るかはわかりませんが、咬傷犬までは通ります。
あなたの愛犬は加害者で相手が被害者と言う図式は「歯を当てた」段階で成立します。
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※狂犬病予防接種不要論とかいう謎の発言をしているブログを発見したことがありますが、絶対に受けてください。
狂犬病対策はもちろん罰金もあります。
何よりも狂犬病ワクチン接種していない犬が咬傷事故を起こした場合ただではすみません。
愛犬の安全と命と自由を守る予防として必ず受けてください
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ー複雑にするのは人間の得意技ー|タカシ(福路トレーナー教室)|note
ー犬は自身の行動の結果で学習しますー
遊びの中での「甘嚙み」であれば
甘噛み(行動)→遊びが楽しい(結果)=「遊びの時は甘噛みしよう(学
習)」となります。
また犬にとって「飼い主さんと遊ぶ時はOK」「他の人間と遊ぶ時はNG」と言う区別はとても難しい学習になります。
「優しそう・この人とも遊んだら楽しそう」と感じれば「飼い主さんと同じ遊び(甘噛み遊び)」を行います。
この優しそうな他人が「悪意のある人物」だったら。。。
「飼い主だけは咬んで遊んでいいんだよ」と教え「人間を咬む」経験をさせるよりも、「飼い主を含めた人間全般は咬んではいけない」と「人間を咬む」経験をさせないほうが犬にとってもわかりやすく安全を守ることが出来ます。
犬には絶対はありません。
万が一でも一の時に大事になるかもしれません。
「人間を咬む」と言う経験は「甘噛み」であっても認めてあげる事が出来ない行動になります。
ー代わりになる遊びを用意してあげてくださいー
「甘噛み」遊びは犬にとって大事な活動だが人間社会においてデメリットが大きいため一切認めてはいけません。
と書きました。
しかし、犬にとって当たり前の行動で必要な行動を人間都合で取り上げただけではあまりにも理不尽だと僕は思います。
禁止するだけではなくヌイグルミを使った「ガブガブ遊び」やロープを使った「引っ張りっこ遊び」など飼い主さんがたくさんの代替え案を用意して、「人間との甘噛み遊びよりもこっちの方が楽しい」と言う経験をさせてあげてください。
ーお礼ー
本日もお付き合いいただきありがとうございました。
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2019年5月末に出張型ドッグトレーニングスクールを始めました。 犬と飼い主の関係づくりのお手伝いをモットーにやらしてもらっています。 アイコンタクト アイコンタクト とばっかり言う地味なトレーナーです