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【読書】論語と韓非子

孔子の論語と、韓非の韓非子の名文を紹介する本を読みました。

長期的なマインドセットの一環として有効な気がするので、自分自身が見直すために内容を簡潔にまとめました。

孔子や韓非、性善説や性悪説については過去記事に書いてますので、もし興味があれば読んでみてください。

論語の言葉40

1・友は心を豊かにしてくれる

心の通い合う友が遠路をいとわず訪ねてくる、それはとても楽しいこと

2・仁を身につけよう

言葉を飾り、顔色をやわらげて相手に媚びるのは、仁とは程遠い

3・重厚な人間であること

君子は、態度が重厚でなかったら、威厳が備わってこない

4・過ちを犯したら

過ちを犯したことに気づいたらすぐに改めること

5・法にばかり頼るな

法律をふりかざし、刑罰を持って押さえ込もうとすれば、人は抜け穴ばかりを探し恥を忘れる

6・どこで人を見るのか

現在の行動を観察するだけでなく、その動機は何か、目的は何か、そこまで観察すればどんな相手でも自分の本性を隠しきれない

7・歴史に学べ

歴史を学ぶことによって、現代に対する洞察を深めていく。こうあってこそ指導者としてふさわしい。

8・読み、そして考える

読書にばかりふけって思索を怠ると、せっかくの知識が身につかない。逆に思索にばかりふけって読書を怠ると、独断に陥ってしまう

9・嘘はつくな

嘘をつく人間は、一人前の社会人として評価に値しない

10・訥言敏行を心がける

君子は能弁である必要はない。それよりも機敏な行動を心がけたい。

11・徳を持つこと

特のある人物は孤立しない、必ず共鳴者が現れてくる

12・下地が悪いとどうにもならない

腐った木には彫刻を施すことができない、悪い土でつくった塀には上塗りができない

13・こういう人間になる

年長者からは安心され、同輩からは信頼され、年少者からはなつかれる

14・見かけも大切

外面と内面がうまく釣り合って調和がとれている、こうあってこそ君子といえる

15・やる気を出せ

相手の気持ちが盛り上がってこなかったら手を貸してやらない、口まで出かかっているのでなかったら、助け舟は出してやらない

16・乱暴者はよくない

素手で虎に立ち向かい、歩いて河を渡るような命知らずはご免こうむりたい

17・勉強の場はどこにでも

三人で道を歩いていれば、他の二人から必ず教えてもらうことがある

18・苦労が人をつくる

温かさのなかに厳しさがあり、威厳がありながら圧迫感がなく、謙虚でありながら窮屈さを感じさせない

19・どこまで知らせるのか

人民というのは、政府の方針に従わせることはできても、その理由まで理解させることは難しい

20・四つの欠点がなかった

先生(孔子)は四つの欠点を免れていた、第一に主観だけで憶測すること、第二に自分の考えを強引に押し通すこと、第三に一つの考えに固執すること、第四に自分の都合しか考えないこと

21・若者には可能性がある

若いということはそれだけで豊かな可能性をはらんでいる。これからの人間が今の人間より劣っているとは決していえない

22・真価は逆境のときに現れる

冬の寒さが厳しくなったときに初めて、松や柏がいつまでもしぼまないで寒さに耐えることが確認できる

23・健康にも気を遣う

(孔子は)酒はたしなんだが定量はなかった。ただ乱れるほどには飲まなかった

24・あやしげなものには近づくな

生きている人間さえ扱いかねるのだから、鬼人のことを考えることはない

25・これが望ましい人間像だ

実直で曲がったことを嫌い、相手の言葉や表情を読み取る洞察力に富み、思慮深く謙虚にふるまう

26・まず我が身を正せ

上に立つ者が自分の姿勢を正せば、命令するまでもなく実行される。自分の姿勢が正しくないと、どんな命令をしても従ってもらえない

27・あせらない

あせって目先の小さな利に惑わされてはならない

28・私よりも公

(ときの政治家は)公よりも私ばかり、小物ばかりで話にならない

29・和して同ぜず

君子は協調を大切にするが雷同はしない。小人は雷同はするが協調はできない

30・謙虚であれ

君子は自信を持ちながらそれでいて謙虚。小人は傲慢でありながら自信がない

31・人を怨んではならない

貧乏でありながら人を怨まないのは難しい、それよりは金持ちになっても人を見下さない方がまだ易しい

32・人の道を踏み外すな

利益を追求するときには、人としての道を踏み外さないで欲しい

33・悪意にはどう対処するのか

相手の悪意には筋を通して報いること、相手の善意には善意を持って報いること

34・取り乱すな

君子でも窮することがある。しかし小人と違い窮しても取り乱さない。

35・長期の見通しを持つ

遠い先のことまで対策を立ててかからないと、必ず足もとから崩れる

36・自分に厳しく、人には寛容に

自分については厳しく反省し、他人には寛容な態度で臨む。そうすれば人の恨みを買うことも少なくなる

37・平等な社会を目指したい

心配のタネは人口が少ないことでなく、富が平等に行き渡らないことだ

38・こんな仕え方をしてはいけない

躁→軽はずみで騒がしいこと

隠→何かを隠したりはぐらかしたりすること

瞽(コ)→相手の表情や気持ちを鑑みずにまくし立てること

39・素質を伸ばす

生まれながらの素質にはそれほど違いはない、その後の習慣の違いによって差が生まれる

40・天命を自覚する

天命に対して無自覚な人間は、君子としての資質に欠けている。

韓非子の言葉40

1・権限を手放すな

すぐれた君主は二本の柄(賞罰)を握るだけで臣下をおさえこむ

2・組織の内部にも戦いがある

君主と臣下は一日に百回も戦いを交えている

3・小さな忠義にこだわるな

小さな忠義立てにこだわると、大きな忠義を見失ってしまう

4・機密を漏らすな

仕事を成功させようとするなら、隠密に運ばなければならない、情報が漏れたら破滅も免れない

5・得た情報の扱い方

知ることは難しくない、知ったあとでどう対処するかが難しい

6・逆鱗に触れるな

どんな君主にも逆鱗がある。それに触れずに進言ができれば及第である

7・姦臣に用心しろ

姦臣は、君主の意向におもねって信頼を勝ちとり、虎の威を借りて振舞う

8・人は安全で利益のある方につく

安全で利益のあるほうにつき、危険で害のあることから遠ざかろうとするのが人情である

9・厳罰をためらうな

厳しい厳罰は人々の嫌うところであるが、しかしそれがあるからこそ国はよく治まる

10・思いやりの政治は成り立たない

貧しい者に施せば、功績のない者に賞を与えることになる。厳罰をためらえば、平気で法を破るものが出てくる

11・臣下を信用するな

君主が警戒しなければならないのは、臣下を信用してかかることである

12・愛する者に用心せよ

禍(わざわい)のタネは、身近にいる愛する者にある

13・人は利益で動く

車を作る職人は、人が車を買えるように豊かになることを祈り、棺桶を作る職人は、それを使う人が早く現れるのを祈るものである。

14・君臣の関係はソロバン勘定である

どんな綺麗事を言っても、君主はソロバン勘定によって臣下を抱え、臣下はソロバン勘定によって君主に仕えている

15・不幸はどこから生まれるのか

不幸の芽は幸福のなかから芽生えてくるもの

16・なぜ失敗するのか

成功を目指しながら失敗で終わるのは、道理を知らず、知恵や能力のある人から教えを請おうとしないからである

17・些細なことから崩れていく

高い堤も虫が掘った小さな穴から決壊し、高桜もかまどの小さな火によって燃え落ちてしまう

18・自分のことは分かりにくい

知恵を身につけ遥か先を見通す目を持ってしても、自分のまつげを見ることはできない

19・取ろうとするならまず与えよ

負かそうとするならまず助けてやれ、取ろうとするならまず与えよ

20・遠くのものは頼りにならない

遠くの水は近くの火を消すのに役に立たない

21・愚直であれ

巧詐は拙誠に如かず、せこくて浅ましい行いは拙くても誠実な行いに勝てない

22・洞察力を磨く

かすかな徴候から物事の動きを察知し、わずかな手がかりから物事の顛末を予見する

23・秘密について

他人の秘密を知ると、わが身のためにならない

24・能力をひけらかさない

素晴らしい能力を持っていても、それを鼻にかけなければどこへ行っても後ろ指をさされることはない

25・内部の結束を固める

国の安全危険は正しい政治をしているかがどうかが大切で国の強弱は関係がない。国の存亡はしっかりとした蓄えがあるかどうかが大切で兵力の強弱は関係がない。

26・嘘も真実になる

三人が「町中に虎が出た」といえば、出てもいない虎が出たことになってしまう。

27・殺されることは誰も望まない

必ず殺されると分かっていれば、天下をくれてやると言われても飛びつくものはいない

28・忠誠をあてにするな

臣下が背かないことに期待をするな、背こうにも背けない体制をつくれ

29・術をもって治める

術を使わないで治めようとするのなら、身を粉にしてあくせくしてもその割に効果はあがらない

30・他人に頼るより自分を頼れ

安易に人から受け取ると、それがやがて相手のために法を曲げることに繋がりかねない。自分を信じ、自分の力で解決するに越したことはない

31・時には汚い手も

戦いの場においては、あえて騙すような策略も使わざるを得ない

32・凡庸な君主でもつとまるのが良い政治

自ら苦労をいとわず、徳を持って人民を感化する政治は、偉大な人物でも骨が折れることだった。権力、賞罰による体制を整え凡庸な人間でも治められる国づくりの方が重要

33・楽しみが仇になる

君主は責任が重く、孤独になりがちで、それでいて多くの人に関わる重要な決定をしなければならず「楽しいことなど何もない」と言いたくなることもある。それとは逆に、権力による睨みをきかせれば誰一人反対するものがおらず、どんな無理も通すことができる場合もある。ただしそこに楽しさを感じてはいけない。

34・危険を避ける

賢い人物は危険を察知して身を避ける、だから禍(わざわい)にあわない

35・損得のバランス思考を大切に

髪を洗うと抜け毛が出るか、それを嫌がっていては頭がかゆくなる

36・君主の三つの等級

下君は自分の能力で仕事をする、中君は人の力量を使うことができる、上君は人の智力を引き出して使う

37・恵まれた者は強い

長袖の着物を持つものは上手に舞うことができるし、多くの富を持つものは好きなものを買うことができる

38・働かざるもの食うべからず

金持ちから搾り取ったお金を貧乏人に恵むのは、仕事をする者から奪って怠け者に与えるようなものである

39・厳しさも重要である

しつけの厳しい家にはわがままな召使いはいないが、愛情深い母親からは道楽息子が出てくる

40・人の善意に期待するな

人が善意で応えてくれるだろうという期待はするべきではない

終わりに

今回読んだ本には、原文とそれぞれの言葉に対する逸話や補足説明がしっかりとされているので、この記事を読んで面白いなと思った人はぜひ読んでみてください。


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