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もはや、ダイソーは本屋である

ダイソーという名のインフラ


「ダイソーは、もはやインフラである」という事を信じてやまない私ではありますが、本当にダイソーさんは単なる「ヒャッキン」というポジションを越えて、生活になくてはならない機能を有していると思うのです。

そしてついに、ダイソーさんは本屋機能まで有する事が判明しました。

いつものダイソーパトロールをしているところ、滅多には立ち寄ることのない「本屋コーナー」を眺めていた時のこと。

大体そこにあるのは、小学生用のドリル、数独、クロスワード、雑学系の本などなどと思っていました(なのでいつも足を止めることはない)。

しかし先日、その中にちょっと異質な画像添付の本を見つけました。

「ぬまがさワタリの『ふしぎな昆虫大研究』」

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えっ!?ダイソーって図鑑系も出版し始めたの?と一瞬気になり、手に取ってパラパラとめくってみたら、なかなか面白そう。娘が昆虫が大好きということもあり「あまり面白くなかったらポイっとすればいいし」と思い購入してみた。

家に帰って娘に渡してみると、これが食い入るように眺めていて、なおかつ「面白い!」と言っていたので私もじっくり読んでみることに。

うん、確かに面白い。
そしてこれが100円なんてかなりの驚きである。

以下、この本のスゴイと思うところを列挙する

・全編フルカラーがスゴイ
・子どもも大人も興味を惹かれる昆虫の特徴を取り上げているのがスゴイ
・登場人物が全員女の子(AIロボットだけ男?)なのがスゴイ
・ページの余白の至る所におやじギャグが盛り込まれているのがスゴイ
・理科の内容だけにとどまらず、数学、国語、社会などの科目とリンクさせて説明している所がスゴイ
・そして、こんなに情報量が多くそしてグイグイ引き込まれる本が100円なのが、本当にスゴイ


という所でほんとにビックリな本なのであるが、そこからさらに考察を深めていったところ、この本はビジネス的に非常に戦略が練られた本であることが見えてきた。

まず、この本は「セレクト版」であり、巻末にはしっかり本体の図鑑の紹介文があった。
ということで、言わばこの本は「お試し本」なのである。

図鑑などの書籍は大抵高額なので、お試し本が作られることが多い。そしてそのお試し本が置かれるのは、大体本屋となる。

しかし、現在本はネット購入も盛んなので、本屋に訪れる人は大体何を購入するか?が決まっている場合が多い。

そうすると、本屋に置いてある図鑑のダイジェストを書いた「小冊子」を手にする可能性は極めて低い。なので、本屋に小冊子を置いてもあまり効果的ではないのだ。

さらに小冊子の場合、完全に販促物なので出版社側としては単なる「コスト」となる。なのでなるべくお金をかけたくないこともあり、小冊子のクオリティーはあまり高くはならない。

しかし、これをダイソーに置いて「セレクト版」として内容を充実させて売る、という所が画期的なのだ。

これは100円の商品なので、売れれば売れる程出版社側も利益が上がる。なので、小冊子よりもクオリティーの高い物が可能である。

そして何より、ダイソーなどのヒャッキン店舗は、買うものが決まっていない顧客が一定数いると考えられる(私もその内の1人だ)。

買うものが決まっていない層というのは「何か良いのがあったらとりあえず買ってみる」というマインドであることが多い。

なので、目に着いた良さそうなものは、価格を気にすることなく買い物かごの中にポイっと入れやすい。

つまり、普段は小冊子としてタダで配られるようなものが、少しクオリティーを高めるだけで100円で販売できるようになるのだ。

そして、このセレクト版を購入して、内容が面白そうだと思った人は、本体の図鑑の購入するための動機に繋がるので販売促進としての効果も抜群だ。
マーケティング的にもこれは大変理に適っている。

ということで、これからはダイソーでは本のラインナップが増えてくると思われる。

恐るべし、ダイソー。

これからもパトロールが捗るな。

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