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新規事業のKPIは細分化が必須【 #昼活新規事業 2022/10/28】

新規事業のKPIは細分化が必須

KPI (Key Performance Indicator) とは、企業や組織が目標を達成するために設定する具体的な行動指標のことです。代表的なKPIとして売上やコストなどがよく挙げられます。「売上・利益が上がらないなら打ち切りだ」と一蹴され、悶々とする新規事業担当者も多いのですが、売上・利益は、新規事業の進捗を測る物差しとしては機能しません。

新規事業立ち上げにおいては、売上があがっていなくても仮説検証が進んでいるのであれば、それは進捗しているというフェーズが存在します。その時には「今は売上は上がっていないけれど、この数字が上がっているから次年度には売上が立つようになる」という説明をして、決裁者に納得してもらう必要があります。

こうした説明ができるようにすることを念頭に置いて、細分化したKPIを設定することが重要です。細かくKPIを設定することで、事業が軌道に乗っていないフェーズにおいても、何が足りないのか、どうすればいつまでに目標が達成できるのかを説明できるようになります。

マクロな視点からゴールを設定する

マクロな視点に立ち、中期的な目標をテーマごとに定めるのがその1つの方法になります。事業の成長ステップをイメージしてKPIを設定していく方法です。

例えば、エリアで成長ステップを分ける場合は、「来年度までに東京都で◯%のシェアをとり、その次の年は名阪、3年後は地方にも拡大、そして5年後には全国で◯%のシェアをとる」といったイメージです。

このようにKPIを分解することで、会社から求められる事業規模に仮に到達していなかったとしても「このエリアで◯%のシェアを取れたので、同様にこちらのエリアでも◯%のシェアは獲得できることが想定されるため、x年後には目標到達が可能です」といった説明ができるようになります。

他にも、ターゲット(年齢、性別、シチュエーションなど)・売上の立て方(月額会員・アップセル・クロスセルなど)といった形でステップを切ることができます。

ミクロな視点でKPIを分割する

マクロな視点で成長ステップを描くことができたら、ミクロな視点でKPIを設定します。成長ステップで設定したキーファクターを詳細なKPIに分解して設定します。

これにより「このエリアで目標を達成できなかったのは顧客単価が低かったからです。一方で顧客数は想定通り獲得できています。次年度は顧客単価を引き上げることで売上を達成できます。」といったように、仮にマクロな目標が未達だったとしても、明確な改善策を示すことで事業の成長性を説明することができるようになります。

例:売上を分解してみる
売上は「新規顧客の売上」と「継続顧客の売上」に分かれる
→「新規顧客の売上」は、「新規顧客数」と「その顧客単価」の掛け算で求められる
→「新規顧客数」は、「申込みページを訪問した人」のうち、「申込みボタンを押下した人」
→「申込みページを訪問した人」は、「ランディングページの訪問者」のうち、「申込みフォームに遷移した人」
→「ランディングページの訪問者」は、「広告を見た人」のうち「広告をクリックした人」
→「広告をクリックした人」は、「広告が表示された人」のうち「広告が表示された人」

KPIを細かく因数分解したら、次はわかっている数字を当てはめていきます。既存事業で一定程度証明されている数字や、一般的に証明されている数字です。例えば、広告のクリック率などはネット検索で一般的な数字が挙げられているので、それを用いると良いでしょう。

埋められなかった数字が、仮説検証において測定すべきKPIになります。このKPIを定義した上で仮説検証計画を立案することになります。逆にいえば、KPIを定義しない仮説検証は、得られるインサイトが限りなく少なくなってしまうことに留意しなければなりません。

このようにKPIを分解して整理したアウトプットを「KPIツリー」と呼びます。KPIツリーを作成することで事業が思い通りに進捗しない時に、論理的に原因究明と対処法を考えることができます。

細分化したKPIを検証する

検証すべきKPIが明らかになれば、あとは仮説検証を繰り返し行います。上で用いた例に当てはめて考えてみましょう。

例:
実行:「広告をクリックした人」の率を検証した
→分析:KPIとして設定していたクリック数に届いていない
→仮説:広告を発信するターゲット設定が間違っているのではないかと仮説設定
→実行:ターゲット設定を変更し、再度実証
→分析:効果がないため、ターゲット設定以外の要因を分析
→仮説:クリエイティブ (広告に表示されるバナーなどのデザイン) が不適切なのではないかと仮説設定
→実行:クリエイティブを改善し、再度実証
→分析:クリック率が向上した
→決断:広告クリックは解決したと判断し、次のKPIの検証・改善にうつる

KPIが細かく設定できれば、このように論理的な検証と改善のサイクルを回すことができるようになります。適切にKPIを設定することは、その事業を進めるための方程式を作るということと同義なのです。
方程式ができれば、「今月成約を5件取るためには◯件のアポイントが必要で、そのためには◯回のコールをして、◯回のセミナーを開く必要がある」といった逆算が可能になり、プロジェクトチームで明確にアクションを合意することが用意になります。

今回の例ではネットビジネスについて扱いましたが、リアルビジネスにおいてもこの方法を適用することはもちろんできます。例えば、ポスティングを行ったエリア、反応率、申込み率、といったようにKPIを分解することが可能です。

数値が埋まらないときには専門家に聞く

とはいえ新規事業においては、「KPIを細分化したのはいいけれど、全然参考になる数値がない」ということも少なくありません。

ネットにも情報がない場合には、人に聞くことをお勧めします。もちろん、自分で勉強するということも考えられますが、ゼロから調べるとなると相当な時間がかかります。それならば既にその業界において知見のある人に聞くのが賢明と言えます。

知人にそのような人が見つからない場合には「ビザスク」のような専門家へインタビューできるサービスを活用しましょう。



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