おしゃべりな男

初ポストをみんなはどう書いているんだろう。少し恥ずかしいような怖いような、ちょっとだけウンコしたいんだけど便意ってほど激しい衝動でもないような、体長1cmのミニミニ元気な赤ちゃんを初出産する時、「お前ほんとにそんな小ささで元気に生れてこれるのか…?大丈夫か?」て気分のような…なんか、そんな気分。私は男ですが。
何かのご縁でたまたまこれを見に来た方、あなたの初ポスト、読んでもいいですか?


とある事から38歳から10年間の間、地獄(今回4度目)を見る羽目になり、時に鬱や不安障害の発作、体の不調、オーバーワークに悩まされながら生きてきた。ただ、あそこまで最ー悪の鬱を患っていながらも何故か「死にたい」とは一度も思わなかった。そこまで深刻な鬱じゃなかったのか…?いやマジで地獄だったんだけど。

もうこの地獄終ってくれ…でも抜け出す事ができない。しかし「終わってくれ」ではこの地獄は終わらないのだ。身内はみんな心配してくれるけど、どうすれば良いのかわからず困ってオロオロしている。そう例え身内でも、他人が鬱や不安障害の克服の仕方なんて知っている訳がない。経験した事がないからだ。それは医者もだ。

どんな手を使ってでもなんとかして自分で、自力で抜け出す他に手はないのだと気付くまでにこんなに時間が掛かってしまった。でもそんな自分をバカだとは全く思っていない。こんな状況に陥ったら多くの人は簡単には抜け出す事は出来ないだろう。なにせ当事者は自分が「鬱」だとか「不安障害」に嘖まれているという自覚が持てないから。とにかく何故かジゴクなのだ。

38歳から48歳までと言えば男の人生で言えば所謂脂の乗った最高のお年頃。私はこの最高のお年頃を最悪のお年頃として過ごしてしまったようにも思えるけど、半分は幸せだった。すこし分かりにくいかもしれないが、普通に幸せな世界と泥沼の地獄が10年のスパンでグラデーション状に溶け合っている、といった感じかも。
そしてこれだけは幸いな事に自分を愛してくれる人たちがいて、分からないなりにもいろいろとサポートをしてくれた。私を愛してくれた彼女たちには心から感謝をしている。ちなみに私はこの10年の間に結婚をし、離婚もして今は独身なので親を除く他人のサポートなく、最後は自力で地獄から抜け出してきた。

地獄からの脱出。これを達成できたと実感したその時、私はシャワーを浴びていた。
ずぶ濡れでチン子丸出しの私は浴室で、大声で「終わった…。やったぞ!!」とガッツポーズをキメた。誰にも見ては貰えなかったけど、なんかスラムダンクでそんな感じのカッコいいガッツポーズを見た気がする。あれは人生で一番の達成感だった。

みんないろんな理由で、人生のどっかしらでジゴクは見るんだろうな…通勤電車でよく一緒になるとなりの人とかも、孤独の地獄とか、恋愛の地獄とか、働く地獄とか、病の地獄とか。なんか、地獄の落とし穴って人生のいろんな所に沢山あるんだね…。
そんな地獄にズボッって嵌まってしまった時、誰かが救ってくれる時もあるけど、自力でも抜け出せる時もあるし、自力でないと抜け出せない時もあると思うのねあたし。だから、あたしのポストを読んで、なんかちょっと面白くって、ちょっと辛いとか、淋しい時とかなんか自分が言ってあげられる事でなんかちょっと喜んでくれたらいいなっておもうのね。工藤静香

MUGO ん 色っぽい 抜粋
作詞:中島みゆき 作曲:後藤次利
言いたいことならどれくらい
あるかわらなくあふれてる
わたし心はおしゃべりだわ
言いたいことならあなたには
あとからあとからあふれてる
わたし意外とおしゃべりだわ

私がまだ地獄を見る10年以上前、昔付き合っていた彼女と話しながら新宿を歩いていた時「ほらオレって割と寡黙な人間じゃん?」と彼女に言ったらギョッとした顔をして「こんなおしゃべりな男見た事ないよ!」と言われて自分も驚いた、という話。
元気な自分てこんなにお喋りだったっけ…?そう思うたびに工藤静香のこの歌が頭を過るので初ポストのタイトルはこうなった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?