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#008 あツァッ! -ローカル言語と親密性について-①


タイトルにハッシュナンバーを付けるようにした。
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※高見山の太鼓と拍子木
戸締まりよーじん火のよーじん
戸締まりよーじん火のよー
ジン
水はいのちのお母さん
スイ
スイ
スイ
スイ
水曜日
笹川会長「水をたいせつにしよう!」
一日一善ー!
モーターボートの収益金は、防犯防火のために役立っています
※拍子木(ディレイ)

https://youtu.be/xViRnw9rELI?si=YHpyPup0lwtUDo1P
CM終

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みなさんこんばんは。今宵はいかがお過ごしでしょうか。
ええ、さて、近頃は大規模言語モデルというものが世間で話題になっていますね。他にもさまざまな言語、日本語はもちろん、英語、中川家お得意の広東語、Python語、浜田省吾などさまざな言語が身の回りに沢山あふれているようです。

私ごとではありますけど、実は私は数年前まで結婚をしていて、二人で品川の戸越で暮らしていたんですね。相手には当時の私の思いをなかなか理解してもらえなかった。別れを経て、その相手とはもう二度と一緒には暮らしたくないと思っています。悲しい事も沢山ありました。
でも、当時二人で過ごした暮らしの中には楽しい事も沢山ありました。

そんなふうに誰かと共に暮らしていると、不思議と魔法のような言葉や言語が生まれてくるな、と思った。
今夜のお話はそんな話です。

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CM
男:山本山は、最高級海苔の代名詞。
職人たちが精魂込めて焼き上げたこの一枚に、伝統の味と香りを再現。
山本山の、浅草。
女:お歳暮には上から読んでも山本山、下から読んでも山本山。
(そんなのは嘘だ…下から読んだらマヤトモマヤだ。真実を知っているのはいつも子供達だけだ…大人達が考えているのは金の事ばかり…大人達よ…目醒めよ(何に?)…!)

※和琴
女: 新春を寿ぎ、謹んで新年のお慶びを申しあげます。
ミキモト産業株式会社
CM終

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彼女は外語大出身のトライリンガルだった。英仏日語を自在に操り、時に海外から訪れる商客の案内を、時に日本の得意先を生産地まで案内し、また時に現地との商談もこなす、ニュージーのボスからも信頼のある才女だった。
一見したところはその様な秀でた才能を持ち合わせている事など微塵も感じさせない、元気で明るい小柄な女性だが、怒ると恐い。

ある日彼女と共に夕飯を作っていた時の事である。私は牛刀でキャベツを刻み、彼女はその横で鍋を振っていた。不意に彼女は言った。
「あツァッ!」
私は彼女の突然の一声に驚き、それと共に刹那に、ブルース・リーの鋭い眼差しが脳裏を過った。

どうやら彼女は焼けた鍋の何処かに触れたようだった。
思わず「えっ⁉」と私が聞いた所、彼女は「あっツァァ…」と指先を揉みながら答えた。
それ以来、私達二人の間では熱いという事を伝える際は「アツァ」と言う事に自然となって行った。

そして、自然に生まれた言葉故に自然な活用が為されていった。
ツァー、アツァーツァ、ツァー(福原愛のガッツポーズ風)!!、といった具合だ。

冬の深夜の仕事の帰り、私は暖かい風呂に入りたくなり、彼女に風呂を沸かしてくれないかと連絡を入れた。
「すこしツァー目で風呂を入れてもらってもいいだろうか」と。

帰宅すると、既に彼女は床に就いていた。
風呂に入る。その風呂が、何とも程よいツァー湯だった。
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如何でしたでしょうか。大切な人との間では、時に人には分からない何か特別な言葉が交わされている事があるようです。だから、どこかの誰かが急に変な言を言い出しても驚かないでくださいね。ひょっとするとその言葉は、愛するどこかの誰かに向けて話した言葉かも知れませんから。
今夜はそんなお話でした。
それでは、おやすみなさい。

…ッァアア(激熱)!!

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