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真夏の夜の動物園

 上野動物園では、毎年8月のお盆の時期に、「真夏の夜の動物園」という催しをやっている。閉園時間を通常の17:00から20:00までに延長し、動物たちの夜のようすを見ることができるというものだ。
 私はこれを知ってから3年ほど、毎年「真夏の夜の動物園」を見に行っている。
 今年の開催期間は8月10日~8月16日。毎年帰省と丸被りするので、最終日に慌てて行くのだが、今年も例に漏れず最終日16日に上野公園へ足を運んだ。
 私が夜の上野動物園へ通うのは、写真を撮るためだ。
 上野動物園は、毎年「真夏の夜の動物園」のポスターを作っているのだが、その写真が頗る良い。格好良いからぜひ見ていただきたい。

https://www.google.co.jp/search?q=%E7%9C%9F%E5%A4%8F%E3%81%AE%E5%A4%9C%E3%81%AE%E5%8B%95%E7%89%A9%E5%9C%92&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiCv43d8JfkAhXBJaYKHfOuCiIQ_AUIESgB&cshid=1566525099696262&biw=1103&bih=680

「自分もこんな写真を撮りたい!」と強く思うのだが、これがとても難しい。
 光源のほとんどない中、どう動くか分からない動物を手持ちカメラで撮るのだから当然のことだが、「まあなんとか見るに堪えるかな」という写真が毎年1、2枚しか撮れないのがとても悔しい。
 しかし、今年は撮影云々ではなくRAW現像の技術が向上したので、かなりアンダーで写真を撮って現像でうまく仕上げるという作戦で、見るに堪える写真が増えたのではないかと思うので下に紹介したい。

いつも私が上野動物園をめぐるルートは、
パンダをスルー→カワウソの行動展示→猛禽類→虎・テナガザル・ゴリラ→ヘビクイワシ→アザラシ・シロクマ・クマ→ゾウ・猿→(いそっぷ橋を渡り)ペンギン・フラミンゴ→カンガルー・ハシビロコウ→キリン・カバ・サイ→(時間があれば)ワオキツネザル・爬虫類・アイアイ→出口へ
という感じなのだが、今年の本命は猿山の夕暮れだったので、パンダは当然スルーしてまず猿山へ向かった。

 猿山の夕暮れは昼の印象と比べるといくらかゆったりしていた。
 だいたいの猿が毛繕いをしてもらっているか、ひとりでぼけっとしていた。生活にリズムがあって地に足が着いている暮らしぶりだ。夕方は休息の時間でなくてはならない。

 猿山の後はシロクマ・アザラシゾーンから虎方面へ向かった。
 シロクマはもう自室に戻ったようので、上方から寝転ぶアザラシを狙った。アザラシはこの時間に人に見られるのが珍しいのか、ちょこちょこと首を振って上から自分を眺める人間にも視線を向けていた。

 猿山で時間を取りすぎてしまったようで、この頃にはすっかり日が暮れて暗くなってしまった。
 ヘビクイワシはいつもあちこち歩き回っていて撮るのが難しいから、暗くなったらさらに手が付けられないと思っていたが、夜だからかあまりに暑いからか、座ってうつらうつらしていた。

 やはりヘビクイワシは美しい。ここまで暗くなると動いていようがいまいがブレるので、思いっきりアンダーで撮って現像でなんとか明るさを調整した。

 虎ゾーンにいた獏と虎は元気に動き回っていたのでうまく撮れなかった。

 いそっぷ橋を渡った後の本命はフラミンゴだが、ここまで暗くなると撮るのは難しい。
 それでもなんとか撮った。

 次はハシビロコウ。ハシビロコウは灯りのともる部屋の隣にいるので陰影のかかった渋いご尊顔を拝せると期待していたが、すっかりおねむのようで奥まった位置に座っていらっしゃった。これはこれでなかなか見られないシーンなので、頑張って撮った。

 最後は部屋に戻ったカバ・キリン・サイなどを見て時間になった。
 ここは室内なのであまり夜っぽい写真は撮れないが、カバとサイのでかさにはいつも驚かされる。
 今年は現像技術のおかげでなんとかそれなりの写真にできたが、来年はキビキビ撮ってもっと良い時間を逃さないようにしたい。


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