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黒海における機雷戦
少し前のニュースですが、黒海における機雷戦について。事実関係が不明なところがありますが、いずれかの国が仕掛けた機雷によって第三国の民間船舶(貨物船や漁船)が被害を受けているとのことです。
2022年3月27日の記事ですが、エストニアの貨物船がオデッサ沖で機雷に衝突して沈没、爆発後、4名の乗組員が行方不明となったというもの。停泊中の機雷の爆薬が何らかの原因で係留から外れ、漂流中の本船に衝突したものと判断されたということです。ロシアはウクライナ軍が仕掛けた機雷であると主張しているとのことです。
機雷を仕掛けること自体は禁止されていませんが、係留場所の記録と通知、係留から外れた後の処理などについて、ハーグ第8条約における規則があります。
海上武力紛争法については、Westpointのブログで、豪州のDavid Letts教授が解説をしています。以下引用。
黒海の中立海域(トルコ、ブルガリア、ルーマニア)で浮遊機雷が発見されたという報道がなされたことに関する問題である。この報告からは、黒海に機雷を敷設したのがどの国であるかは明らかではないが、ロシアとウクライナの双方が敷設した可能性がある。
国際的な武力紛争中、交戦国による海上機雷の使用は許可されている。ただし、海軍機雷の使用には制約がある。潜水艦用自動接触機雷の場合、ハーグ条約8号(1907年)に規定されており、機雷の制御を失った後1時間以内に無害化しない固定されていない自動接触機雷の使用禁止、係留を解いた後すぐに無害化しない固定された自動接触機雷の使用禁止が含まれている。
また、商業船舶の妨害を唯一の目的として、敵の海岸や港の沖合に自動接触型機雷を設置することも禁じられている。これらの海軍機雷戦の基本原則は、国際慣習法の問題として、あらゆる種類の海軍機雷に適用され、したがって、現在のロシアとウクライナの紛争にも適用される。
第 2 の問題は、中立国が自国の沿岸に機雷を敷設することに関するものである。これは、黒海沿岸6カ国のうちルーマニアだけが加盟しているハーグ条約第8条(1907年)第4項で明示的に認められているが、国際慣習法によって支持されている。しかし、このような場合、国際海運に海軍機雷の存在を通知する義務が生じるとともに、敵対行為が停止した後にその機雷を除去する義務も生じる。
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