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R3年度活動報告| SIACプログラム1期の歩み

R3年度からスタートした「Social Innovation Accelerator College(通称:SIACプログラム)」。2021年8月末〜2022年2月末の6ヶ月間のプログラムが終了しました。

R3年度の活動を振り返りながら、SIACプログラムの趣旨や内容をお伝えできればと思います。次年度もよりプログラム内容に磨きをかけプログラムを実施していければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。


1. SIACプログラムとは

SIACプログラムは、“東北”“ココロイキルヒト(=社会起業家)”というロールモデルに触れ、東北という地域・東北が抱える社会課題への理解を深め、自分ごととして考え、次の一歩を踏み出していくことを目指す、6ヶ月間の大学生向け『東北版アントレプレナーシッププログラム』です。
▷SIAC HP:https://siac-sendai.mystrikingly.com
*本プログラムは、仙台市のソーシャルイノベーター育成・支援業務として実施しています。

【用語解説🖋】
■ココロイキルヒト
⼼意気(チャレンジ)、⼼⽣きる(感動する)など複数の意味を持つ造語です。INTILAQでは、起業家のみならず、⼩中⾼⽣、⼤学⽣、主婦の⽅も含め新しいことにチャレンジする方たちのことを「ココロイキルヒト」と呼んでいます。
*本プログラムは、INTILAQ東北イノベーションセンター(運営:一般社団法人IMPACT Foundation Japan)が運営しています。

■社会起業家
社会課題をビジネスによって解決を目指す起業家のこと。

■東北版アントレプレナーシップ
東北には、震災以降、社会のため・地域のためとの熱い想いをもちチャレンジをする多くのココロイキルヒトが存在。また、東北は、事業(仕事)と暮らしが近接しているという特徴も。東北というフィールドでココロイキルヒトというロールモデルから東北というエリアの可能性(働く・暮らす・チャレンジする(起業する))を学んでいきます。そして、私たちは、アントレプレナーシップの本質について、「会社を立ち上げること」ではなく「自分自身の人生に対してオーナーシップを持つこと(=ココロイキルヒトへ)」であると考えています。その結果(出口)として、起業・社内起業・事業承継・ライフワークとしての団体運営などの行動につながるのだと。東北のココロイキルヒトというロールモデルの「Why(=想い)」に伴走しながら、活動をすることで、起業家の思考性(いわゆるのアントレプレナーシップ)を身につけ、自分の「Why」に立ち返り、東北というエリアの可能性(働く・暮らす・チャレンジする(起業する))を認知する。これが、私たちの考える『東北版アントレプレナーシップ』です。


2. 活動の内容

(1)参加者について

宮城県内4大学11名の大学生が参加。

(2)活動の概要

大きく下記の3テーマでの活動(全32講座)を実施してきました。各活動内容詳細は下記3-1〜3-3をご覧ください。
・社会起業家育成プログラムへの参加
・社会起業家への取材
・学生mtg&チーム活動

(3-1)活動の内容①:社会起業家育成プログラムへの参加

仙台市主催(運営:INTILAQ)の東北社会起業家育成プログラム(通称:SIAプログラム)へ聴講生として参加。Visionの言語化に際しての壁打ちパートナー、ビジネスプラン検討のお手伝いなどを通じて、東北の社会起業家の伴走支援を実施しました。

(3-2)活動の内容②:社会起業家への取材

東北で活躍する社会起業家を取材し、Blog記事として執筆&発信を行ないました。

(3-3)活動の内容③:学生mtg&チーム活動

東北を知る(東北・東北の社会課題とは?、社会起業家とは?など)や自分を知る(人生曲線WS、visionWSなど)といったテーマでの各種講義やフィールドトリップを実施しました。また、東北の社会課題に対して、自分たちが出来ることは何かを考え実践するチーム活動を行いました。


3. 活動の成果(参加者の声)

11名の大学生たちと6ヶ月活動をしてきたSIACプログラム。プログラムの意味・価値とはについて、参加学生たちの声をもとに4つのPointにまとめました。

Point #01:新たな世界との接触・発見

東北という地域、東北の社会課題、東北でチャレンジする社会起業家、同期の仲間といった新たな世界との接触・発見。

<参加者の声🗣>
・「大人の熱い想い」を感じる機会になりました。また、同年代でも自ら動き出し
 たいと思う人がいることに驚いたし一緒に活動できてよかったと思っています。
・新たな考え方に触れられた。起業家の熱意をみることができました。
・今まで気にしてなかった、社会課題に敏感になれたと感じています。
・今まで目を向けてこなかった課題や分野について考える機会になり、新しく知る
 ことが多くありました。

Point #02:「起業・起業家」への理解深化

起業の本質は、起こすことではなく、想いを持つこと・続けること・社会的インパクトを追求していくこと。起業を正しく理解し、正しく恐れる。

<参加者の声🗣>
・これまでは、「何をやるか」重視でした。しかし、ここに「何を想って」や「誰
 とやるか」などの考え方が加わったところに自身の変化を感じました。
・一番感じたことは、「自分が何をしたいか」を考え、行動することです。ただた
 だ、表面だけ見て「困っている人を助けたいから」や「変えていきたいから」だ
 けでなく、そこにどのような想いがあって、なぜ自分がやるのかという軸を持つ
 ことが大切であることを学びました。

Point #03:学びの内省とアントレプレナーシップの醸成

「外の世界」との接触を通じた学び・気づきを、「内の世界」へ持ち帰る。挑戦心&目的意識(自分軸)の醸成。

<参加者の声🗣>
・物事の考え方において、何を念頭に置いて行動すべきかなどの基本的な考え方か
 ら、社会起業家に対する見方感じ方は良い意味で変わりました。また、この経験
 を経て他のいろんなプロジェクトにも参加してみようかなと思うようになれまし
 た。
・自身の可能性の幅を感じました。/自分の思い、考えを再確認しました。
・自分が生きていく上で大事にしたいものを考えるきっかけになりました。普通に
 流されるまま生きていくのではなくて、何か一つのことに真剣になって生きてい
 こうと思います。
・何かを成し遂げたり、形にすることを苦手と感じていました。なぜなら、最終的
 なイメージができなかったり、「どうせできない」「無理だろうな」と思ってし
 まうからです。しかし、SIAでは、スタートはあんなに頭を抱えていた起業家さ
 んたちが、サポートやメンターさんと共に、時間をかけてビジネスにしていて、
 成長をとても近いところで見ることができました。だからこそ、自分にもできる
 のではないか、と思うことができたのです。挑戦したり形にしたりと何か行動を
 することに対してハードルが下がったように思えます。
・いろんな人たちと触れ合う中で、いろんな考えを知りました。その考えや、それ
 対して自分が思ったことを見つめて、新しい自分を見つけることができました。
・「自分にも動き出すチャンスがある」ことを教わりました。

Point #04:同じベクトルを持つ仲間との出会い

SIAC1期メンバーという同じベクトル(思考性)を持った仲間との出会い。

<参加者の声🗣>
・SIACメンバーは様々な大学出身で年齢も違うので、考えることや興味の方向、
 視点が違っており、話しているとそういう観点もあるのかと気づけることも多い
 です。類は友を呼ぶというように、大学での友達は自分に似たような人が多いの
 で、こういう場でいろんな種類の友達を作ることができてうれしかったです。


4. 次年度に向けて(事務局総括)

6ヶ月間、試行錯誤しながら、大学生たちと共に活動を行なってきました。そこでの気づき・学び、そして、次年度に向けての可能性についてのコメントです。


プログラムの学生にとっての意味とは何か?このことをプログラム期間中常に考えてきました。その中で、出てきた1つの解。それは、「“ワクワク”のアンテナに刺激を当てる機会の提供」でした。東北・社会課題・社会起業家といった新世界に触れた結果としてこの世界に“ワクワク”し飛び込んだり、さらには起業という選択肢をするのではないかと。そのために“ワクワク”のSeedとなる機会提供をしていくのだと。そして、同じベクトル(マインド・思考性)を持った仲間との「繋がり」。これもまた大切です。社会に出ると付き合いはどうしても(業界的・エリア的に)限定的になってしまいがちです。そうした時に生きてくるのが「繋がり」なのかなと。そして、「繋がり」の中でも狭く深い「繋がり」ではなく、薄く広い「繋がり」が新しい気づきを与えてくれたり、固定観念を崩してくれたり、新しいキャリアの一歩を踏み出すきっかけとなったりというところになっていると思います。この、薄く広い「繋がり」を学生たちが獲得していくきっかけを「“ワクワク”のアンテナに刺激を当て続ける機会」を通じて提供していくというのが本当に意味のある価値のあるプログラムとなる。そのように感じた6ヶ月間でした。

6ヶ月の活動を終えた学生たちですが、Next Stepとしてのチャレンジを様々な切り口から行なっています。そんな、チャレンジの中から、1つ事例をご紹介します。

事例:「低出生体重児」の課題解決を行う社会起業家の広報支援!
SIACプログラムの活動を通じて繋がった、一般社団法人くるむ 佐藤さんの元で宮城大学の1年生2人がInstagramを活用した広報支援のお手伝いを。「低出生体重児」の問題に向き合い佐藤さんの想いを言語化、共感の輪を広げること&当事者の方への認知を広げることを目指しているとのこと。
▷一般社団法人くるむHP:https://kurumu.baby

こんな、1期生たちのNext Stepに感化されながら、社会課題をビジネスで解決を目指す社会起業家の想いに伴走するR4年度プログラムの企画も進めておりますので、R4年度もお楽しみに♪