令和5年8月15日の日記

 ブループロトコルとかいうゲームがおれの中で一段落したので、世界樹の迷宮X(3DS)を少しずつ進めている。世界樹の迷宮X、発売日(5年前)に即DLしたんだけど、そのあたりは実生活がそこそこ多忙だった時期で、ちょこっとだけ触ったあとに放置されていた。のが、頭の片隅にずっと引っ掛かっていたので、積みゲーを崩す意味も込めて今期のメインプレイタイトルに選ばれた。

 で、プレイしてて、あーやっぱりおれ齢とったんだなあと感じた。
 ゲーム自体は何の問題も無く楽しめているんだけど、携帯ゲーム機ならではの、こう、うつ伏せになって肘を立ててゲームをプレイするスタイル、あれが維持出来なくなった。もっと具体的に言うと、その姿勢をとると1時間も経たないうちに肩に結構な痛みを感じるようになってしまった。もうおれの肩はおれのフィジカルなゲームプレイスタイルを支えられないのだ……。かと言って仰向けでプレイするには3DSLLは若干重いので(しかもタッチペンでのマッピングがしづらい)、ああでもないこうでもないと姿勢を細かく変えながら何とかプレイを継続している状況にある。単に座ってプレイすればいいだけの話なんだけど。

 もうゲームの内容どうこうではなく、そのゲームのフィジカルな意味でのプレイスタイルが、加齢に伴う衰えによって制限されてしまうのはちょっと悲しい。数年前に軽いヘルニアを患って、軽運動で腰周辺の筋肉を鍛える必要が出てきた時に、せっかくだからとドラクエウォークとリングフィットアドベンチャーをそれまでの2倍の時間プレイするようにしたら、ヘルニアは改善されたが足首を疲労骨折してしまったという悲しい過去もあった。

 もちろんこれらの例はおれが自分の肉体の限界を超えてゲームに対する能動性を発揮してしまったから発生した事案であって、ゲームに対して適切に向き合っている大多数の人にとっては関係の無い話であり、だからこそこうやって日記で特筆できるわけなんだけど、これまで可能であった事が、肉体的な痛みを伴って不可能になっていく様を実感するというのは、何と言うか、思ったより精神的にくるものがあった。

 そういう意味では先日リリースされたポケモンスリープ、あれは本当に、凄い領域に手を突っ込んできたな、という印象を受けた。睡眠という、誰もがそれ無しでは生きていられない部分、かつ肉体的な能動性とは遠い位置にあるものを切り取ってゲームに仕上げてしまう手法には、ある種の畏怖すら覚える。だって極端な話、眠りさえすれば良いわけだから、少なくとも「プレイ方法」という観点のみを考えると、赤ちゃんでも老人でも全く同じ土俵に立てる(それが「ゲームをプレイしていること」に繋がるのかどうかはまた別の話だが)。
 もちろんこの、一見全くゲームと関係無い生活の一部分を抽出してゲームにする、というやり方は、ポケモンという超強力なIP無しではまず不可能な手法であるのだけど、それだけに今後が怖い。ポケモンGoに「歩き」を支配され、ポケモンスリープに「眠り」を支配され、ポケモンスマイルに「歯磨き」を支配され……そのうち生活の全てをポケモン化されてしまうのではないか(しかもそれがゲームとして面白いとしたら……!)という、ちょっとディストピアめいた想像が頭を過った。

 とは言え、改めて考えてみるとおれはもう自分の生活の結構な部分についてゲームを主軸として考えてしまっているので(モンハンNowのリリース日に有休を取得しようか考えるぐらいには)、今後生活のあらゆる部分にポケモンが絡んできたとて、それはそれで幸せなんじゃないか、などと思ったりもした。


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