歎きつつ ひとり寝る夜の 明くる間はいかに久しき ものとかは知る

書くのは抱えているのが怖いから、本を読むのはこの世界が怖いから、夜更かしをするのは朝が来るのが怖いから。全ては自分の弱さだと怪奇な誇りを内側に携え、何事も無いかのように息を吸って吐いている。倫理のバグを貞操のバグだと罵られ、聞き慣れた台詞を唱える勘違い野郎を肯定し受け入れたフリをする。けれども前者を認められたところでそれは社会から見放されたと同等の意があると理解し自己欺瞞に耽る。「愛が何だ」と言う割には愛するものが多過ぎて手に負えず、裏切られるくらいならと自ら離れる選択をし、奥歯と孤独を噛み締めながら私は強いと私を暗示する。孤立無援ではなく孤軍奮闘だと自身を鼓舞し、常に拳を握り締めて顔先で構えている。おかげで愛するものを抱き締めることが出来ないことにも気付かず「愛が何だ」と万事休す。犬だとか猫だとか、男だとか女だとか。シナリオ通りにならないそれは不要物だと排除する。愛が先か、触れるのが先か。そしてその先に待っているのは快か不快か絶望か。鳴いているのか泣いているのか。繋がっているのは心か身体かそれとも。己の誠意を伝えると思いやりに欠けると言われ、欠けた思いやりを埋めるとお節介だと言われる。途方に暮れて地団駄を踏み、躍起になって意気消沈。何をするにも臆病になり沈んだ船底で見つけた殻に閉じこもる。けれども全てを諦め切れずにヤドカリの如く生きる私はこの世に何を求めているのか。正義と正義の戦争の正しさとは一体。答えを出すべく一方がもう一方に同意するのは納得かそれとも諦めか。涙を飲んでの苦渋の選択で負った傷は奥深く、古傷が痛むかの如く何かにつけて疼き出す。勝った負けたの結果よりも戦にかけた時間と精神を労わって祝杯を挙げたいところである。


そんな余裕なんて何処にもないけれど。

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