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富士山に出稼ぎ

富士山についた時のことは忘れない。
これから新しい人生が始まるんだな。
そう思いながら山小屋まで登った。
僕がお世話になったのは富士宮登山口にある新七合目、御来光山荘。

行きは自分の足で、帰りはブルドーザー笑
ほぼ2ヶ月間の滞在。
標高2780m。
世界一周中にもうすでにわかっていたけれど僕は高所に弱い笑
ボリビアのラパスという世界で一番標高の高い町にしばらく滞在していた時も最初の3日間くらい地獄だった。
まじで死にそうになった笑


そんなこんなで、登った当日に速攻で高山病になりもどすorz笑
標高2780mなのに。
そんなに高いわけではないはずなのに笑
まあ2,3日で馴染みましたが。
普通に高山病になりましたと。


迎え入れてくれた人たち、出会ったみんな、気の合う素敵な人たちばかり。
ずっと人と会わない生活をしていた分、人に飢えていた笑
そしてなにより毎日登ってくる人たちが全員同じ目的で登ってくる。


共通事項、富士山に登る。
山登りをする時は、普段なにをしてるとか、お金がある、ないとか全部全部ひっくるめて、関係ない。
だから普段会わない人とかけっこういる。
話を聞くといろいろと面白い。
これは旅をしてた時の感覚だった。
旅人もそう。普段なにをしてるとかなんだとか、外にいたら何も関係ない。
一個人、人と人。
何を考え、どう生きてるのか。それだけ。
人との出会いは面白い。僕はそんな出会いで人生いろいろと変わってきた。
世界一周の旅立って、イタリアでの出会いがなければ絶対しなかった。


そんな人たちとの話。
そして朝5時からの圧倒的な自然。
毎日の空をみるのが楽しみだった。
朝は真っ青。いつも僕たちは雲の上。
そして夕方はその日によって色が変わり(オーロラみたいな空の日もあった)、夜は流れ星を数えて寝る。
残念ながら写真じゃ伝わらない。みんなにもみせてあげたい。

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毎日毎日、どんな店にしようかとノートに書いていた。
自分がしたの世界に降りてやりたい店。
すべてが叶うのならどんな店がいまやりたい?
いつもいつも、自問自答。
でも今までの自分と少し違っていたことは、地に足つくことしかやらないと決めていたこと。
ホームランは打たない。ヒットしか狙わない。
顔のみえない笑顔ではなく、今目の前にいる人を笑顔にすることが大切だ。

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毎日毎日考えていた。
山でのごはんは豪華だった。
毎日毎日美味しいご飯。
そしてたまに一緒に晩酌。


宿の主であるおとうさんはお酒が大好き。


「おみゃーらも一緒に飲むか?」


と笑顔で誘ってくれた。
ちなみに僕はこの頃まで完全なるビール党だった。
だけど山での生活でおとうさんに「おみゃーも飲むか?」とすすめられた焼酎を飲んでいたら苦手だった焼酎を好きになれた。
この経験は後の太陽酒場3sunでの営業にいかされていく。

朝の5時に起き掃除、宿泊客の人たちを見送り掃除。
そしてトイレの番。
焼印を入れるのが最初のうち難しくてうまくできなかったけど、何度も練習して少しはうまくできるようになった。
お風呂に入るのも山では貴重なこと。
お湯を大切にする。
もちろん日常の中のお皿を洗うとかだって、貴重な水を使って洗うから最低限の水を大切に使う。

今まで当たり前は当たり前じゃなかった。
そんな日常とはかけ離れた世界に2ヶ月間身を置いた。
キューっと縮こまった心が少しずつ少しずつほぐれていくのを感じた。
悩んだり、辛い時考え込んでしまった時は、自然がいい。
自然に本気で癒された。

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そして山を降りた。ブルドーザーで。


最高の夏だった。7~8月の2ヶ月間。正確には山小屋を閉めるまでいたので9月ちょっとだったっけかな。
あの夏以上の夏があるかってくらいに、毎日が最高だった。
心の準備運動はオッケー!

よし、ここから再スタートだ!

僕の心は燃えていた。
一歩ずつ前に進んで、道中も楽しんで、最高の店を作ろう!


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