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「2020年、二十歳の私が話したこと」公募インタビュー#7

〈瞳さん(仮名) 2020年7月初旬〉

瞳さんは現在二十歳。この節目の年に今まで生きてきたことをまとめたい、話をする相手を探していたということで、インタビュアー田中に応募してくださいました。

二十歳という節目の年に

瞳さん 今年(コロナ深刻化の前に)ギリギリ成人式ができて。

──それはよかったですね。

瞳さん 二十歳になって、10代だった時に比べてちょっとだけ自分が大人になったかなと思うんですよ。考えることが変わってきて、お話してみたいなと思ったんです。

──自分史をまとめようかなと思っていたんですか?

瞳さん 何かしらの形で考えを残したいなと思って。別に残すほどのことは何もしてないっちゃしてないんですけど、いろいろあったので…何から話そうかな…じゃあ私のおうち事情から話してもいいですか?

──はい、もちろん。

おうちの話

瞳さん 自然食品とかオーガニックとかマクロビオティックって聞いたことあります?うちの親がそういう食品を集めて売るお店をしてて。
 元々は親戚の人がやっていた会社のグループだったお店を、私が小学校3年生の頃、うちのお父さんがオーナーとしてやるって形になったんですけど。
 じきにお母さんも一緒に働かなきゃいけなくなって共働きになり、家に大人がいなくなって。

──瞳さんはひとりっ子さんですか?

瞳さん 妹がいて、妹としか遊んでなかったですね。私、一人遊びがうまくなくって、妹をしつこく振り回したりしてたんですけど(笑)。…自分のこと話すって緊張しますね(笑)。

──妹さん、おいくつ下なんですか?

瞳さん 今高校3年生なんですけど、妹の方がだいぶしっかりしてしまいました(笑)。

 (共働きの)親にいつも会わないから、親が怖くって。今でも怖いです。
 当時、親が帰ってきたら親の言うことはきかなきゃいけないんだなっていうのがあって、不自由に思っていました。

音大をやめた

瞳さん ちょっと時間が飛んじゃうんですけど、通っていた音楽大学を去年の春にやめなきゃいけなくなって。お母さんの持病が悪くなっちゃって、入院も増えてきて、お金の事情でやめなきゃいけなくなりました
 お父さんから、話があるからつきあえって言われて。一緒に行ったお店でその話をされました。

 親の言うことを聞かないといけない意識があったから、悔しいけど音大をやめることになりました。
 やめなきゃいけないってなった時、自分でどうにかするとか全然できなかったな、っていうのがあって。

──どうにかするっていうのは、バイトをたくさんするとかですか?

瞳さん そうです。あとは奨学金を借りる検討をするとか、なんでしなかったのかなってちょっと思うんですね。

 親に対しては、逃げやがったなっていう感じ(笑)。例えるなら、おもちゃをとられた子供みたいな心境でした。遊べる環境がなくなっちゃった。
 それでなおさら家にいたくなくなりました。

 今、彼氏と同棲してるんですけど、ここ(ビデオ通話インタビュー中に瞳さんがいらした場所)、彼氏がやっているバーです。この2階に居住スペースがあって、そこに住んでいます。

 それまでもちょくちょく(彼の家に)泊まってはいたけど、大学をやめることになって本当におうちがどうでもよくなっちゃって、何回も連絡が来るのを無視してこっちに住みついてしまいました。

 やめる、ってなったらもう親の顔も見たくなくなって。妹は私立の大学付属の高校に行ってるんですね。私は高卒なのに…って悔しくって、幼少期に一緒に遊んでた妹なのにちょっと嫌いになっちゃった自分も嫌だったです。
 私だけやめなきゃいけないのは嫌だったなあって、今でもやっぱり思いますね。

──お父様から言われてすぐにやめることは決まってしまった?

瞳さん 私も反論する材料がなくて。大学は行きたいけど、毎年学費を200万円用意しないといけない、それは奨学金だけだと難しいとなると、なかなかそんなに稼げるバイトもなくて。

 あと今、普通に、仕事が面白くて。いわゆる夜の仕事なんですけど。人と話すって面白いから、それもいいかなと思って。

今のお仕事

瞳さん 元々週1くらいだったんですけど、今はほぼほぼ毎日。(正規の雇用ではなく)アルバイトです。
 ラウンジとかクラブとかっていうのかな。いわゆる、今で言う「接待を伴う飲食店」です(笑)。

──どういうところが楽しいですか?

瞳さん こちらの目線一つで相手が思うことが変わることとか。
 下を向いて話すと、ちょっと自信なさげに見えたりとか。あとは仲良くなってお願い事とかする時に、下向いてちょっとヒソヒソ話すと、謙虚に見えたり。目を見て話しすぎるのも威圧感があるかなとか、話し方もいろいろあるので。
 先輩を見てて気づいたこともあるんですけど、自分で試してみるともっと面白くて。お客さんという、試せる対象もたくさんいらっしゃるので(笑)。

──自分に向いている感じはします?

瞳さん 向いてはいないですね、たぶん。でも一生懸命やれば向いてくるだろうと。がんばって鉄パイプを磨いて剣にしようとしてる感じです(笑)。

──このお仕事にひとまず打ち込んでみようと?

瞳さん そうですね。ちゃんとやりたいことをやったことって今までなくて、音大に行ったのも、かっこいいだろうなっていうことぐらいのことしか考えてなかったんです。今の仕事も、結局ちゃんとやってみたら面白いなって思ったんですけど、今までは何でも面白くなる前にやめちゃったから。

 高校生の時に軽音楽部だったんですよ。それで、音楽を続けてやっていたら今までできなかったことができるかなって。後で目的を探すみたいな感じで音大に入ったから、親としてはそれも頼りなく見えたんでしょうね。

 でも、今となっては(どうしても)音楽!って感じでもなくて。やったことは無駄じゃないとは思うんですけど。

──今は、いつか音楽を勉強する道に戻ることは考えてない?

瞳さん 今やっている仕事が一生できる仕事だとは思ってないんで、もう1回ちゃんと自分でできるようにして、歌の先生とかやるのもいいかなとも思います。

お母さんのこと/親の仕事に対する葛藤

──お母様のご病気は?

瞳さん また治療が始まるのでもうすぐ入院するみたいですが、私もあまりわかっていないんです。うちのお母さんが、お父さんには病状とか話すんですけど、私たち子供には全然話してくれなくて、今どんな感じなのか全然わからないんです。

──それは子供には心配かけたくないから?

瞳さん たぶんそうなんだと思います。彼女なりの意地なんだと思います。

──やさしさというより意地って感じなんですか?

瞳さん 意地ですねあれは。やさしさではないと思う(笑)。入院してる病院はわかるけど、部屋番号を教えてくれないとか。お見舞いに来ないでほしいみたい。すごいなと思います(笑)。何かあっても行けないよと思いますけど。

──瞳さんが小さい頃からそういう感じのお母様?

瞳さん 一度自分が決めたらそれをやらないと気が済まない人ですね。
 お店でマクロビオティックとかそういうものをやるって決まった時に、(家で)雑穀のごはんを保温しておいて2日目ぐらいに食べるみたいなことを始めたんです。私は何を言ってるのか全然わからないんですけど(笑)、そういう絶妙においしくないものをたくさん食べさせられたりして。おいしくないとか言える雰囲気じゃなくて、目がマジだから食べなきゃいけないのかーって感じで、それが1ヶ月とか続くとほぼ拷問でした。

──お母様はお仕事でやっているだけでなくて、健康効果を信じている?

瞳さん そうですね。私は逆に身近で見てきた分、(健康食品の類を)だんだん信じられなくなってきたというか。言葉で見るとやさしげなんですけど、実際それってどうなのって考えてみると…。

 小さい頃の私があんなに苦労してまで食べなきゃいけないものだったのかなとか思っちゃったりしますね。今でもその点に関しては非常にお母さんのことうらんでるので。
 そういうのって、子供のことを巻き込んじゃいけないと思うんですよ。でもうちのお母さんは巻き込むわ、残すと怒るわ。

──お母様は今でも続けてる?

瞳さん よくわからんけど今でも〇〇がいいとか言って飲んでますね。
 
 おじいちゃんおばあちゃんを集めて、〇〇がすごくいいんですよとか説明して買ってもらう会とか今もやってて、それってどうなんでしょうね。法律に引っかかったりしないんですかね。あれはギリギリセーフなのかな。
 
 親がそういうことをしてお金を稼いでるってことに、ちょっと後ろめたい感じはありますね。まっとうな、正しいお金の稼ぎ方じゃないんじゃないかなと思いますね。私のほうが正しいかと言われればちがいますけど。

──それはいつ頃から感じてたんですか?

瞳さん 自分が今の仕事始めてからだから、18歳くらいからですかね。
 人と話してて、あれ、なんか、社長とかのお金持ちって聞いてた人も意外とシビアだぞって思って、お金に対する考え方は人それぞれではありますけど、世の中の人はそんなにお金が余ってるわけじゃないんだなと思ったのが一番最初でしたね。

──世間の人のお金を健康食品とかに使わせてるのがちがうんじゃないかって感じたってことですか?

瞳さん 効果があるかもわからないのにやらせるのちがくない?と。実際、うちのお父さんとお母さんは太ってるんで、やせもしないじゃん、何それって(笑)。
 「効果があるかもよ」みたいな感じで売り出すのは間違ってるんじゃないかなと強く思いますね。

──お父様とお母様はご商売については同じ方針?

瞳さん お母さんは信じたら離れない感じで、お父さんはどうなんだろうな、親戚がやってたところを引き継いだっていう形でもあるし、やめられないのもあるんじゃないかと思いますね。

 私は巻き込まれるのはすごく嫌ですけどね。人が足りないからってお店でバイトもさせられたんですけど、自分が全然いいと思ってないから、品物をすすめることにすごく罪悪感があって。でも家族だからやらなきゃいけないと思ったんですね。お父さんも、そういう責任感があるのかなと思いますね。

彼氏と暮らして

──今は親からの金銭的な援助なしで暮らされているんですか?

瞳さん ないですね。

──ご実家から独立されたことになりますよね。

瞳さん 彼氏のお店もコロナの影響もあってギリギリなので、お互いギリギリのところでなんとがんばって生きてる感じですかね。

 お店の2階が住居だから、お店がなくなると同時に住居もなくなるっていうスタイルなんで(笑)、なんとかしなきゃいけないなあと思います。助けられるところは助けたいなと思いますし。

──彼氏さんはお年は?

瞳さん 私の両親より年上ですね。うちのお父さんが家庭にあまり興味のない人だから、(彼氏との関係で)私がもう一回お父さんとの時間をやり直してるみたいに感じることが多いですね。

──彼氏さん、やさしいかたですか?

瞳さん やさしいと言えばやさしいのかな。年上だからかやけに怒ったりもしてくるし、私も危なっかしいというかおっちょこちょいなんで、しょうがないなってやってくれるようなところはありますね。

──結婚は考えてるんですか?

瞳さん うーん、向こうがどう思っているかはわかんないですけど。彼はバーテンダーをやって長いんで体をいつ壊すかわかんないし、彼女っていう立場だと彼が死んじゃいそうになった時に会えなかったりするじゃないですか。そういう時のためにとは思いますね。私は子供のことは全然まだ考えられないんで、そういうのとは別で。

今でも、怒鳴られるんじゃないかと

──小さい時、親が仕事から帰ってきたら言うこときかなきゃいけないって思っていたっていうのはどういう感じだったんですか?

瞳さん 私がすごく小さかった時、お母さんは専業主婦だったんです。その頃お父さんは今で言うブラック企業に勤めていて、朝に帰ってきて1、2時間だけ寝てまた出ていくみたいな生活で。
 お母さんは(育児や家事を)一人でやらなきゃいけないから、相当追い詰められていて、ヒステリックだったんですよ。虐待まではいかないと思うんですけど。

 私はちっちゃい頃からお母さんと一緒にいるからその記憶が強くって、変なことしたら怒鳴られるかもと思ってしまう。(食後に)お茶碗にお水をかけなかったら怒って、おさげにしてた髪を引っ張られて切られそうになったこともありました。

 そんな怖い思い出があるから、両親が共働きになった時、私はお母さんから解放されたんですね。でもその反面、帰ってきたら怖いっていうふうになって。
 今でも実家に帰るとドキドキします。今彼氏と一緒にいることとか、怒鳴られるんじゃないか、って

──おもに怖いのはお母さんのほう?

瞳さん お父さんもブラック企業で働いていたから、小さい頃からあまり会って話をすることがなくて、得体が知れなくて怖いって言ったほうが正しいですね。
 昔、お父さん、時々帰ってきたと思ったら2段ベッドから引きずり落としたりするから怖いなって。

──それは酔っ払って?

瞳さん いや、シラフなんですけど。朝ごはんの時間に準備を手伝わなかったみたいな理由かな、わかんないですけど。怖くて聞けないです(笑)。おびえちゃって。

──じゃあおうちはあまり心穏やかな場所ではなかった?

瞳さん 家が一番大嫌いです。

──妹さんとはその中で二人で仲良くやっていた?

瞳さん そうですね。妹とは仲良くやらざるを得なかったのほうが近いですかね。片方が怒られすぎないようにしたりとか。自分がやってないことでも身代わりになるようなことを、交互にやってたと思います。

自分も親のようになるのでは/妹のこと

瞳さん 自分がそういう親になるんじゃないかと、それが怖いのもあって自分が子供を持つ気に全然なれないです。

──ヒステリックだったり威圧的だったりするような親に?

瞳さん 自分もやっぱりそういうところがあるんですよ。仕方ないなと思うところはあります。
 私、(今まで誰かに手を出すことはなかったが)もし自分が手を出すようになっちゃったらと思うし、すごくなりたくないものに自分がなっちゃうのがすごく嫌ですね(笑)。
 自分とはつきあっていくしかないから、どうにかしないとなとは思います。

──ご実家に帰って家族と一緒に住む生活にはもう戻らないつもり?

瞳さん 絶対したくないなとは思うんですけど、私も稼ぎが少ないから、もしここを追い出されたらまたそうしなきゃいけないかもしれないですね。

──今は妹さんはその環境で大丈夫そう?

瞳さん 妹はうまくやってるみたいですね。でも、妹はリストカットとかはしてるから、ストレスは何かしらの形であるんだろうなと思います。

 妹の学校の先生から親に(腕に傷があるが大丈夫かという)連絡があったらしく、その話は大学をやめる話の時に父から聞いたんですけど、その頃私はなるべく親と会わないような生活をしてたんです。なるべく夜遅くまで友達と遊んで、親が寝てから家に帰って、親が仕事に行くまでは寝たふりをして、そんな暮らしだったから、妹に負担がいってしまったのかなって責任を感じます。

 妹のことは今では好きです。大学をやめた時にいったん嫌になったのは単純な嫉妬だから、本当に嫌いなわけじゃなかったですね。今はお誕生日プレゼントを渡したりするし、妹とは関係は良好です。

 精神面でも元気でやってほしいなと思いますけどね。今、もし何かあったらかくまえる場所があるっていうのは幸せなことかなと思います。彼氏が、何かあったら1日2日ぐらいなら妹をこっちに呼んでもいいよなんて言ってくれるから。

──妹さんに責任を感じるところがある?

瞳さん 私が逃げたら、(親からの風当たりが)今まで半分になってたのが全部になっちゃうから、やっぱりきついかなとは思います。妹は私よりは器用だから大丈夫でしょうってところもありますけど、でもそれを押しつけちゃったのはやっぱり責任を感じます

──何も言わずに出た?

瞳さん はい、何も言わずに出てきました(笑)。

──妹さんからは何か言われなかった?

瞳さん 馬鹿なお姉ちゃんだなと思った、とは言われましたけど。たぶん、彼女はそこには怒ってないのかなって。

 私は、家族の絆には憧れがありますけど、全然実感はないかな。

──お父さんお母さんとは時々連絡はとってる?

瞳さん 家族LINEからは抜けてないから、そこでちょいちょい連絡が来るかな、ぐらいです。いつもほとんどしてないです。

──完全に断ち切るまではしない?

瞳さん 妹のこともあるから、しちゃいけないかなと思います。したかったけど。

明日のごはん

──今はお仕事をしつつお金を貯めていこうといった感じですか?

瞳さん 貯めたいんですけど、(夜の仕事でも)一部を除いて、どこ行ってもみなさんが思ってるほどお給料は良くないんです。私なんかは月収13万とかだから、少ないですよね。バイトだから仕方ないですけど。だから貯金しようと思っても難しいところがあります。ちょっとずつでもしなきゃなと思いますが。

 とりあえず明日のごはん、って感じです。10年後のごはんも心配だけど、明日のごはんです(笑)。

安定した仕事にはつかないだろう

──これからやりたいことはありますか?

瞳さん 歳とっても、何かしら仕事してると思うんですよ。でも私のことだから、安定して食べていける仕事はしてないと思うんです。私というやつはきっとそうで、たぶん普通の会社員とかはやらないんですよ。会社とか社会とかっていうのが苦手なんだと思います。

 いつも予備を作っておかないといけないなと最近思います。自分の仕事がどうにもいかなくなった時に、とにかく1ヶ月ごはんを食べるだけのお金っていうんですかね。それぐらいはないといけないなあって思います。

──安定した仕事につかないだろうっていうのは、性格上そう思うってことなんですか?

瞳さん 上司がいて部下がいて、年功序列で、っていうのがすごく苦手です。私の方ができるのにとか思うと、それでうまくいかなくなるんですよ。アルバイトでも何回かそういうことがあって、私はそういう場所に向いてないんだなと思って。実力がすべてというほうがやりやすいかなって。

──実力主義とか成果主義の会社などがあったら働いてみたいですか?

瞳さん 仕事内容に興味があるかないかも大事にしたいなと思いますね。

 今の仕事で食べていけなくなるのが怖いんですよ。例えば肝臓を壊したり、将来若い子しかいらないからって言われちゃった時に、ごはんが食べられなくなるのは困るなあと思って、最近プログラミングを勉強してみたりしてますね。あれもきっと成果主義的なところがある仕事だと思うんですね。うちのおじさんがプログラマーなんで、協力してくれています。

 何かしらの形でとにかく明日もごはんが食べられれば。ごはんが食べられれば人間無敵なんで。

──プログラミングは好きですか?

瞳さん はい。ちっちゃい時にアメーバブログがはやってて、プログラミングとはちがうかもしれませんが、スタイルシートっていうんですか、例えばブログで音楽を流すためには謎の文字列を書かなければいけなかったりして、あの時がすごく楽しかったから、そのおかげで今勉強するのがめっちゃ楽しいですね。

 面白いです、パズルみたいで。機械にわかるように言葉を書くというところも、面白いなって思いますね。

大人になった/大事な友達

──最初に、最近大人になったなって思うとおっしゃっていましたね。

瞳さん そうなんですよ。妹のこととか、大学をやめたことにすごく苦しんでいた時、なんで私ってこうなの、って人に泣きついてみたりしたんですけど、そういうことをしても無意味だなってことに気がついて、気をつけているうちに自然としないようになってきたから、そういう意味でも大人になったかなって。
 あと、将来のことを考えなきゃいけないんだなと思えたことが大人になったなと思って。まだまだがきんちょなんですけどね。

──泣きついてたのは、どなたに?

瞳さん 親友とか彼氏とか。仲良くしてくれる人全員に泣きついていました。私、しょうがないですね(笑)。

──お友達は多いんですか?

瞳さん 大事な友達が3人いるくらいで、他にはあんまり連絡は取ってないです。

──大事なお友達が3人も、いいですね。泣きつけるくらいの。

瞳さん (笑) 本当に、そういう時に一緒にいてくれる友達のありがたみを感じますね。

 一人は小学生の時からずっと一緒の子。
 残りの二人の方が大学で会った子たちなんですね。私は大学に1年しかいなかったのに、学部もちがう子なのに仲良くなれたのが不思議なんですけど、今でもしょっちゅう連絡とってて。
 大学の友達のうち一人は、卒業生が講師として来ていて仲良くなったんです。

──年齢差はあるけど、仲良くなったんですね。

瞳さん 友達ではあんまり年齢って関係ないんだ、って思いました。年上でも年下でも仲良くなれる人はなれるんで。

──大人になったなと思ってどうですか?大人は楽しいですか?

瞳さん どうですかね…我慢しなきゃいけないことも多いなと思います。でも、そうして我慢をするともっと仲良くなれる人もいるんだなと思うから、そっちの幸せをとるんなら仕方ないなと思います。

 例えば、愚痴は聞きたくないけど一緒にいると楽しいと思ってくれている子に、愚痴を毎回毎回言ってたら嫌われちゃうじゃないですか。だから最低限のことをすることによって仲良くなれる人がいるんだったら、それも一個の選択肢かなと思って。関われなかった人たちと関われるようになるなと。

 さっき言った大事な友達3人には、あまり気をつかってないですけどね(笑)。

人と関わる幸せ

──瞳さんは人とのコミュニケーションはお好きそうですね。

瞳さん そうですね、下手なんですけど。

──そんなことないと思いますけど。

瞳さん (笑) 人と話すのは好きです。
 人といるっていうのがいいですね。一人よりかは。

──友達は増やしていきたい?

瞳さん お友達じゃなくてもいいのかな。自分が関わらせてもらえる人がいるのが幸せって言うほうが正しいですかね。言葉にするのが難しいですが、働いてる場所だったり、勉強する場所だったり。

 以前働いていたところの、辞めたにも関わらず仲良くしてくれる人とか、そういうつながりを一つ一つ大事にしていきたいです。今でも関われることが幸せです。

──小さい頃からずっとそうですか?

瞳さん 昔はもっと自分にとって利益のある人ない人みたいな分け方をしてたんです。今は利益のあるないでくくるのをやめました

 あるじゃないですか、スクールカーストみたいな。陽キャの子と仲良くするとトクかなみたいな。あの子と仲良くするといじめられるんじゃないかなとか思いながら過ごしていたけど、人と関わる時にそれを考えるのをやめるとすごく気が楽ですね。

──何か転機はあったんですか?

瞳さん 大学に入ったことかな。それまで私は勉強ができる子だったんですよ。でも大学に入ると、勉強は結局あまり関係なかったんです。うちの大学は筆記試験はなくて、言い方は悪いですけど、偏差値の低い高校に行ってた子もいれば、すごく高い高校に行ってた子もいるし、過ごしてきた環境がちがう人たちが音楽が好きってだけで集まってくるんです。
 それでも認め合うところがあったりとかして、そういう関わりがもしかしたらきっかけだったのかな。
 夜のバイトを始めたこともあったかもしれないし。いろんな原因が合わさってのことかなと思いますね。

(終わり)

※個人的な経験と感想に基づいたお話です。
※インタビュアー田中の発言の前には──が付いています。

形を変えながらずっと残っている記憶もあれば、すっかり忘れてしまう気持ちもある。文章にはタイムカプセル的な機能もありますね。ひと時のインタビュー、未来のご自分へのメッセージにもなり得るかもしれません。

お読みいただきありがとうございました!






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