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マフィアの起源を探して19世紀、ガリバルディのイタリア統一前後、映画『山猫』のシチリアへ

「マフィア」という言葉は、「ピッツァ」や「スパゲッティ」同様、ほぼ世界中に知れ渡るイタリア語のひとつだそうです。

もちろんイタリアに、マフィアという名の特定の犯罪組織が存在するわけではなく、資本、権力と密に繋がる、あるいは権力そのもの、というケースもある、複雑な犯罪・違法システムを指す象徴的な名称だと認識しています。

イタリアの『鉛の時代』を調べると、たとえば1970年、黒い君主と呼ばれるユニオ・ヴァレリオ・ボルゲーゼのクーデター未遂の影に「コーザ・ノストラ」が現れたり、1978年の『アルド・モーロ事件』に「ンドゥランゲタ」、あるいは「バンダ・デッラ・マリアーナ」が現れたりと、マフィアと時の政治権力の繋がりが強く疑われる現象に遭遇します。

さらに90年代には、続けざまに重大爆破事件を起こし、マフィアに便宜が図られるよう国家の一部を担う人物たちと対等に交渉する、という出来事もありました。

このように、マフィアは「国の中の国」とも呼ばれる影の権力を誇っていますが、ではこの集団が、そもそも何を目的にしたどのような組織なのか、いつ誕生し何をきっかけに発展したのか、おぼろげにしかイメージできない、というのが正直なところです。

そこでまず、マフィアのおおよその起源とされる、1860年のイタリア統一前後のシチリアへと遡ると同時に、トマージ・ディ・ランペドゥーサ原作、ルキノ・ヴィスコンティ監督の大作映画『山猫』に暗示されるマフィアの原型を探ることにしました。

地中海のみずみずしい陽光が降り注ぐ、澄んだ海の碧、乾いた大地に残る時代の痕跡。一度訪れたら虜になるシチリアの、知らなかった歴史を追います。

続きは以下から。


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