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プロダクトの開発と、採用企業の意識改革の両面からこれからの採用に適したソリューションを実現していきたい

InterRaceのタレントアクイジションマネージャーとして、大手企業やスタートアップ、そしてDXやマーケティングなど採用難易度の高い職種などの案件に多数関わり、採用につなげている株式会社 百花事変 代表取締役の成澤 良浩さん。自身が経営する会社においては、中長期の採用変革コンサルティングから採用成果にコミットした採用支援事業まで、あらゆる採用領域の課題解決に取り組んでいるとのこと。これまでの経歴、InterRaceでの実績、仕事で大切にしていること、今後の目標などについて伺いました。

成澤 良浩さん
2013年 都市銀行系の芙蓉総合リースを経て、2015年に人材紹介大手のJACリクルートメントに入社。国内外で5年以上にわたり、特に管理職・幹部クラスの人材採用や海外法人の人材採用を通じて、スタートアップから上場企業まで幅広いクライアントの人材採用をサポート。直近は上場を目指すベンチャー企業で人事を務め、2022年4月から採用・人事の支援サービスを中心とした活動を始め、2023年10月に株式会社百花事変(https://hyakkajihen.jp/)を設立。中長期の採用変革コンサルティングから具体的な採用成果にコミットした採用支援事業まで、あらゆる採用領域の課題解決に取り組んでいる。InterRaceには2022年から参画。


北陸エリアの開拓、新規サービスの立ち上げ、
海外の建て直しなどを経験

──社会人のスタートは、大手リース会社の営業職とのことですが、入社3年目でJAC Recruitmentに転職されます。なぜ、JAC Recruitmentを選ばれたのでしょうか?
 
実は当初は転職活動の際にJAC  Recruitment(以下、JAC)を通じて、某M&A企業に転職しようと思っていました。最終選考まで残ったのですが残念ながら落ちてしまい、当時のJAC担当者に声をかけてもらったのが、JACに入社したきっかけです。当初、人材サービス企業は転職先として考えていなかったのですが、M&Aは「企業と企業」で、人材紹介は「人と企業」をつなげる仕事なので、似たことができると思い、選びました。
 

──JACでは、どのような仕事を担当してきたのですか?
京都支店の配属だったので、最初は、エリア特性として多くのクライアントを占めていたメーカーに対する人材採用の提案と候補者との面談が中心でした。しばらくして誰もやっていなかった北陸エリア(石川、福井、富山)の企業を開拓して、実績を築いていきました。

その後、これまでの成果が認められ、ハイクラスを対象とするエグゼクティブブランドのリーダーを任されました。ここでは、一人で営業をするのではなく、ファンドやVC、銀行や証券などのパートナー企業と組んで経営幹部ポジションを手掛けることもありました。パートナー企業のクライアントから出てくる経営幹部の交代ニーズなどをいち早くつかみ、案件化していきました。

2019年には、海外の子会社の改善のため、中国・上海に赴任。しかし残念ながら、その半年後に新型コロナウイルスが猛威をふるい、何もできないまま他拠点の人事異動の波にもまれ、すぐ帰国することになってしまいました。
 

95%で未達に終わり、悔しさのあまり
15分程涙が止まらなかった

──コロナ禍の影響で、海外での仕事はうまくいかなかったとのことですが、その他は順風満帆なイメージがあります。挫折や苦労されたことなどはなかったのでしょうか。
 
もちろん、あります。JACに入社しトレーニング期間を終えて迎えた最初の半年、なんとか結果を出そうと自分なりには頑張りましたが、結果的に95%の個人目標達成率で終わってしまい、人生で初めて、仕事で悔しいと思いました。リースの営業時代は目標が未達成であっても大きなミスをしてもそんな気持ちにならなかったのですが、学生気分だったのだと思います。当時24,5歳でしたが、中途採用で入社しているため即戦力には変わりありません。結果を出さなければならなかったのに、それができなかった。その悔しさで、半期の締め会では涙が止まらなくなり、泣き続けていました。これまでを振り返っても、悔しさで泣いたのはそれが初めてですね。
 
でも、これがきっかけで、その後の年間目標は一度も落とさずに達成することができました。期中に上海に移った時も、年間分を達成してから異動しましたし、上海から帰国してからも、予算を達成してから退職しました。
 

人材紹介やベンチャーで培った経験を活かし、独立を決断

──JACを退職して、その後ベンチャー企業へ転職されますが、どういった理由からでしょうか。

上海駐在中にコロナに振り回され、人生思ったようにいかないことを経験して、自分の人生観が大きく変わりました。自分のやりたいことは、いつかやるのではなく、やりたいと思った時にやるべきだと考えるようになり、JACを辞める決断をしたのです。そして、もともとやりたかったエンターテインメントやスポーツといった世界を人の面で発展させる仕事がしたいと考え、エンタメ×教育領域のベンチャー企業の人事職にスキルチェンジしました。上場を目指し、寝る間も惜しんで必死に取り組んだ仕事だったのですが、残念ながら色々あって約2年で退職しました。
 
 
──ベンチャー企業を経験後、独立して採用支援の仕事を始められますが、採用支援の仕事を選んだのはなぜですか。

その時は、自分にできることはこのぐらいしかないと思ったからです。人材紹介業も考えましたが、免許や資金が必要ですし、何よりも準備期間が最低でも3、4カ月はかかります。突然の退職だったので、事前に運転資金なども用意しておらず、早く稼がなければならなかったので、自分のできることですぐに売上につなげられることといえば、採用サービス関連のコンサルティングしか思いつきませんでした。
 
ベンチャー企業では一人人事として、人事制度づくりから、採用に至るまで幅広く手がけていました。予算などもほとんどなく、無料の求人検索サイトなどを活用して、採用につなげていました。その時の知見やノウハウなどが活かせると思い、JACでつながりの合った企業に、営業も兼ねて独立したことを報告に伺ったところ、「ダイレクトリクルーティングを手伝ってほしい」という依頼や、人材会社から「新たに立ち上げるサービスの母集団形成で力を貸してほしい」という案件をいただくことができたのです。InterRaceも、それからしばらくしてJAC時代の元同僚人の紹介で参画することになりました。

大規模案件も効率的に携われ、毎回新たな気づきが得られる

──InterRaceで仕事をスタートされたのは、2022年5月頃だったと思います。2年近く経って、自社と、InterRaceでの仕事との違いはありますか。

1つ目は、InterRaceでご一緒する人たちがみなさん魅力的だ、ということです。JACの時は競合の方と接点を持つ機会が少なかったので、独立してInterRaceで多くの人材サービス出身者とともに仕事をするようになって、大切にしている価値観が共通している方、シンプルに人として魅力的な方、尖ったスキルをお持ちの方などがたくさんいて、とても驚きました。何より人口減少が続く中、人材の流動性を高めて、日本の生産性を向上させようという考えのもと、企業の採用支援を行っている人が多く、自分はすごく狭い世界にいたことを改めて気づかされました。

2つ目は、大規模案件にコンスタントに携われることです。2023年10月に個人事業主から法人化して、私以外にも動ける人材がいるので、大手企業からRPO案件を受注することも増えています。しかし、再現性をもって開拓するのはまだまだ難しいのが現状です。
 
InterRaceの場合はVisionalグループというバックボーンや仕組みが整っているので、コンスタントに大規模で魅力的な案件を担当できます。またクライアントや候補者のマインドを変えて、成果につなげていくコンサルティングもInterRaceならではだと思います。毎回案件を担当するたびに、新たな気づきが得られるのは大きな魅力ですね。
 

自社だけでマッチする人物像を掴める再現性あるノウハウを提供

──InterRaceではタレントアクイジションマネージャーとして活動されていると思いますが、案件を進める上で、ご自身が大切にされていることは何ですか?

InterRaceではRPOディレクターのもと、ダイレクトリクルーティングのスカウティングや応募者のリクルーティングなどをトータルで任されることが多いです。その中で大切にしているのは、再現性のあるノウハウの共有です。クライアントがInterRaceとの契約を終了した後も、自分たちだけで採用活動ができるようなヒントやアドバイスを提供するようにしています。

最近担当した企業では、事業戦略の1つとしてWebマーケティングを掲げており、管理職などの人材を早急に採用する必要がありました。しかし人事部にDX採用に関する知見がなく、InterRaceに相談がきたのです。まずはWebマーケティングのマネージャーの採用だったので、ビズリーチを活用しました。結果20名強に送信し8名の応募があり、最終的に2名を採用。既読率も9割と、非常に高い数値を出すことができたのです。

個人的には最初のスカウトメールで、ここまで効果が上がるとは思っていませんでした。ただ作成前には、お客様の執行役員などに直接ヒアリングを行って、ターゲットを整理し、訴求ポイントを詳細に洗い出しました。今回はベンチャー企業を渡り歩いてきた人ではなく、中堅・大手の企業でいくつものプロジェクトを経験してきた人がターゲットになります。ですから、クライアントのブランド力や勤務地、福利厚生などが強みとなるので、それらのキーワードをメッセージとして盛り込み訴求しました。

また、その後の面接では、「なぜ、スカウトに返信していただけたのか」「今日はどういったことを聞きたいのか」などの定性的な情報を応募者から収集しました。そうすることで、自分たちだけで採用活動する時も、求職者に刺さるポイントや、 自分たちだけでは分からない採用マーケット上の自社のポジションや、求職者の志向がつかめてきます。仮にその選考では採用に至らなくても、こうした定性情報を把握しておくことで、自社ではどういう人材にアプローチすればいいのか、どういう人材が採用できるのか。ターゲットとなる人物像の輪郭が明確になってきます。

たとえば、20代の方は「リモートワークができるかどうか」を質問されることが非常に多かった。一方で、30代以降になると、そういう質問があまり出てきませんでした。もし、リモートワークが難しい会社であれば、若い人材を狙うのではなく30代〜40代のキャリア層をターゲットにしたほうが、採用率も高められます。このように定性情報から、こうした傾向が把握できるので、スカウトメールの人選にも活かせます。
 

10年後、20年後に必要とされるプロダクトを今から開発していきたい

──最後に、成澤さんの今後の展望をお聞かせください。

1つは、10〜20年後に必要とされるプロダクト開発です。ビズリーチがダイレクトリクルーティングを提唱し、今のサービススタイルを構築してきたように、私も今からいろいろと模索して、プロダクトにつながるテーマを見出していきたいと考えています。
 
そのためには、それを使う側のマインドを変えていくことも同時に必要になってきます。人事領域であれば、経営者や、人事・採用の責任者や担当者に対して、将来的に採用マーケットがどう変化していくのか、そのために、今どういう準備をしなければならないのか、コンサルティングを通じて啓蒙していこうと考えています。
 
今後の採用マーケットについて、あまり理解できていない企業もたくさんあるので、自分の仲間を増やしていく気持ちで取り組んでいきたいと思っています。採用領域にフォーカスすると、このように個人的には、プロダクト開発と、採用コンサルの2本柱で行っていく予定です。

ただ、結果が求められる仕事なので、アウトプットで時間が取られてしまう可能性もあります。新たなプロダクトを開発していくためには、インプットの時間を確保することも必要です。そこはInterRaceで、自分たちだけでは関わることができない案件を通じて、新たな知見を修得していきたいと思っています。独立した当初と比べて、今は自分が目指すべき目標が明確になり、毎日ワクワクしながらクライアントや求職者と向き合っています。