見出し画像

Youはあなたであなた達

は〜い、今晩も英語のなぜなにを解明していきますよ〜!😊
なに、別に要らない?

まあ、そう言わずにちょっとお付き合いくださいませ。

 今日取り上げるのは、人称代名詞のyouです。
あなたは、とか、あなた達は、と習いましたね。

 ちょっと不思議じゃないですか?
 なんで単数と複数がyouだけ同じなん??

 で、調べてみました。
もともと古い英語では、単数の「あなた」と複数の「あなた」は別の言い方でした。ところが今残っているyouはその複数を示すeow(エーオゥ)を祖とするものだけです。一体、古い英語に何がおきたのでしょう?

 イギリス、というか、古代のブリテン島はローマ帝国の支配下にあった時代があります。そのローマ帝国の公用語はラテン語、そのラテン語では複数の皇帝が共同統治を行うことがあるため、皇帝は自らのことを「私は」ではなく、「私たちは」ということが多かったそうです。それに伴い、人も皇帝を呼称する際には「あなたがたは」と使っており、そこから敬意の意味で二人称代名詞の複数を使うようになりました。この用法がフランス語に入り、さらに他のヨーロッパ言語に広まっていくうちに敬意を表す意味から、親疎による使い分けに進化しました。

 フランス語では今でも親しい間柄ではtuを、改まった場合にはvousを使うという2つの形があり、そのvousは本来複数形だそうです。フランス語はかじったこともないので私もよく分かりませんが……

 そしてヨーロッパ大陸諸語から英語にもこの習慣が入り、thou/youで親疎を表す言い方が近代英語の初期まで続きました。シェークスピアの名作、ロミオとジュリエットにも恋に落ちる前と後ではこの2つの言葉が使い分けられていました。

その後、英語では親疎による使い分けはなくなり、単数でも複数でも二人称はyou
だけ、となったのです。ちなみにドイツ語やフランス語では親疎による2つの二人称の使い分けが残っています。

まとめてみると、

・ラテン語では、二人称の複数を単数としても使う習慣があった
・それが英語にも入り、最初は敬意そして親疎の区別をする二人称があったが、次第になくなり、単数複数両方同じyouを使うようになった

ということです!

言語って本当にその国や民族の文化を表しているんですね。

英文法については以前be動詞についても書いたので、よかったらそちらも読んでみてください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?