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「仕事のために勉強することは楽しい」國井小雪さんインタビュー記事(社会福祉法人若竹会)

社会福祉法人若竹会
國井小雪さん

職種(所属):管理栄養士(サンホームみやこ)

岩手県宮古市にある社会福祉法人若竹会。高齢者支援、障がい者支援両部門で22の施設・事業所を運営しており、様々な職種の人が働いています。國井小雪さんは管理栄養士として、利用者さんの食事の立案や栄養ケア・マネジメントを行っています。

國井さんにお聞きしました!

――現在の仕事内容を教えてください。
主な仕事は高齢者施設の利用者さんの栄養管理と食事の提供です。高齢者施設では利用者さん一人ひとりの状態に合わせた、食事形態の工夫が必要です。低栄養状態にならないように栄養状態を把握し、栄養ケアのための計画を作成し、栄養状態が改善できるように努めています。また、若竹会が運営する給食センターの献立を担当制で他施設の栄養士と交互に作成しています。

――食事メニューをどのようにして決めているんですか?
給食センターの栄養士を中心に、各施設の栄養士みんなで決めます。2-3週間前から献立を考え、必要な食材を発注します。全施設の1日の食事を当日調理するのは間に合わないため、クックチル方式を取り入れ、3日前から適切な温度管理のもと調理し、冷却後保存しています。

――食事を作る上でどのような配慮をしていますか?
給食センターでは、常食と嚥下調整食のソフト食を作っています。特に高齢者は噛む力、飲み込む力が弱い人がいます。その人にはソフト食という歯を使わず舌で押し潰せるほどの柔らかい料理を提供しています。また、嚥下の状態が悪い方には、ミキサー食という、ソフト食を粒のないより滑らかなペーストにとろみをつけた食事を提供しています。

ある日のお昼の食事

――栄養管理ではどのようなことを注意していますか?
食事摂取基準をもとに、各施設の栄養の課題を持ち寄り協議して決めています。高齢者は体を動かすことが少なくなって筋肉が落ちやすくなります。それが原因で低栄養や疾病につながっていくため、筋肉づくりや身体機能維持をサポートしてくれるミネラルやビタミンも食事で過不足なく摂れるように注意しています。

――仕事をしていて大変だったことを教えてください。
毎日の献立を考えることです。献立は1日の栄養素量をある程度満たした食事を1週間ずつ考えます。また似通った献立が毎日提供されると利用者さんは飽きてしまいます。同じような献立にならないように考慮するのは慣れるまで大変で、今も苦労しています。たまに利用者さんからリクエストを受けるので、献立に組み込みます。「食べたかったんだ!」とすごく喜ばれるので嬉しいですね。

――若竹会で働いてみていかがですか?
若竹会では高齢者、障がい者ともに同じ食事メニューを提供します。両者にどうしたら食べてもらえるかを考えるのが面白いですね。また、仕事をしていて常に課題が見えてきます。それらの課題を解決するために勉強をするのは楽しいです。

――今後は展望を教えてください。
給食センターが始動してからまだ1年しか経っておらず、給食提供の面では未だに問題点が多数ありす。また、高齢者施設でも食事をしっかりと食べているのに改善がみられず、逆に悪化の一途をたどってしまっているという問題点もあります。食事提供においても栄養管理においても問題はたくさんあるので、これからもたくさんのことを学び、少しでも問題が減らせるよう活かせることができればと考えています。

ありがとうございました。

取材:梅田滉基
取材日:2023年8月30日

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