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探求学習は家でこそ実施しようー(中編 子どもたちの変化)


探求塾が盛んである。単なる知識の詰め込みではなく、歴史や科学等の分野を題材に、大人の研究者が真理や真実の発見のために辿ったプロセスを、小学生であろうが学年に関係なく追体験させるもののようである。
 
私は、自分の子育てにおいては生活がそのまま探求塾だったように思う。どんなことをしたのかを前編にまとめたが、今、思い出しても、結構、楽しい。

中編では、親自身が「すごいなこの子!」と驚いたような出来事を中心に紹介したい。高い次元ではそういうことを狙いとしながらも、「まさかそう来るか?」という子どもの行動こそ、探求的な学びの成果のはずだから。


子ども達の変化

次男 

自由研究の成果


探求することにより、もともと好きだった社会が好きになったようだ。先月、担任の先生は、「議論の時間になると、どんな頭の構造しているのかと思うほど、知識がものすごい出てくる」と言われていた。また、本人は、授業を体調不良で欠席していたのにテストプリントが100点だった、と驚いていた。

どちらも、おそらく知っていることを出すタイミングがあっていて「物知り」と思われたり、知らないことでも知っていることから推測したりしているのだろう。これは、生活で探求している延長で、「勉強」と思わずに頭を動かしているからではないだろうか。

家事の成果 

その1 都立公園でデイキャンプをした際、地面に差すペグを持ってくるのを忘れた。風でテントが飛ぶかもなと伝え、私が荷物と一緒に置き石のように中に居た。

しばらくしても飛びそうにないので外を覗いたら、四隅の穴に小枝が刺さっていた。次男が公園内から、サイズに合いそうな小枝を探して、四隅に刺したらしい。

その2 靴を徹底的に洗って汚れ落とし

娘のショートブーツが革製なのに青空のフリマで格安で入手できた(Ginza Yoshinoya製)。早速、家に帰って靴磨きを教えた。次男には、私の靴を使い、それぞれが取り組んだ。

その中の一つは20年ほど履いている最も高価な靴(Crockett & Jones製) で当時で7万円ほどのもの。でも傷があり汚れもひどく、そろそろ捨てる時期かなと言った。

しばらくしたら、「パパきれいになったよ」と嬉しそうに持っていた。どうやら水で靴を洗って汚れを落としたようだ。

革靴の写真

油を塗りこむ革靴をまさか水で洗うとは、と驚かれた方もおられるだろうが、革靴を再生する場合、まず水洗いで汚れを落とのが定番のようだ。でも、そんなことは教えていなかった。

ただ、「靴磨きは、女性の洗顔と同じだ」と、この靴を買った時に店長から聞いたことを伝えただけ。確かに、クリームを塗る前には洗顔を水で行う。

靴を水洗いからするクリーニングは最低でも1万円はするし、この靴はすでによごれがひどかったからあきらめていた。でも、これを機会に傷を木工ボンドで補修し、色も後でクレヨン等を塗ることにした。

妹 

今年の2月の学校公開で、廊下に出て、「野原」の写真

 国語科の課題で「詩を書こう 野原に集まれ(野原に住む仲間を思い浮かべ、どんな性格の人物かを考え、詩を書きました)」という課題があったらしい。下記がその作品。

野原

他の子のものは、動物は多くて2匹、色は一色、行数は5行ぐらい。もちろん、娘も時間内では仕上がらなかったらしく、他の空いている時間も、これに打ち込んで仕上げたらしい。自由研究を夏休みなどに親子で頑張った姿勢が身についたのかも知れない。

字や絵をほめてくださる方が多いが、内容が嬉しい。あまりこういう内容の教育をあえて言葉を使ってした記憶がないのに、なぜそういうことになったのか。

推測だが、大人が集まる憲法や現在の政治に関する勉強会(持ち寄りの手作り食事も楽しむ懇親性もあるもの)に、私が主宰者である特権?もあってか、毎月、小学生2人を連れて行って、過ごさせていた。

様々な年齢、職種、性格の方、それも初めて参加される方が多いなかで、仲良く、和気あいあいと会が進行しているのを見たからか、そこはまさにここで書かれている野原のような感じだからか知れない。

 そこに参加された 2人のお子さんを子育て中のお母さんから、ある件でメッセージのやり取りをしているの中で、下記のメッセをもらった(ご本人の了解を得て引用)


(前略) 話は変わりますが、お嬢さん、小さい子の面倒もよく見られて、片付けも誰に言われなくてもサッとできて、周りをよく見て自分で考えて動くことができて素晴らしいですね。大人の集まりに来ても堂々としていて。子供といると空気が流れて、場の雰囲気も明るくなり良いですね。」

と書いてくださった。家では長女より小さい子は下にいないし、大人も親以外にはいないから、こういう姿を見ることが出来ない。こういう場に連れていったことの成果の1つだろう。

このように、家事の探究は子どもを変える。後編では、家庭で探究塾をすることのメリットをまとめたい。