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アジアの最貧国2 大金持ちに会う 

 舗装されていない赤茶色の土を歩く人や、リキシャに乗って移動する人などを私は道の端っこに座って眺めていた。休日でやることもないなとイスラム教のお祈りの響く街でボーっとしていた。
ふと、一人の男性が話しかけてきた。「どっから来たのか」とか特に内容のない話をしていた気がする。何気なく「Do you know Prince Moosa?」と聞いてみた。そしたらなんと「Sure.  He is my boss.」と驚きの返事。
プリンス・ムーサはバングラデシュの億万長者です。現在は人材派遣会社をやっているそうですが、バングラデシュが独立した頃には武器商人をやっていたという噂があります。
自称プリンスなので王子でもなんでもありません。興味のある人はWikipediaでも見てみてください。
会いたいと伝えると「あぁいいよ。また明日ここで」と五分前に知り合った人と約束しました。
 次の日の朝、同じ場所に向かうと彼が待っていました。そしてリキシャに二人で乗り込みガタガタと揺られながら15分ほどでムーサの家に着きました。
案内してくれた人は門番らしき人に「私の友人だ」と私を紹介し、私はすんなり敷地に入っていけました。「友人になるの早いなー」と心の中でつぶやいていました。家の横には世界に1台しかなさそうな大きなまるでバッファローのようなデザインの車が止まっていました。建物の中に入ると赤い絨毯の敷かれた部屋が広がっていました。壁にはプライベートジェットの写真が飾られています。
しばらく待っているとその人が登場しました。背の小さなおじさんでした。バングラ人でスーツを着ている人を見ることはないですが、その人は高そうなスーツをビシッと着ていました。
ムーサは忙しいのか挨拶程度しか会話できなかったです。ですがムーサ自身の紹介本であるムックをプレゼントされました。おそらく、そのムックを持っている日本人は私だけです。なんの役にも立たない、そんな本よりも何か彼とビジネスをしたいと思ったんですがね。(笑)

 桁違いの金持ちに会った後、日本に戻った際、渋谷でマック赤坂が「私は20億円もっている!」だかなんとか演説していて小さいなぁと思ったりしました。世界に目を向けるとそのような人は沢山いるわけで。
バングラデシュはアジアの最貧国と呼ばれていますが、日本人よりも稼いでいる人はたくさんいます。
日本から中古車を仕入れている人の年収は日本人の平均年収の4倍ほどでした。
 
 自宅に戻り一緒に住んでいるバングラ人の友人にムーサに会ったことを伝えると「おいマジか!」とびっくりされました。バングラ人でも会いたいと思ってすぐ会えるような人ではない人に簡単に出会えたことに自分自身でも驚きの体験でした。
 
動画で紹介されている時計でもくれりゃぁ良かったのに(笑)

プリンス・ムーサ


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