”コバホークvs進次郎”の戦いは”甘利vs菅”の代理戦争に…自民総裁選、若手担ぎ出しで浮上する年寄りたちの確執
◆”進次郎担ぎ出し”は自分を貶めた甘利明元幹事長への恨みから?~菅義偉首相
本noteでは既に9月に想定される自民党総裁選への若手=小泉進次郎氏(43)と小林鷹之氏(49)の出馬に向けての動向を取り上げてきた。8月3日には、菅義偉前首相(75)が進次郎氏の後押しに踏み切った背景について報じたが、今回、さらにその背景に菅氏が抱える甘利明元幹事長(74)への消し難い恨みがあるのだとの話が伝わってきた。
本来、菅氏が神奈川2区(横浜市西区・南区・港南区)、甘利氏が同13区(横浜市瀬谷区・大和市・綾瀬市、2021年総選挙では比例復活)、進次郎氏が同11区(横須賀市・三浦市)選出の衆院議員であり、自民党神奈川県連メンバーなのだが、甘利氏が千葉2区(千葉市花見川区・八千代市)選出の”コバホーク”こと小林衆院議員を推していることから、県連内は分裂の様相だ(県連にももう一人の有力議員・河野太郎氏(61、神奈川15区=平塚市・茅ヶ崎市・大磯町)が存在し、総裁選に出馬する可能性があるが、”脱原発”の盟友である進次郎氏を推して今回は出馬しないこともあり得る)。
甘利氏は、早くから小林氏に目をかけてきたという。甘利氏に近い自民党関係者がこう述べる。
「甘利氏が党の知的財産戦略調査会長を務めていた時、日本の先端技術の海外流出に危機感を抱いていた小林氏が何度も相談を持ちかけ、ふたりの関係が出来た。甘利氏は麻生派、小林氏は二階派と派閥は異なるのだが、信頼関係が深まったことから、小林氏がまだ当選3回目であったのに初代の経済安全保障担当相になれたのは甘利氏の推挙があったからだ」
「小林氏はまだ40代という若さと共に、開成高校、東大法学部卒業で財務省に入省という華麗な経歴を持っている。身長も186センチで見栄えもよく、甘利氏はその頭の良さとあわせて惚れ込んでいる」
そういう中で先の東京都知事選において弱冠41歳の石丸伸二候補(前安芸高田市長)が旋風を巻き起こし、小池百合子現職知事と蓮舫氏による”女同士の戦い”というメディアが当初流していた選挙の様相を打破して166万票で2位につけるという事績を示したことが、自民党内にも衝撃を広げた。これで甘利氏や二階派の「伊吹グループ」(引退した伊吹文明元財務大臣(86)が中心)が”党イメージ刷新・若手登用”の象徴として小林氏を担ぎ上げる動きにつながったのだ。
これに対して、当選回数は1回上ながら43歳の進次郎氏を担ぎ上げる方向にシフトした菅氏には、次のような事情があるのだと別の自民党関係者が話す。
「甘利氏、菅氏、進次郎氏には、岸田文雄首相が菅氏に代わる際の総裁選に向けた状況の中で絡み合いを演じた経緯がある。…」
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