自民党”パーティー券疑獄”=元凶は森喜朗元首相!~週刊各誌が特集~東京オリンピック汚職につながるその構造を「インテリジェンス・ウェポン」既報情報で振り返る
◆「”諸悪の根源”は森喜朗元総理」(週刊新潮)「森さんから全て始まったんです」(週刊文春)の記事タイトルが踊る~捜査本格化の今週発売号
にわかに”年末政局”をもたらしつつある自民党主要派閥の”パーティー券キックバック・裏金”疑惑について、とうとう今日発売の2大週刊誌=「週刊新潮」と「週刊文春」が、その原点は長く最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)の裏ボスとして君臨した森喜朗元首相にあることを正面から取り上げた。
「引退後も清和会(安倍派)の後見人として振舞い、政界に隠然たる力を誇示してきた森喜朗元総理(86)。出身派閥における指導体制崩壊の危機にもかかわらず、どうしたわけかその姿が見えない。身内からは今般の有事を招いた元凶だと、非難が巻き起こっている」
「そもそも、この裏金作りだって森元総理の時代から連綿と続いてきたもの。本来は5人衆(注:清和会の5人のリーダー=塩谷立、萩生田光一、世耕弘成、松野博一、西村康稔の各氏)同様、捜査対象になって然るべき人物なのです」
「『12月5日夜に森元総理と西村康稔経産相(61)、それに世耕弘成参院幹事長(61)が会食したことがわかっています。その会食の席で口裏合わせを行ったのでは、と国会で指摘される場面もありました』(政治部デスク)」
(参考)「松野、西村、萩生田…『清和会5人衆』崩壊! ”諸悪の根源”は『森喜朗元総理』」2023年12月21日号(14日発売)『週刊新潮』
「これまで4人の首相を輩出した伝統ある最大派閥(清和会)はなぜ、こうした裏金作りに手を染めたのか。…安倍派幹部はこう明かすのである。…『森さんから全てが始まったんです』」
「『全ての元凶は森さん。特捜部は森さんをちゃんと調べてほしい』…齢86を数える森氏。昨年発覚した五輪汚職事件をめぐっては、約5000万円の賄賂を受け取ったとして逮捕された元理事の捜査に関連し、組織委員会会長だった森氏も任意の事情聴取を受けたと報じられた」
「2012年に引退したが、未だに(安倍派の)”創設オーナー”として強い影響力を保持。特に安倍元首相が急逝した昨年7月以降、まとまらない安倍派を陰で操ってきた」
(参考)「安倍派現役幹部が激白 『森さんから全てが始まったんです』」2023年11月21日号(14日発売)『週刊文春』
2大週刊誌が両方とも、現在、”政権崩壊”にもつながりかねない自民党最大派閥を中心とした”パーティー券キックバック裏金”疑惑の大元は、オリンピック汚職でも名が上がりつつ検挙は免れた森喜朗元首相だと指弾した訳だ。そして、記事の中では、既に疑惑に特捜部が目を向け捜査を開始していた12月初旬の段階でも、派閥リーダー(萩生田氏や西村氏など)と森氏は会食して、「口裏を合わせたのではないか」と疑われていることが指摘されている。
しかし、一方で森氏は昨年、自らが代表を務めていた政治団体を解散し、自身は10月から介護付き高齢者施設に夫婦で入居して「完全引退」ムードを作って、世間からの連絡を遮断する姿勢を示している(派閥の子分の密談には出てくるのに…)。
◆森元首相と清和政策研究会の”裏金”問題は、やはり東京オリンピック汚職と同じ根を持つのではないか
実は、昨年9月に「インテリジェンス・ウェポン」はオリンピック汚職に絡んで森元首相の政治団体、政治資金パーティーの収入を媒介としてのオリンピック利権漁りを独自調査で解明した内容について、メルマガで配信していた。いまあらためて、現在の”パーティー券疑獄”に関連する部分を抜き出し、補足もしてnoteに掲載することにする。
読者のみなさんが、上記に引用したような週刊誌記事や今後のマスコミ報道で理解を深める上で、穴を埋めていく材料になるものと考える。ここで一言しておくと、2012年に政界引退宣言した森元首相は、派閥後輩で政権奪還をやり遂げた安倍晋三元首相に東京オリンピック組織委員会会長の席に自分を推挙するよう働きかけたという。そして、政治家を引退したのに保持し続けた自分を代表とした政治団体と一部自民党”ダミー支部”(後述)などを通じて、政治献金、寄付、パーティー収入を集め、それを使って引退後も六本木ヒルズに事務所兼住居を確保したり、移動用乗用車をリースし運転手や秘書を雇用して「オリンピック組織委員会会長をボランティアで」務めてきた。
その間、新競技場建設やスポンサー採用などに影響力を行使し、その見返りを上記の政治団体への献金やパーティー券購入による収入の形で回収してきたのである。これは、本来は賄賂的収入であるものを無税の政治資金にロンダリングする悪質なやり方であった。筆者は、2016年以来、この問題を調査して評論誌にも記事を書いたが、捜査当局は全く動かなかった。
そうした実態の一部を、以下で明らかにしようと思う。
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