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【読書】政治部不信 権力とメディアの関係を問い直す

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【読書】政治部不信 権力とメディアの関係を問い直す

作者は朝日新聞で政治記者を10年、今は新聞労連中央執行委員長とかをしてらっしゃる。
で、この本だが、私から言わせれば、「何甘えたこと言ってるんだ」である。
現在起こっていることを考えたら、(政治とジャーナリズムの関係を)1日でも早く正常な状態に戻そう…と努力しているのならまだしも、こんな理由で出来ません…という御託を並べて、誰に対して弁解しているのか…。

確かに安倍総理大臣になって、色々な規制や締め付けがひどくなったのかもしれない。しかしジャーナリズム(あえてマスコミとは呼ばない)の存在意義は、それを追求し変えていくことではないのか?

最近の例で言えば、2020年8月6日の広島での安倍さんのぶら下がり記者会見。(このぶら下がりでさえ、事前に質問を出してそれに対して官僚が書いた文章を読むだけらしい)。予定調和の質問が終わり安倍さんは笑顔でその場を後にしようとしたらしい。そこで朝日新聞の記者が「まだ質問があります」と掟破りの質問をあげた…。そこで広報担当の広島県庁の職人が、「はいはいもう終わりです」とその記者の手を掴んだという事象。

朝日新聞が抗議したが、政府は否定するだけ。その場に居あわせた記者は全てを知っているだろう。どうして声を上げないのか。声を上げると内閣から睨まれて、他社に流される情報を流してくれないとか、もう記者クラブに対して取材を拒否するなどの圧力をかけてくるのかもしれない。そこで妥協して何も言わないのは、果たして正しい行動なのだろうか。本当なら、その一部始終をすべて記事にすべきではあるまいか。

もう一つわかりやすい事例を。例の黒川検事長の定年延長問題。まさか新聞記者が一緒に賭け麻雀していたとは。これが取材の一環なのだろうか。しかもあの天敵同士の産経と朝日の記者である。表面上ではやりあってても、裏では握手しているのでは…とか思われるのではないのか?などの危惧はないのか。この記者には。この新聞社には。

とにかく、できない理由をぐちゃぐちゃ弁解するのではなく、すぐにでも行動を起こしてその結果を記事にしてほしい。何か特権意識でもあるのと勘違いしているのではないのか。例えば,政府に逆らったら,こんないじめ・妨害をされたとか,記者クラブからもこんな裏取引を持ち掛けられた…などの事実を記事にすれば良いではないか。なぜそれをしないのか。それをしないから,国民から信頼されないのだと思う。「最終判断は国民に託す!」という,国民を味方に付ける動きをすれば怖い物はないと思う。

私はもう新聞を取るのをやめて、週刊金曜日だけにしようかと思ったりしている。

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