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【読書】あの一瞬 門田隆将

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読書】あの一瞬 門田隆将

当時世界最速で最強だった瀬古がオリンピックで負けたシーン
ソフトボールで初の金メダルを取ったシーン
体操日本の誇りをかけた加藤沢男の演技
無敵の山下泰裕を倒しかけた遠藤純男
メキシコオリンピックでの日本サッカーの銅メダル
ファイティング原田の世紀の番狂わせ
名投手で怪物だったスタルヒンの悲哀
大鵬柏戸時代の昭和最高決戦の秘話
松井の甲子園での五敬遠

新旧あるが、大体は私も知っている感じのスポーツにおける有名なシーン。
それを詳しく選手目線で取材し背景を描き、その時当事者はどんなことを考えて結果を出していたのか…を詳しく書いてある。スポーツ好きにはたまらない一冊であろう。

瀬古などはダイエーの中山との勝負を避けたイメージしかなかつたが、間違いなく世界最速ではあったと思う。それが負けた原因がしっかり描かれてある。体操の最後のジャッジで政治を持ち込もうとしたロシアの審判に毅然と立ち向かった東ヨーロッパの国とか、世界チャンピオンの山下泰裕を必殺技で仕留めようとした男の執念…と本当に読みどころ満載。

私が一番感動したのは、スタルヒンの話だ。全く知らない人だが、よく「今までのベスト選手でチームを作ったら」的な特集ではいつも投手はスタルヒンが入っている場合が多い。今で言えば田中マー君とかダルビッシュが入るのかもしれないが、それを知っていてもスタルヒンを押すというのは相当の実力だったのだろう。この本読んでその凄さがわかった。

松井の五敬遠などにもこんなドラマがあったのか…と再認識。この作者に感謝である。

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