【映画】英雄の証明
イラン映画。KBCシネマで見たので,それなりに重たい映画なのだ。
主人公は,借金の刑で刑務所に入っている。多分日本円で500万くらいの額ではないか。後でわかるが友人と会社を興そうと思ってお金を作ってたら,その友人が金持って逃げてしまい,服役している感じ。ただイランは服役中も出歩いて家に帰ったりできるらしい。ゆるい感じが良いですなあ…。
で,その訴えた相手(金を貸した人)は,その主人公の奥さんの親父。ただしもう奥さんとはこの件が原因かどうかはわからないが,別居とか離婚ししている感じ。服役中にどうして知り合ったのかはわからないが,新しい彼女までいる。その彼女が道のバス停で金貨入りのバックを拾う。その金貨を自分のモノにして彼氏の借金の返金にしようと二人で換金屋さんに行った。多分300万くらいの価値はあったと思うのだが,義理の親父に「まず300万返す。だから告訴を取り下げてくれ。出所したら働いてあと200返す」みたいな交渉をするのだが,その義理の親は「お前は信じられないから嫌だ」とか言って交渉を断る(笑)
こりゃあまずいと思ったのと,少し良心も傷んだ主人公は,換金するのをやめて落とし主を見つけ出し(張り紙したりして),お金を返す。その事が刑務所の上層部に伝わり,美談として広まり,テレビの取材なども来て一躍ヒーローになるのだが…。
色々な寄付も集まり,義父もあまりの反響にしぶしぶ告訴を取り下げ無事に出所した。新しい就職口を探そうとしている中でSNSでは「今回の美談は全て架空の作り話ではないのか」というような声が上がってくる。実際に拾って返したのは間違いないのだが,一度はネコババしようとしたという点や,その受け取りに来た人が確定できない(実在の人物かどうかも証明できない)事をいろいろ突っ込まれ出す。
事実の話なので何とか証明したいと,落とし主を探し出したいのだがそれもかなわず。途中であまりの自分の不甲斐なさや他人が冷たい事で切れて怒りを表すのだが,そのシーンを動画に取られてSNSで拡散。どんどん落ちていく。今まで信頼して支持してくれていた人たちもどんどん離れていき,自分に集まった寄付金は別の人に回され,結局また刑務所に収監されていく…というとても悲しい話。主人公の子供は真実を知っているのが唯一の救い。どれくらいしたら出てこれるのだろう。
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