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【読書】女童  赤松利市

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【読書】女童  赤松利市

前にボダ子を読んで猛烈に感動し、この作者は次も絶対に読むぞ〜と思っていたら、たまたまあったので何も情報なしで読み始めましたが…。

結局、この本は「ボダ子」の「エピソード ゼロ」的な小説であった。あのボダ子では、自分の娘が矯正施設の理事長の息子に騙されて妊娠してしまいその子を堕ろすシーンが「軽く」出てくるのだが、この女童では、そのシーンが一番のクライマックスというか、どうしてボダ子のような子供になったのか…という事が詳細に書かれている。

とにかく、ボダ子ではあまり出てこなかった母親。こいつがくせ者だった。さらにこのボダ子を治療したレディースハートクリニックの医者がさらに輪をかけてひどい。多分この小説はほとんどノンフィクションに近いと思われるので、実際にこんなひどい母親や医者がいて、ボダ子のような子供になってしまったのだろう。そのボダ子が冷静に自分を見つめ(そのセクハラ医師に)レポートを書いている形で物語が進んでいく。

ボダ子では、父親のいい加減さに対して怒りさえ覚えていたが、女童では父親はよく頑張っている。結局全てがあの「東日本大震災」に行き着く。この親子以外でも、震災が色々なスイッチになった家族・個人・会社は日本中に山ほどいるだろう。

どちらから先に読んだほうがいいのか迷うほど。ボダ子の次があるならまた読んでみたい。

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