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【読書】ビタミンF 重松清

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私は重松にはまった時期もあったが、その時の上司の「重松って何読んでも一緒じゃん」という言葉で「ありゃ」と思って一時期読むのをやめていた。(ただし長編は面白いので見つけたら読むようにしていた)
このビタミンFは直木賞取ったというPOPがあり、「重松史上最高の最泣の一冊」とか書かれていたので、騙されたと思って買ってみたが、やはり騙された(涙)

とにかく昭和なわけだ。7つの短編集。全て40歳頃の主人公とその親と子に関する物語。

・おやじ狩りを恐れていたが勇気を出して立ち向かっていったおやじ。
・息子がいじめに遭っているのに気づいて何とかしたいと頑張るおやじ。
・娘に初めてできた彼氏がスケボーやってるヤンキーみたいなやつで万引きして捕まった家族の復活の話。
・優等生と皆に言われている娘は、全て回りの反応を気にし自分はいい子でいようと振る舞うのだが、ある事で壊れてしまいそれを何とか立ち直らせようとするおやじ。
・もう別の人と結婚しているのに、学生時代の彼女と20年後にここで会おうと約束していたことを守ろうとして家族も巻き込んでしまった男(これは私にはちょっときつかった)。
・自分がいじめられているのに、架空の転校生がいじめられているということを親に話すことで何とか均衡を保っていたが、バレてしまい家庭がぐちゃぐちゃになるのをふせぐ親父。
・自分の父親を捨てて別の男のところに転がり込んだ母親のその相手が亡くなったので、父親がまたこっちに帰ってこいと言っているのを何とかせねばと頑張る息子の話。

なんか読んでて、これって普通に世間一般どこでもあってるよなぁ…と思いつつ、まあ最終的にはこんなにうまくはいかないわなぁ…で、うやむやにホッとする安心な流れ(笑)。さらにとことん悪い奴が出てこないのも重松の特徴。

もう重松の短編は読まないことを誓います。(長編は読みます笑)

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