見出し画像

【読書】コロナの時代の僕ら

画像1

イタリアの物理学者で有名作家らしい。
物理学者というだけに、書いてあることが感情的ではなく、淡々とコロナに関する世の中の流れとか、そんな中で自分たちはどう立ち居振舞うべきか…という事が書かれていて、とても参考になる。

日本でも、毎日ワイドショーだけ見ていろいろ判断している人と、とにかくいろいろエビデンスを求めて調べまくって自分なりの見解を持とうとしている人では、全く理解している事が違ってくるだろう。それと同じ事がイタリアでも、いや全世界でも繰り広げられている。しかし先進国と言われるようなネット環境がある国ばかりではなく、電気も水道もないような国に、このコロナが入り込んだら一体どうなるのだろう…ということまで論じてある。

気になった部分が、今回のコロナ騒動がたとえ何とか世界的に収まったとしても、また次のこのような事象が頻繁に発生するだろう…ということを述べつつ、その理由に驚いた。

「なぜなら新型コロナウィルスの流行は一つの症状に過ぎず、本当の感染は地球全体の生態系のレベルで起きているからだ」
「今回のパンデミックのそのものの原因が、秘密の軍事実験などではなく、自然と環境に対する人間の危うい接し方、森林破壊、僕らの軽率な消費行動にこそある」

まさにその通りなのだろう。で、SDGsやエシカル消費につながっていく。地球温暖化しかり。
あとへ「専門家」と言われる人たちの無能さにうんざりしたと。同じ事象を見て、なぜ全く違う結論を出す専門家が存在するのか…と失望。科学とはその程度のものなのかと。

世界人類をビリヤードの玉に例えて、ウィルスが伝播する仕組みを説明してある部分も科学者らしい。ではどうすれば防げるのか…。作者は「家にいよう。そうすることが必要な限り、ずっと家にいよう」とまとめられているのだが、これでは経済が回らない…。ただ今回のパンデミックに関しては、すべてのことを記録に残して、次の襲来に備えよう…という部分は、市民・政府皆で実践しなければならないだろう。

短い文章で読みやすいので、一度冷静に頭を冷やすとか振り返るという意味で読んでみると整理できていいかと思います。

この記事が参加している募集

#読書感想文

189,141件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?