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【読書】死という最後の未来

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石原慎太郎・曽野綾子

先日お亡くなりになった石原慎太郎さんに関して、私は支持も批判もする材料を持ち合わせていない。
作家としての石原さんはほとんど読んだことがなく、ちょっと前に大阪の池田小学校で起こった、殺害事件の小説を読んだくらいで(あれはあれでとてもよく書かれていたが、どうして石原さんがこんな題材で書いたのかが謎だった)

政治家としては、小池さんを化粧ババアと揶揄したり、中国を支那と呼んだり…と、なんか現場を引っ掻き回すことしかしていない気がする。なんかやんちゃな老人という感じ。ただ一つ許せないのは、前に障害者施設を視察した時に「あんな人たちは生かしておいて何か意義があるのだろうか」的な発言をした時は、あまりのことに絶対に社会に出してはいけない人だということは感じた。

曽野さんの本も週刊誌のエッセイなどでは読んだことがあるかなぁ…位の感じしかなく、自分の記録調べたら相当前に「戦争を知っててよかつた」という本を読んでいることがわかったが、感想はイマイチだったようだ。(クリスチャンと言うことで氷点の三浦さんと比べてしまっているので、勝負にならなかったのかも知れないが)

その私はよく知らないが世間的にはまあ有名な人のたいだん。多分石原さんが死ななかったら買ってないと思う。
この本面白いのが、石原さんと曽野さんがまったく正反対の考え方、生き方をしていて、どちらもその説を変えようとしないので、まったく噛み合わないまま自分の話をするという面白い対談集になっている。

ただ客観的に読むと、どちらの考え方もとても参考になり、自分もこのように考えねばとか、これはやってみようとか色々参考になることもあり、私のような還暦迎えた人もですが、若い人でも読んで損はないと思う。

結論から言うと、常に「死」を意識した生き方をしておいた方が損はないと思う。死に関しては人類みんな平等に与えられた特権みたいなもので、絶対に全ての人類が経験するものなのだから。石原さんは死に対して戦いを挑む感じ。曽野さんは死をそのまま迎え入れる感じ。どっちもせいかいであるし、どっちも必ず死ぬ。(実際に石原さんは最後の最後は脳梗塞などで大変な苦労してながら死を迎えた)

私は肉体の老化に関しては石原流でできる限り抗う努力をしつつ、最後は曽野さんのようにジタバタせずに自然に死んでいきたいです。

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