参考データ-07

【What I am】#07 小林和貴

じんわりと、少しでも自分がいいと思えるものを
制作できるようになりたい

小林和貴
多摩美術大学統合デザイン学科3期生
Cプロジェクト所属
【指導教員】中村勇吾、菅俊一


-入学後に見つけた自分の意外なカラーや創作媒体について

高校2年生の夏に、『デザインノート』で水野学さんの特集を読み、「デザイナーってかっこいいなぁ」と憧れを持ちました。高校の60分授業に耐えられないから、興味のない大学の授業は大変だろうなぁ、と大学進学のことをボンヤリと考えていた時期です。

中村佑介さんのイラストが好きだなぁと思ったこと・美術の授業で描いたデッサンがちょっと褒められたこと。そんなことから美術系の仕事を調べ始め、その中で水野学さんの記事を読みました。僕は「デザイナーっていいんじゃない?」「水野学さんも多摩美だし、多摩美を目指そう」と親に内緒で美術予備校の体験に行ったりしました。

無事に合格することができて、グラフィック・プロダクトデザイン方面を頑張るかなと統合デザイン学科に入学したけれど、イマイチうまくいきませんでした。

その中で、インターフェイスという授業での制作や、中村勇吾さんのUNITY勉強会を見学させてもらったこと。そのようなことから、入学前に憧れていた「デザイン」とは違う作品制作、プログラミングへの興味が生まれました。

2年生の芸祭では『Ari』という作品をProcessingで制作して、芸祭で展示しました。そこで自分はこういう方向性が好き・向いているんだなと感じて3・4年生とプログラミングで制作をしてきました。

高校生の時は、PCに関する授業が嫌いだったので、こんな風に作品を制作してるとは想像できなかったです。高校や予備校の先生に挨拶にいき作品を見てもらうと、いい意味で驚いてもらえました。

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芸祭で展示した「Ari」という作品。


-今回の卒業制作のテーマとそれに至った経緯

今回、卒制では文字の「動き」と「意味」をテーマに制作しています。3年生の芸祭や課題展示の光と知覚展で『文字∩文様』『影文字』という作品を制作してきました。

『文字∩文様』はタイプした文字が回転し、文様になるというもの。『影文字』はライトの光をあてることで、文字の影ができて、文章を読むことができるというものです。

これらの作品から、自分は文字に興味をもっていると感じました。だから、卒制のテーマを考える時や、作品のリサーチをする時も文字を扱ったものを多く調べました。

その中で、新国誠一さんなどの作品を知り、「雨」「淋し」「竹譜」などのコンクリート・ポエトリーや、具体詩・象形詩と言われる作品に魅了されました。

「形」「意味」に注目して見ていたので、自分の卒業制作では「動き」「意味」をテーマにして、インタラクティブな作品を制作しようと思いました。現在は、「整列」「鏡」などの試作を制作しています。

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上から『文字∩文様』『影文字』『整列』


 -卒制を経てどんな「私」を構築したいか

入学したてのふわふわしてた時から、じんわりと興味に沿って、自分がいいと思えるものを制作することができるようになった気がしています。劇的に変わったわけじゃなく、作品を制作してきてちょっとずつ、ものの見方や姿勢が変わったりしてきました。

でも、教授や友人と話たり、色々な人の作品を見たりするとまだまだダメダメだなぁと思うことが多いです。

だから卒業制作を通して、またじんわりと、少しでも自分がいいと思えるものを制作できるようになりたいと思います。


-最後に卒制にいらっしゃるみなさんに一言

今は、いいものになるのかなぁとドキドキしながら試作を制作している段階です。自分の興味・好きを咀嚼しながら、試行錯誤していきたいと思います。ぜひ、統合デザイン学科卒業修了制作展にお越しください。


小林和貴
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