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【卒展2024 Making Process】#05 サイン計画

卒業制作展への来場ありがとうございました。
今回は卒展当日のサイン設計を担当するサイン班の取り組みについて説明します。


工事中を利用したサイン計画

今年は旧校舎の取り壊しが4月から行われ、卒展期間中も工事が行われることが決まっていました。

毎日立ち入りできる区間が変わり、展示直前まで使用教室が決定できないなどの制約がある中での計画となりました。

学内には立入禁止の仮囲いが立てられ、当初計画していた「お祭り」というテーマの達成が課題となりました。
工事中は敷地内の道路も狭く、迷路のように入り組んでいました。そのため、どこから見ても、誰にとってもわかりやすいサインを設計する必要がありました。

1. サイン設置場所の検討

Photoshopの合成機能を使って、さまざまな場所でのサインの検討を行いました。この時はあまり実現可能性や予算のことは考えず、とにかくスケールが大きく、わかりやすいサインを考えることを目標にしていました。


作業する中で、工事中の仮囲いにビジュアルを設置する案が出ました。合成で試してみると、迫力がありむしろ賑やかな雰囲気が伝わってきました。

仮囲いへの設置がビジュアル部内で決定したところで、印刷する素材の検討に移りました。
卒展開催前から貼り続けるので、最低2週間は印刷が保つ必要があります。また、仮囲いは工事業者さんの備品なので粘着物が固着しないことも条件でした。
雨風が吹いても剥がれることなく、印刷も落ちない素材をリサーチし、最終的にサイン用のロール紙を使用しました。

結果、卒展期間中一度も不具合はありませんでしたが、片付けの際に粘着物がなかなか剥がれずかなり苦戦しました。
予算の都合上、低価格のものを購入しましたがもし同じ作業をする場合はもうワンランク上のロール紙をお勧めします。

https://www.monotaro.com/p/7429/4615/

2. サイズの検討

設置場所とデザインが決まれば、次は見やすいサイズ、レイアウトの検討です。
卒展当日は学内のクロス紙を利用しましたが、試作段階ではA4用紙をつなげて再現しました。

3. 設置

一ヶ月前から宣伝の目的もかねて、後輩に呼びかけて協力していただき、サインの制作と設置を開始しました。

校内のどこを歩いても卒展のビジュアルが目に入るので、この期間から一気に卒展ムードが高まっていきました。
作業にかなり時間がかかり、特に冬場は寒いのでもっとはやめから貼りはじめてもよかったかもしれません。

4. 完成

最終的に仮囲いだけでなく、研究室前のホワイトボード、食堂、校門入り口など多くの場所にサインを設置しました。


これまでの来場者アンケートでは、「どこまでが会場かわからず見損ねてしまった」、「入り口がわかりづらかった」といったサイン設計に関する問題が浮き彫りになっていました。
特に今年は新設されたMENSA(食堂)とCUBE(講義棟)の存在をどうわかりやすく伝えるかも課題でした。
ドットと色のシンボルを大きく用いたり、サインを屋根から吊るし立体的に見せたりすることで、来場者の方にしっかり伝えることができたのではないかと考えています。

特にMENSAではトークショーやワークショップなどのイベントを行っていたので、パンフレットを見ずともタイムスケジュールがわかるよう大きく設置していました。

最後に

今年は非常に制約が多い中で、試行錯誤を重ね、サインを通して「お祭り」感を伝えられたのではないかと思います。
サインのスケールを大きくしたり、校舎においても沈まない配色を選んだことでどこから見ても目立つデザインになりました。
予算をかけずとも設置の仕方を工夫することで、空間に対し迫力のあるサインが可能ということもわかりました。

仮囲いも多くの来場者の方が撮影スポットとして利用してくださったことも、思わぬ収穫でした。

卒業生、後輩、職員のみなさまの協力があり卒業制作展を無事開催できました。
本当にありがとうございました。

サイン班長
加藤美波
アートディレクター
加藤美波、米谷颯太
サイン班
郭洋希、秋山エドガル、細井征
制作
小谷大河、五十嵐涼音、加賀谷夏海、佐々木陽永、張替咲良、藤原里帆、長谷川紗楽、田中梨南

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