参考データ-08

【What I am】#08 弥富妙

過去の自分からのステップアップを目指す

弥富妙
多摩美術大学統合デザイン学科3期生
Bプロジェクト所属
【指導教員】永井一史、岡室健


-入学後に見つけた自分の意外なカラーや創作媒体について

私は、統合デザイン学科に入学する前は美大の付属中学校、高校に通い美術を学んでいました。
中高6年間を通してお寺をまわり、芸術に触れたり、能やバレエを鑑賞したり、鉛筆や絵の具を使った絵画表現だけでなくシルクスクリーンや錫で指輪を作ったりしていました。

カリキュラムだけでなく自由に制作できる環境で出来た友人はそれぞれやりたいこと、得意なことがあり、とてもキラキラしていました。私も何か得意な領域を見つけたいという思いから、デザインの様々な分野を学べる統合デザイン学科を志望しました。

統合デザイン学科の1年生ではグラフィック、プロダクト、インターフェースを学びます。使ったことのない道具や素材を試行錯誤しながら作品を締め切りまでに完成させることで精一杯の日々を送っていました。

2年生になり素材やソフトに慣れてくると、プロダクトの授業で作った作品に付随したコミュニケーションツールを制作したり、ダイアグラムからUI/UXに展開してみたり、1年生の時にバラバラで学んだ領域が繋がり一つの作品になっていきました。

苦手意識を持っていて楽しめなかったプロダクトの課題でも、自分が好きだったコミュニケーションツールの展開と合わせて考えることで苦手意識も少しずつ減っていきました。

画像4

『kouseki』ダンボールのスツール 合わせて制作したショップバック


入学前はデザインの分野から得意な領域を見つけたいと思っていましたが、領域で分けて捉えるのではなく「自分が見つけたアイデアを最適な方法で表現するための引き出し」くらいの気持ちで考えることが大切なのでは?と考えるようになりました。

この学びから3年生のプロジェクトでは、プロダクトやグラフィックやイベントの企画など領域に捉われずにアイデアを練ること、そして表現方法に縛られてアイデアを決めないことを意識しながら取り組みました。

note2修正

『Kezuri』木の香りを削って楽しむ新しい入浴剤


note3修正のコピー

『RatioCake』 自分の好きな割合を見つける新しいケーキの広告


note4修正

『てらくり』 体も心も健康になるプロジェクト


-今回の卒業制作のテーマとそれに至った経緯

今回の私の卒業制作のテーマは「皮膚」です。生物学的に詳しいわけでも、皮膚を愛してきたわけではないですが、動植物全てが持つ器官であり、38億年という長い歴史の中で生物が命を繋いでこれた1つの要因だと考えバイオミミクリーの考えを学びながら現在制作中です。

卒業制作は約半年かけて統合デザイン学科の学生として展示する最後の機会。楽しい、可愛い、かっこいい、面白いではなく4年間の学びを自分がどう咀嚼して来場者に表現を用いて伝えられるかが重要であると考えました。


-卒制を経てどんな「私」を構築したいか

高校時代の卒業制作ではテーマが途中でブレてしまい、作品制作でいっぱいいっぱいで展示空間にまで気を配れませんでした。今回の卒業制作ではその失敗からスケジュール管理の徹底、展示ということを念頭にアイデアが伝わりやすい空間づくり、作品の魅力を引き出す設営方法までトータル的に考えることのできる自分にステップアップしたいと思います。


-最後に卒制にいらっしゃるみなさんに一言

統合デザイン学科はやりたいこと、好きなこと、表現したいことに貪欲な学生の集まりです。同じテーマの課題でも媒体や切り口が様々でとても刺激的な4年間でした。そんな学生達が集大成として各々の思いを形にします。

是非お越しいただいて、統合デザイン学科の面白さ、エネルギーを感じて頂きたいです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?