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編入試験に落ちた話

数学に興味があると言いながら、私は商業高校に進みました。簿記を勉強したいとか、将来は税理士を目指しているとかは全くありませんでした。

商業高校で学ぶ数学というのは普通のカリキュラムの高校とはかなり違い、数Ⅰ,Aの一部分しか授業が行われません。

私は中学時代から高校数学を勉強し、高校1年になる頃には数Ⅲを勉強していましたが、授業の進行の遅さに驚いていました。

しかし、数学の先生はとても優しくて側から見ると気持ち悪いと言われるような私を快く受け入れてもらえて、多くの質問に答えていただきました。

大学進学を少し意識する中、私は自分の住む地域の適当な大学に進学することになるんだろうなぁという漠然としたものがありました。結局、どこに行っても数学を勉強するのだから関係ないとかばかり考えていました。

大学に進学することになり、学科としては経営に近いところに行きました。数学は趣味と割り切ってはいたのですが、大学の授業が全く面白くありませんでした。ただ浪費される時間と学費に嫌気が差し、数学科のある大学への編入を考えました。

進学を考えた大学の編入試験は、線型代数と微積の初歩程度の内容でしたので、私には出来るだろうと考えてばかりいました。

受験を終え、結果を待っていた私には自信が満ちていて、今後の大学生活は数学に囲まれて生活できると考えていました。

合否発表当日、合格者の番号が連なる中、私の受験番号はありませんでした。

人生を通して、数学をしてきた中ではじめての大きな挫折でした。

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