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「何を描くか」問題①

2023年3月に前立腺がんが見つかり、本気で絵を描こうと思う今日この頃ですが…。

ここ最近(2年ほど)新潟県内の公募展や日展など見ておりまして…
意外と近くに住んでいらっしゃる方々でも日展で入選されているケースがあり、素直にスゴイなとリスペクトしているわけです。


公募展を見て感じた「既視感」?

しかしながら、何度か展示を見ているうちにかなり強い「既視感」?を覚えることがあります。

例えば、新潟県内の展覧会で…「この作品、去年見たような?!」とか「日展で見たような??」とか。

気になった作品はスマホで撮影して後で見返したりするのですが…そこで分かりました。
ほぼ同じ構図、モチーフだけど別に描かれた作品がそれぞれの展覧会に出品されていたのです。
正直、そのことに気づいたときは驚きました。

一般的に公募展というのは「未発表の作品」という規定がありますが、ほぼ同じ構図、モチーフでも、別に描いた作品ならば、「未発表」と言えるのだと私は解釈しました。

もう一つの側面として、審査する側が何点か作品を見たときに「この人の画風はこれなのだ」と認知するということもあろうかと思います。
一度展覧会の審査で評価された画風ならば、次に展示するにしてもOKを出しやすいだろうことは容易に想像できます。

美術史上ではセルフコピーもありだが

歴史的に見てもゴッホなんてセルフコピーを大量に描いていましたし、もっと昔では注文があれば同じ構図の作品を工房で量産していたわけで、それ自体は異常なことでも何でもないとは思います。

古典絵画の時代においては「これと同じ作品が欲しい」と要請があった時に安定的に作画して提供できるというのが、プロの条件であったでしょう。

ですが、現代において、公募展に出すのに自分はそれをするか?と考えた時に…どうでしょう。
私自身は、強く「同じ構図の作品が欲しい、金は出す!」と言われれば描くでしょうが、そうでもなければしないと思います。
単純に今はいろいろ描きたいもの(モチーフ)があって、表現も模索している段階だからということもありますが、モチーフが同じでも表現を展開していくことが大切かなと思うからです。

同じモチーフでも表現を展開させていった例

例えば、私個人的に好きなドガは「踊り子の画家」と言われましたが、表現はどんどん変化していきました。

有名なモネの連作(睡蓮、積みわら、ルーアン大聖堂等)もモチーフは同じだけど、様々な表現を展開しました。

「じゃあ、お前は何を描くんだ?」と言われそうですが、それは次のお話。

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