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採用選考プロセスの質を高める2つの「申し送り」

こんにちは!カミナシというスタートアップで人事をしている井上 玲(@INOUERAY)と申します。『採用 Advent Calendar 2021』のお誘いをいただき、参加させていただきました。

今回は、私自身がその重要性を再認識させられている「申し送り」について書いてみようと思います。

<こんな人に読んでもらえると良さそう>
・複数回の採用選考ステップをとっている現場の方
・割と現場主導で面談やプロセス設計を実施して貰っちゃってる現場の方
・”申し送り”と聞いて「ああ、それね。大丈夫。」と特に思わなかった方

<こんな話をします>
・申し送りは、採用成功に向けて足元に絶妙なパスを出していくようなもの
・社内の申し送りも「見極め」と「惹きつけ」の両側面で情報量をリッチに
・候補者の方への十分な申し送りでベストコンディションをつくってもらう

はじめに

採用選考における申し送り、現場の面接メンバーに任せっきりになってませんか?恥ずかしながら私は結構そうでした。

正直、何もしなくても全く申し送りが行われないことは無いでしょうし、特別意識をしなくとも上手く回っていくケースもあると思うので、明確に必要性を感じない方がいてもおかしくないとも思います。

ただ自分自身、その重要性に対する認識が低かった状態から、重要視して採用選考に臨むようになり、それによって採用選考プロセスの品質が上がったように感じたので知見として共有してみることにします。

なぜ申し送りへ注目するのか

選考ステップとそれぞれの選考観点が緻密に設計されていたとしても、実際の面接の場は、前ステップの状況をふまえて如何様にでも内容が変わっているのが実態だと思います。候補者の数だけ採用面談の内容が異なるわけですね(こう書くと当然のように感じられるのですが・・・)。

自社の評価も高くて意向も高いのか、意向は高いがスキル面は見極めきれていないのか、などなど。

なので、一次情報を持っている面接担当メンバーが、次回の面談あるいは最終的な採用決定というゴールに向けてその足元に絶妙なパスを出していくが如く申し送りを行うことで、面接の時間を更に有意義にしていくことができるのではないかと思います。

次回選考メンバーへの申し送り、意外と伸びしろあるかも

次回面接メンバーへの申し送りは実施されている方も多いと思いますし、イメージもつきやすいかと思います。

「今回の面接で感じたこと」、「選考観点に対する所感」、「次回面談で特に見てもらいたいところ」などが一般的でしょうか。

ただ、意外とここも、自分の所感にとどまり、次回どういう選考をしてほしいか、どういう選考観点を持つと良さそうかというコメントがあったりなかったりする、ということもあるかもしれません。

うまく申し送りができていないと、既に確認できている部分を再度確認することに時間を使ってしまったり、結果として前回の面談からあまり解像度を上げられずに実質「一次面接を2回した」みたいな状態になってしまうことにもつながってしまいかねません。

一度、今の評価コメントの内容に注目してみて、そこに選考プロセス品質向上の伸びしろがないか見てみるのはいかがでしょうか。

評価項目の設計である程度を担保しようとするもよし、必要に応じて採用担当が個別フォローの確認に入るもよし、やり方は色々ありそうです。

・・・

かつ、採用選考は見極め惹きつけの2つの意味を持ちます。惹きつけ観点での申し送りもしていかないと採用確度は上がっていかないので、とても重要です。

例えば、「自社への理解度や共感度合いは現時点でどうなのか」、「またその人の転職軸を確認できているのか」、「またそれを踏まえて自社ポジションやキャリアの提案ができているのか」などなど。

まだキャリア軸を確認していく必要がある方なのか、あるいは既に明確に分かっているから自社の環境をふまえたキャリア提案をして惹きつけにいくことができる方なのかどうかで、時間の使い方は変わってくると思います。

申し送りの内容としては、例えば以下のようなイメージでしょうか。

見極め観点
・営業スキルは選考基準以上の経験・知識を持っていることが分かったため、次回はあまり時間をかけなくて良さそう
・一方で、自社、チームの価値観や文化に対するフィットのすり合わせには時間を割けなかったので、次回はそこに時間をかけてほしい。
・◯◯◯という点がミスマッチになりそうな懸念要素とも感じたので、改めて確認してみてほしい。

惹きつけ観点
・当社への意向度については、ビジョンや事業に興味は持っているが、まだ第一志望群、くらいな印象。当社でなければならない理由は今後で醸成していきたい。
・転職検討初期ということもあり転職軸についてはまだ固まり切っていないようだった。
・面談中に選考通過の判断ができる感じだったら、改めて転職軸について確認しつつ、自社との重なる部分を探りながら自社の必然性を提案していってほしい。

候補者の方への申し送りで、次回に向けてコンディションを整えてもらう

かつて私が採用担当になりたての頃は、むしろ「変に準備せず、ありのままで臨んでほしい」くらいなことをのんきに考え、候補者の方へのフィードバックは重要視していなかったのですが、愚かでした。今は全く逆の考え方です。

なぜ自分が選考通過したか、何を懸念視されているのか、次回はどんな意味をもつ面談なのか、などについてを候補者が知ってはいけない理由は無いと思いますし、僕らは面接当日その場の対応が上手な人を採用したいわけではないんですよね。

面接という限られた時間の中でお互いをわかり合うための準備は双方で行えると良いと思いますし、そのための必要情報は企業側からも渡せるなら渡すべきであると思います。

例えば、惹きつけ観点で評価点を伝えることをしても良いと思いますし、次回面談で話題にしたり深堀りして更に聞きたいことについて事前に開示し、当日までに整理や言語化しておいてもらえるよう促す、などといったこともできそうです。

事前に言語化しておいてもらうことは、面談の場の密度を高めますし、それは双方にとってFit&Gapの質が上がることにつながります。

また候補者の方としても解像度高く次回の面談に臨める安心感もあり、また事後に不完全燃焼感も感じづらい状態になるのではないでしょうか。

採用担当は、この2つの申し送りを担保する役割を

これらの2つの申し送りは、極論は候補者と面接メンバーとで完結することもできます。理想としてはそこを目指していくべきなのですが、新たなポジションの誕生や組織の編成などで面接を担当するメンバーが増えていったり、変わっていくこともあるでしょう。

そういった中で、採用担当が品質を担保するサポートをしていく動きによって価値提供していく余地は多分にあると思います。

さいごに

以上、最後までお読みいただきありがとうございました!
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明日の採用アドベントカレンダーは、エクサウィザーズのはんださんです!お楽しみに!

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