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統合失調症患者におけるパートタイマーの現実。

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 タイトル名は「ついに無理がたたった」にしようかと考えています。他のタイトル名になるかもしれません。
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 遂に無理がたたった。
 課内異動に配属してから後、ただひたすらパソコンに文字を打ち続けた。そして、三日連続課内異動先に缶詰状態になるところで。
 手が止まった。手が震えている。
 糖分が足りないだろうと思って、ジュースを買って飲んだが、効果なし。
 セパゾンを飲んだところで、心理的な安定剤であり、身体を無理やり動かす薬ではないので効果なし。
 コンサータは飲んでいる。それでも精神が指を動かしてくれない。

 午前中、一時間だけ医務室で休憩を取ることにした。天井を見上げながら、統合失調症で閉鎖病棟の隔離室に入れられたことを思い出した。
 「あの頃は、まるでヱヴァンゲリヲンのシンジ君みたいな気分だったな」と思った。いきなり警察に囲まれ、白い天井を粗末なベッドでボーっと眺めながら「何者かになるためにこうなったんだ」と思い続けていた。その願いや信じることだけが唯一の救いだった。閉鎖病棟に移った後も、古いデイケアの道具を見ながら、「こうなることが決まっていた」「自分は運命の子だった」などと思っていた。一介の一人暮らししている大学生が、突然閉鎖病棟に入れられたら、誰しもそういう思いを抱くだろう。「何かの実験対象にされた」そんな風に思うほかは何も無かった。

 午前中、一時間休憩をとったあと、昼食を食べて、午後から復帰した。しかし、周りの人々の「顔色が良くない」「目の下が黒い」「根性なんていりませんから」と帰宅した方がよいという旨を伝えられた。係長からも「一時間休むくらいなら帰った方がいいですよ」と言われていた。私が精神障害者ということは皆が知っていて、長く働かせるために、帰らせようとしているのか、と思ってしまった。

 言葉に甘えて、午後は有休をとった。

 次の有休配布まで半年近くあるのだが、あと有休が7日しか無くなった。本当に使わなくてはいけない時に欠勤扱いになったらどうしようかと、思考を巡らせたが、結局有休を消化することになった。

 有休をとった後は、病院に行くなり散髪に行くなり、土曜日にやろうとしていたことを午後で全てやった。父親に「有休取るほど疲れているのに、車の運転は出来るのか」と帰ってから揶揄された。「精神的な疲労か」と言われ、その通りとしか言えなかった。

 これが、統合失調症患者のパートタイマーの現実である。職員さんからは「明日もきつかったら無理して来なくていいですからね」と言われた。もしかして私は職場で扱いに困らせているのか。「できるだけ来なくていい」という発言は、そういう風な裏があるような気がしてならない。

 なんとか、踏ん張らなければ、現実に即して生きていかなければ。

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