井上雅彦 小説家

小説家です。幻想怪奇やミステリの分野で著書を刊行しています。 1997年にオリジナルア…

井上雅彦 小説家

小説家です。幻想怪奇やミステリの分野で著書を刊行しています。 1997年にオリジナルアンソロジー《異形コレクション》を創刊。企画、監修をつとめています。(現在、光文社文庫で展開中。最新刊で57巻となります)

最近の記事

監修後記★屍者の凱旋《異形コレクション》LⅦ (その2)

 監修後記の続きです。  1998年。《異形コレクション》第六巻『屍者の行進』と『死霊たちの宴』(上下)が同時刊行された1998年。  1998年は、未来を志向する若いホラー者たちから、ホラーの黄金時代と呼ばれているそうですが、サブカルチャーでの「ゾンビ」も、この頃から目立ってきたように思います。  ハロウィンのゾンビメイク。  ゾンビ議員(小選挙区で落選後、比例代表で復活した議員)などの政治家への比喩。 (実は「ヴァンパイア」なる東欧の不死者の名を英国で有名にしたのも――ジ

    • 監修後記★屍者の凱旋《異形コレクション》LⅦ (その1)

       闇を愛する皆様。  《異形コレクション》第57巻『屍者の凱旋』、本日、無事に刊行となりました。  ということで、今回も監修後記をお届けします。  校了前の四月後半から新刊速報のサイトでタイトルが流れ、「テーマはホラーの王道〈ゾンビ〉……」という具合にキャッチーな話題となりました。 (実は、テーマが〈ゾンビ〉と決めつけられると、若干ニュアンスがちがうのに……と言いたくなってしまうのですが……それは、まあ、ともかく)  読者の中には《異形コレクション》初期の第六巻『屍者の行進』

      • 監修後記★乗物綺談《異形コレクション》LVI

         《異形コレクション》監修後記を書くことにしました。  文芸誌の最後にある「編集後記」のような位置づけです。  《異形コレクション》は「編集序文」ではじまるのに、「編集後記」でなく「監修後記」とする理由は、自分の役割が「監修者」だからなのですが……考えてみれば、このカタガキって、漠然としていて幅がありますよね。  私の場合、四半世紀前にこの叢書を立ち上げた時、最初の版元さんには、オリジナル・アンソロジーなるものがどういうものなのか、ホラーとはいかなるものなのか……あるいは、ジ

        • はじめましての御挨拶

           noteでは、はじめまして。  井上雅彦と申します。表示名にカタガキをつけているのは、同姓同名で著書のおありになる別職業の方が複数名いらっしゃるので、わかりやすいように表示しました。  私は小説を書いたり、アンソロジーを作ったりしています。  アンソロジーといっても、傑作選ばかりではなく、多くの小説家が新作書き下ろしを披露して競作する「オリジナル・アンソロジー」というタイプのものを多く作っていて、四半世紀前に自分で立ち上げた《異形コレクション》というレーベルが現在も続いてい

        監修後記★屍者の凱旋《異形コレクション》LⅦ (その2)