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自称リケジョの薬剤師以外の進路選択

大学レベルの数学物理学を楽しく履修したり研究したりできる人は、男性でも100人に1人くらいだが、女性はさらにその十分の一くらいだ。工学部の女性比率をみたらわかるだろう。
自称リケジョの大半は高度な数学も物理学も不要な、デザイン建築系、情報系、化学系、生物学系に所属している。
そこには大した就職先はない。
一級建築士は、業界の入門資格であって、それだけで食べていく資格ではないし、情報はウエブ制作やプログラミングの「腕」しだいだし、化学系はプラントや実験施設に縛りつけられ、生物系には専門的就職はない。

もちろん、自称リケジョたちが、野外の現場仕事や、地方の研究所や工場勤務でもいいと開き直れば、就職はあるのだが、女性たちはほぼやらない。都市部で、手が汚れない、楽できれいな仕事ばかりやりたがる。

だから、自称リケジョたちは、大学で、楽しく研究ごっこをやっておしまいである。
それが悪いわけじゃない。
底辺が広くないと、頂上も高くならないからね。

社会利益的には、職に就けない自称リケジョとかは放置していいんだが、個人利益を考えたら放置できない。

研究職まで行き着けない、小保方晴子程度にすらなれない人たちはどうしたらいいのか?

この問題があるから、私立6年制薬学部なんてトラップが存在するのだ。
就職がない修士卒よりは、6年制薬学部卒の方が、資格が残るだけマシという価値判断もありうる。
しかし、そのために年限6年と学費1200万円を支払って「元がとれる」という判断はおかしい。
薬剤師の仕事内容のつまらなさは無視するとしても、得られる所得は、薬局でフルタイムで働いて、年間500万円にすぎない。
年限3年、学費200万円の看護師と、同じ時間働いて、所得は同額なのだ。
時たま、
「看護師と違って薬剤師は夜勤がないから」
とかいう妙な薬剤師マウントがあるのだが、看護師の夜勤は週40時間の正規勤務時間としてカウントされている。時間外労働ではない。
むしろ、ほとんど手当が出ない夜間当直を、サービス残業としてやらされている薬剤師が多い。

しかし、看護師で満足できる自称リケジョは少ないだろう。
看護師になると、偏差値70の東大医学部健康科学科卒が、偏差値45のエフラン専門学校卒と同じ地平で勤務させられるからだ。ひどくプライドが傷つけられる。

結論は、医学部医学科進学だ。

今や、医学部の女性割合は4割を超えている。
東京医科大学事件の結果、入試での女性差別はできなくなった。
6年制薬学部なんてトラップを飛び越して、もうひとふんばりして、医学部に入ってもらいたい。

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