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「優しい」の解像度を上げてみる

こんにちは!効き目を強くするために普通のバファリンより色々な成分を多く入れている「バファリンプレミアム」は、成分比率的に「半分は優しさで出来ている」のキャッチコピーが使えないのでは?と思っている井上です。

テレビで女優さんや女性アイドルに「好きな男性のタイプは?」と聞くとよく「優しい人ですね〜」なんて言ってる光景を目にしますよね。

会社の採用基準でもただスキル面において優秀なだけではなく、他メンバーと良い関係で業務を遂行できる「優しい人」を求めている会社も少なくありません。

さらには、昨今のコロナの影響でみんな様々なストレスを抱えている中、「このような状況の時だからこそ、いかに人に優しくできるか」みたいな考え方にも注目が集まっているような気がしています。

多くの人が小さい頃から親や学校の先生から「人に優しくしなさい」「優しい人になりなさい」言われ続けてきたと思います。大人になってからも異性からモテたり、就職やビジネスでも有利に働くであろうこの「優しさ」という概念。

今回はあまりにもよく口にしたり耳にしたりするこの「優しさ」について、もう少し解像度を上げて掘り下げていきたいと思います!


「優しい」は他者からの評価でしか測れない

まず改めて整理しておきたいのは「優しい」という概念は自分1人では評価できるものではなく、他者からの評価でしか測れないという点です。

「マメである」「怒りっぽい」「人見知り」などの性格は自分自身でそう思ってるのであれば実際にその通りであることが多いですが、「優しい」に関しては、自分が取った言動に対して他者がどう感じるかが評価の軸となっているため、いくら自分で「私は優しい人間です」と言ってもまるで意味をなさないんですよね。

強いていえば、「私はよく周囲の人から優しいと言われることが多いので、優しい人間なのだと思います」という考えであればまだ説得力はありますし、本質的にその人は優しいと評価しても良いかもしれません。

この「優しさとは自分ではなく他者からの評価によってのみ成り立つ概念」という前提を理解した上で、もう少し「優しさ」の解像度を上げていきたいと思います。


優しいとは本質的にどういうことか

優しさについて個人的に思っていることは「利他的な言動」と「優しさ」がごちゃまぜになっている人が多いことです。

「利他的」とは「利己的」の反対語でwilkipediaさん曰く「自己の損失を顧みずに他者の利益を図るような行動」とのこと。簡単にいえば「自分が持っているアメを自分が食べるのを我慢して隣にいる友達にあげる」みたいな行動ですね。

で、ここで気をつけたいのはもしかしたらその友達はさっきまで大量のチョコを食べてお腹いっぱいだったり、今はダイエット中で甘いものを避けているかもしれないということ。もっと言えば「満腹でもダイエット中でもないけど、何となく今はアメを食べたい気分ではない」可能性だって十分あるわけです。

つまり、いくら自分が相手の利益だと思って利他的な言動をとったとしても相手の心理や感情を読み取る想像力がなければ本質的な相手の利益にはならないということです。

利他的な言動を取ることと、結果的に相手の利益になる優しい言動になるかは別であることに気をつけたいところ。

図解にしてみるとこんな感じでしょうか。

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利他的な言動を多くとっても、そもそも他者への想像力が弱ければ「優しい」ではなく「おせっかい」や「ありがた迷惑」となってしまい、よく言われる「いい人なんだけど..」評価になってしまいます。

みなさんもご存知の通り「いい人なんだけど..」と言われる人が女性からモテることはないですし、会社が本質的に望んでいるような人材ではないことが多いです。とても残念なことに。

「利他的な言動が多く」且つ「他者への想像力が高い」人だけが「優しい人」になれるわけです。


利己的な人とは?

「優しさ」の議論からは少し逸れてますが先に「利己的」な人についても参考までにざざっと定義しておきます。さきほどの図を使うと、こんな感じでしょうか。

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まず左上に属する利己的ではあるけど他者への想像力が高い人ですが、漫画のキャラクター的な表現をすれば「空気が読める一匹狼」でしょうか。ドラゴンボールでいうピッコロとか、ワンピースでいうニコ・ロビンとか。(伝わるかな。。)

日頃から積極的に周りのサポートをしたり、率先して場を盛り上げたりすることはないのですが、こちらから求めるとめちゃくちゃ本質的なアドバイスをくれたり、影で高いパフォーマンスを発揮してくれているタイプの人。

みなさんのいる会社や学校などのコミュニティにもそういう「精神的にめっちゃ大人でかっこいいキャラ」が1人はいると思うんです。このタイプの人はめちゃくちゃ女性にモテますし、ビジネスの場でも高い価値を発揮します。

最後の左下に属する「利己的だし他者への想像力が低い」人について、たまにこういう人いるのですが、年齢が20代後半以上でその状態だと人間性が変わったりする可能性もほぼないので、とにかく関わらないように生きていくことをおすすめします。

めちゃくちゃ残念なことにその中には個人としての能力やスキルが高く、間違ってマネージャーや管理職になってしまっている人もいます。そうなるとそこに所属する人たちにとってはただの地獄でしかないので、早めにそのあたりを見極めて転籍や転職などのアクションを取ったほうが良いですね。。


他者への想像力とはなにか?

さて、少し逸れてしまいましたが肝心の「他者への想像力」について、もう少し掘り下げていきたいと思います。

まず先に定義しておきたいのは「他者への想像力」は性格や人柄といったものではなく、プログラミングやデザイン、営業などと同じ「能力・スキル」であることです。

つまり「今日からちゃんと他者を想像しよう!」と心に決めたらすぐに想像できるものではなく、自分以外の多くの人たちの心理や感情を想像できるだけの学習、経験を積まないことには、想像することはできません

具体的にはあらゆる属性や職業、価値観をもった人たちとのコミュニケーション量を増やし、ただ話を聞くだけではなくしっかり彼ら彼女らと信頼関係を構築すること。

ただ人数をこなせば良いのではなく、出来るだけ自分が持つ「価値観や常識」とは異なる「価値観や常識」を持つ人たちと接触することを意識しないと、他者への想像力は強くなっていきません。

極端な話、自分が脊髄反射的に「嫌いだなあ」「苦手だなあ」と思うような人たちこそ「他者への想像力」を大きく向上させてくれる、非常に有難い先生になるわけです。(パチンコにハマる人はダメな人、オタクは話がつまらないしキモいなど、つい解像度の低い嫌悪感を抱いてしまう人など)

こういう人たちこそ機会を見つけて話してみることをおすすめします。

ちなみに、「他者への想像力」が上がりやすい人の素質としては「謙虚であること」「好奇心が強いこと」の2つです。もともとこの2つの素質を持っている人であれば今は他者への想像力が低くても、多くの人とコミュニケーションをとることですぐに強い想像力を持つことができると思います。

反対に「自分に対する評価が必要以上に高く、自分が信じる価値観以外のものに興味関心をもてない人」は、多くの人とコミュニケーションをとってもなかなか他者への想像力は上がりません。


さいごに

ここまで「優しい」について掘り下げて考えてきましたが、人にはそれぞれ生き方や信念があるので、他者の心情の想像なんてする必要はない、したくないというのも個人の自由です。

ただ、冒頭にも触れている通り「優しさ」については異性から高い評価を受けたり、ビジネスやキャリア形成の場でも非常に高い貢献度をもっているのも事実です。

「女の子からモテたい!」「お金がいっぱい欲しい!」という少しギラついた目的であっても「優しさ」はあらゆる場面で非常に役に立ちます。

また、もしあなたがもともと利己的な人間であったとしても「他者への想像力」だけは上げておいて損はない能力だと思っています。その上で利己的な言動をとるか、利他的な言動をとるかを都度判断していけば良いだけです。

個人的には世の中にもっともっと優しい人が増えたらいいなあと思ってる今日このごろです。



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