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酵素栄養学って何?

医学博士が提唱した

1940年頃に、医学博士のエドワードハウエルという人物が提唱した栄養学が「酵素栄養学」です。


彼は酵素を人体に必須な「栄養素」として学説を提唱したようです。


栄養素というのは基本的に外部から必要とする要素の事です。


人体には3大栄養素として、「脂質」「たんぱく質」「糖質」があります。


これは人に必要不可欠な栄養素と言われており、どれも欠けないように、過不足なく摂取する必要がある栄養素です。


そこに、「ミネラル」「ビタミン」が必須栄養素で、この5つの栄養素をバランスよく摂取しましょう、というのが現代の栄養学の大まかな考え方です。


この辺りは当然生化学の話とも整合性があるので、私はそれで良かろうと思っております。


もちろん、水も大気も必須じゃないか?という話にはなるかと思います。


水は必須ですし、そしてその質も非常に重要です。


この辺りはもっと研究が進んでいくとは思いますが、ある意味水は当たり前過ぎる、というのもありますが。


水に関してはこういった指針が示されていないのもあるのか、水ビジネスというか、水関係は変な物が多いのも特徴ではありますね(笑)


それはおいといて、酵素栄養学は5大栄養素に「酵素」をプラスした物です、簡単に言うと。


ですから、酵素を5大栄養素のように食物から摂取していかなければいけません、と言われています。


それが酵素栄養学の大まかな概要です。


代謝経路が示されていない酵素栄養学

ここからは酵素栄養学を私が採用しない理由になりますが。

しかし、酵素というのは微生物研究から発見された物質で、1800年代後半~ブフナー辺りの研究から確立されていきました。


現在「酵素」というものはその辺りの研究が元になって確立していき、言葉と概念として使用されています。


生化学も当然そちらの酵素を使っておりますし、栄養学でもそうです。


その酵素を元にすると、確かに食物に酵素はどんな細胞にも内包されているわけですが、酵素を直接摂取利用するというのは原理的にあり得ないのです。


例えば生化学が示すように、グルコースが細胞内でどう代謝されてエネルギーを生み出すか?このような内容が、酵素栄養学には示されておりません。


簡潔に言えば、酵素を摂取して体のどこでどういう形で吸収されて、細胞内でどういう使われて方をするのか?


この極めて重要な部分が書かれていないわけです。


酵素がそのまま生体内に吸収されるとやば過ぎ

さらにもしそういったことが生体内で起こった場合、パイナップルを食べたらパイナップルはタンパク質分解酵素を含んでおりますから、たんぱく質分解酵素が血中内に入って、細胞に届いてしまう。


そうするとどうなりますか?生体はたんぱく質で構成されているわけですから、パイナップルを食べると体が分解されて行ってしまいます。


酵素は基質特異性を有しておりますので、次々と反応が起こって不活化するまで分解し続けます。


これは起こってはいけない事です。


当然、栄養学、生化学の観点から言えば、酵素はアミノ酸で構成されたたんぱく質ですから、摂取すれば生体内で細かく分解され、たんぱく質の構成要素であるアミノ酸になります。


結果、アミノ酸として生体内で使用されますから、上記のような問題は起こりません。


実は酵素が原因で起こる病気もありまして、膵炎等は生体内酵素反応が上手くいかず、膵炎から生じる消化酵素によって自己分解が起こって炎症が起こる、とされています。


酵素栄養学のいう、消化酵素と代謝酵素の関係(消化酵素を使っている時は代謝酵素が使われない)というのも、酒を飲みながらご飯を食べてもしっかり代謝されて、酒を飲んで食べたらしっかり脂肪になりますように、その辺り整合性が取れません。



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