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新規プロダクトの成功確率を上げる考え方とプロセス

私はこれまでに様々な新規事業に携わり、数々の成功と失敗を経験しました。その中で学んだことを活かし、新規プロダクトの成功確率を上げるための考え方やプロセスをフレームワークとして整備しました。
現在、マネーフォワードの様々な新規プロダクトで、このフレームワークを活用して開発が進んでいます。本記事では、フレームワークを開発した背景、フレームワークの概要、ポイントを紹介します。

こんな人にオススメ
・これから新規事業を立ち上げる人
・プロダクト開発の進め方に課題を感じている人
・リリースした機能がユーザーに使われないことに悩んでいる人

新規事業の90%は失敗する

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新規事業の約90%は失敗すると言われています。
失敗する理由TOP3は「市場ニーズがなかった」「資金が尽きた」「チームが崩壊した」です。

その環境の中で成功確率を上げるには、ユーザーニーズを満たすプロダクトを素早く開発する必要があります。
そのためには「ユーザーを深く理解すること」「早めに仮説検証をすること」「チームの共通認識を高めること」が重要です。
その考え方やプロセスをフレームワークとして整備し、マネーフォワード全体のプロダクト開発の品質を高めたいと考えています。

「ユーザーフォーカス・スクラム」について

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フレームワークの名称は「ユーザーフォーカス・スクラム(以下UFS)」と名付けました。
UFSの特徴は、ニーズ発見とサービス提供フェーズを交互に繰り返すことです。
ニーズ発見フェーズでは、ユーザーの行動・感情・制約を理解した上で、適切な解決策を発見します。
サービス提供フェーズでは、スクラムを活用し、解決策を素早くユーザーに届けます。

名称の意味
「ユーザーフォーカス」+「スクラム」という2つの概念を組み合わています。
ユーザーフォーカスは、マネーフォワードの行動指針のひとつです。
ユーザーフォーカス:常にユーザーを見つめ続け、本質的な課題を理解し、ユーザーの想像を超えたソリューションを提供する
スクラムは、スクラム開発のことです。「INSPIRED」や「LEAN UX」などを参考にしています。

UFSの3つのポイントを紹介します。

ポイント1:ユーザーを深く理解する

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ターゲットユーザーの行動・感情・制約などを理解せず、提供者目線でプロダクトを開発しても期待する効果を得られません。
新規事業を成功させるためには、ユーザーを深く理解した上で、適切な解決策をユーザーに提供する必要があります。

そのためには、以下のプロセスを通して解決策を見つけます。
Step 1. 調査:デスクトップリサーチやユーザーインタビューを通して、ユーザーの行動・感情・制約を理解します。
Step 2. 体験の視覚化:ターゲットユーザーの行動・感情・制約やステークホルダーを視覚化し、情報を整理します。
Step 3. 解決策の検討:ユーザーの課題を解決するプロトタイプ(デザイン案)を素早くつくります。
Step 4. 仮説検証:ユーザーインタビューを実施し、プロトタイプが期待通りに課題を解決するか検証します。

ポイント2:早めに仮説検証をする

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ユーザーニーズを満たす解決策にたどり着くために、何度も仮説検証を繰り返して解決策の精度を高めることが重要です。
そのために、企画検討段階からユーザーインタビューを活用し、ユーザーの意見や行動を観察した上で、ユーザー自身も気付いていない真のニーズを発見するように努めます。
インタビュー時に、プロトタイプがあると検討している画面や機能がユーザーニーズを満たしているか検証しやすくなります。

ポイント3:チームの共通認識を高める

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メンバーの当事者意識が低く、チームがバラバラな状態で開発を進めてもプロダクト開発はうまくいきません。課題や解決策を検討するプロセスにチームメンバーを積極的に巻き込み、チーム全員で考えることがポイントです。
また、様々な職種のエキスパートと業務を進めることで、多角的視点から課題や解決策を検討できます。

チームメンバーの人数が多い場合は、事前に叩き台を用意した上で議論を進めたり、3〜4名程度のグループをつくって議論を進めると効率的に進めることができます。

さいごに

ここまで読んでいただきありがとうございます。
ご質問やご意見がありましたら、Twitterやnoteなどで気軽に声をかけて頂けると嬉しいです。

今後は、既存プロダクトを含め、さらに多くのプロダクト開発にUFSを活用する予定です。このような取り組みを通して、ユーザーニーズを満たすプロダクトを会社全体として素早く開発できるように、これからも様々な工夫をしていきます。

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