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激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと:大学院に行こう(前編)

 今回から3回に分けて、地方公務員が大学院で学ぶ意義について述べたいと思います。私は地方公務員の時代に、大学院で学ぶ機会を得ました。きっかけは上司の業務命令だったので自分の意思ではありませんが、もともと勉強は好きだったので、迷いはありませんでした。そして、大学院での経験が人生の転機となり、今は教員として大学院に在籍して、地方公務員の方々に指導する立場になりました。教わる側でも、教える側でも、大学院は地方公務員に大きな影響を与える機会になると思います。教える側に回る必要はありませんが、地方公務員が大学院で学ぶ意義があると思うのは、「3つの財産」が大学院で得られるからです。

 最初に挙げる大学院の意義は、何と言っても「学び」を深められること、つまり「知的財産」の獲得です。公務員試験では法律・経済・行政の幅広い科目を勉強します。いずれも仕事に必要なものです。しかし、勉強の目的は試験に合格することなので、「合格さえすれば良い」「仕事には必要ない」と認識されています。それは仕方のないことかもしれませんが、せっかく試験勉強で身につけた知識が仕事に活かされないのはもったいない限りです。

 大学院は、それをかなえてくれる場所です。私が学び、在籍しているのは経済学系の大学院ですが、経済理論を深く学べるだけでなく、社会人向けに仕事で使える経済学を身につけることができます。書店に行くと、経済学のテキストブックが所狭しと並べられています。どれを選べば良いのか、迷ってしまいます。さらに、その中から一冊選んでも、分厚くて何が重要なのか判別できませんし、内容も難しいので、面白いものではありません。しかし、大学院ではそうしたテキストブックを基にしながらも、仕事で役に立つ範囲で、役に立つ使い方を教えてくれるのです。そのため、「経済学は仕事でこんなに役に立つのか!」と感動しながら学ぶことができ、面白いように吸収することができます。

 仕事をしている時に、自分が関わっている政策が経済学のどのような理論的背景を持っているのか、意識することはないと思います。しかし、実際は経済学に深く関わっているのです。なぜコロナ対策で支援金や補助金を支給したのか、なぜ地域にとってインバウンド対策が重要なのか…、など、さまざまな政策が経済的理論を背景に実施されているわけです。そこで、経済学を理解していれば、既存の政策を検証し、より効果的な政策を打ち出すことができます。そして、理論的背景を適切に説明できれば、議員や市民に説得力を持って説明することができ、実現が容易になるわけです。

 私は現在、東洋大学PPPスクール(大学院公民連携専攻)の教員をしています。公民連携は、人口減少の下で持続可能な地域を構築していくために不可欠の取り組みです。特に、小規模自治体には喫緊のテーマだと考えます。実際、地方公務員の方々も多く、それぞれ地元自治体の課題に向き合い、熱心に勉強されています。関心をお持ちの方は、ぜひ下記のイベントにご参加ください。お待ちしております。

 東洋大学PPPスクール(大学院経済学研究科公民連携専攻)は、地方圏在住者または社会人のために最適化されたプログラムを持っています。
 内容に関心をお持ちの方、組織内の若手の研修機会をお探しの方などを対象にしたオンライン説明会を開催します。
 日時、参加登録は以下を参照ください。
https://www.pppschool.jp/news/20231002-03051.html

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