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激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと:大学院に行こう(後編)

 3回にわたって、地方公務員が大学院で学ぶことのメリットを紹介する最後は、仕事に対する姿勢が大きく変わることです。地方公務員が大学院で学ぶ際、いわゆる社会人学生ということになります。そこには、地方公務員だけでなく民間企業の社員の方々も学びに来ます。また、学部を卒業して大学院に進んだ学生もいて、さまざまな立場、さまざまな年代の方々が集まることになります。これが地方公務員にとっては、大きな刺激になり、学ぶことや仕事への姿勢に大きな効果をもたらすのです。

 まず、他の地方公務員との間では、自治体ごとの課題が異なることを知り、自分の所属する自治体の良い点や課題を改めて見つめる機会になります。私が市役所職員として大学院に派遣された時は、幸い私を含めて8人もの地方公務員が同期として来ていました。現在の勤務先の大学院にも、同じくらいの地方公務員が学んでいます。地方公務員同士は、同じ使命を持つ者として団結が生まれやすく、また刺激も受けやすくなります。

 また、民間企業の方々からは、ビジネス感覚を学ぶことができます。単なるアイデアで終わることなく、実現に向けての課題に細かく対応すること、チャンスを積極的に活かす姿勢など、地方公務員にはなかなか会得できない感覚を知ることができます。さらに、民間企業の方々は納税者でもあります。企業として、また個人として納税をしていて、公務員に対して「自分たちが汗を流して働いた税金で仕事をしている」という目を持っているので、納税者として地方公務員に対する厳しい見方をしています。納税者の声に真摯に耳を傾ける姿勢も、改めて身につけることができます。

 次に、学部から進学してきた学生は、やはり若さが際立っています。将来に希望を持ち、いきいきと学ぶ姿勢に、刺激を受けます。逆に、地方公務員は先輩として、社会に出る際の心構えや不安への対処法など、アドバイスすることもあります。このことは学生に喜ばれるだけでなく、自らも若い頃の自分に立ち戻って、初心を思い起こすきっかけにもなるでしょう。また、彼らが地方公務員となることもあります。その場合は、職場の先輩として長い付き合いへと発展することもあります。

 最後に、先生からの刺激です。やはりアカデミックな視点から学ぶことが多くあります。学部とは異なり、講義よりもゼミナール、論文指導が中心となるので、コミュニケーションも個別で密度の濃いものとなります。そこから、先生の尽きない好奇心や知識に圧倒されることになります。逆に、先生方も地方公務員の仕事に強い関心を持っています。現場に触れる機会が少ないためか、アカデミックなスキルを現場と結びつけたい、という気持ちも持っておられ、こちらが聞かれることも多いです。また、大学院には著名な方がゲスト講師として見えることも多く、そうした方から直接話を聞くことができ、熱い思いや鋭い指摘、壮大なビジョンを知ることができて刺激的です。「自分も頑張ろう」という気持ちが高まってきます。

 このように、大学院での学びは、さまざまな方がとのコミュニケーションを通じて大きな刺激を受け、それを自分の仕事や生き方に繋げることができる、とても貴重な機会です。

3回にわたって大学院の良いところを紹介してきましたが、まとめると
前編:知的財産-学校
中編:人的財産-友人
後編:心的財産-姿勢
となります。皆様の参考になれば幸いです。

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