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ショパンのあんプレスをシェアしたい【喫茶店日記】

「このおいしさをシェアしたい。なんで一人できたんだろう」

神田・珈琲ショパンのあんプレスを食べて、そんな後悔に襲われた。

トーストした食パンであんこをサンドしたショパンの名物、あんプレス。
インスタやGoogleの口コミで、絶賛されていて、あんこ好きとしての使命に駆られた。

これは、絶対に食べなきゃ!

実はショパンを訪れるのは二度目。
一度目は夕方に、しかも別の喫茶に入れなくて二番手として訪問したので、あんプレスは売り切れ。
滑り止めなんかに選んだことを深く反省し、ウインナーコーヒーを啜った苦い思い出。コーヒーだけに。

今年は絶対にあんプレスを食べるんだ!
意気込んで迎えた2024年。
チャンスは思いのほか早く訪れた。

昨日のわたしが、スーパー早起きをしてくれたからである。
9時開店の喫茶店へオープンと同時に入店。
コーヒーと共に一時間ほどゆったりと過ごすも、まだ11時前。

買い物して帰るつもりで電車に乗っていたのだが、休日のわたしは妙な気まぐれを起こすことが往々にしてある。

あと一件、余裕で行けんじゃん。

そう思ったらもう、止められない。
直感的に、ショパンの存在が頭をよぎった。

あんプレス、今日ワンチャンあるのでは!?

勢いのまま、神田方面の電車へ乗り換える。
寒いこともチラつく雨のことも気に留めず、ショパンにたどり着いた。

実は2階席もあるらしい

前回は入口に、「トーストメニュー売り切れ」の看板がでていたけれど、今回はどうだろう。

......出ていない。
土曜日とはいえ、さすがは午前中。
忙しくて出しそびれてる可能性もあるけれど、ひとまず安心。

入店し、カウンター前の席に座る。
メニューを見ずとも、迷うことなくオーダー。

あんプレスアメリカンコーヒーを。

一度来ていても、雰囲気に圧倒される。
赤いベルベットの椅子、ステンドグラスの装飾、シャンデリアみたいな照明。
BGMは、ショパンの名にふさわしいクラシックだ。
ヨーロッパ貴族の気分に浸りながら待つオーダーは、少しも退屈しなかった。

待つこと10分弱。ついにやってきた、わたしのあんプレス。

4つ切りが食べやすーい
アメリカン550円
あんプレス550円

すでに内心では拍手喝采。
ライブで推しが出てきた、あの瞬間を思い出す。

ゆっくり、堪能させてもらおう。いただきます。

ひとくち頬張り、おさえきれず心の声が飛び出す。
「おいしい......!」

あんこトーストの類がおいしいのは、十分に承知している。
でもおいしいよ、あんプレス。

サクサクのトーストにはバターか何か塩気が仕込まれている。
こいつがあんこと合わされば、もう無敵。
甘さをマイルドに食べやすく、けれども打ち消すことなく引き立ててくれる。
あんこの食感も申し分ない。
粒感となめらかさ、両方ばっちりである。

ああ、このおいしさ、今すぐ誰かと共有したい。
一人でくるんじゃなかった。

見渡すと、後からきた両隣のお客も、みーんなあんプレスを頬張っている。

「それ、めっちゃおいしいですよね!」
彼らに声をかけたい衝動をグッとこらえ、お会計をすませる。

次は、必ず誰かとこよう。
このおいしさを独り占めするなんてもったいない。

あんプレス、わたしに人と繋がる悦びを再認識させてくれてありがとう。

おまけ:ショパンは昭和8年創業。渋すぎィ



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