鴨鍋

祝☆Valentine's Day

最初にお断りしておきますが、チョコレートは関係ありません。

ただ、生まれてこの方34年間、最も思い出深い2月14日となりました。

2月14日といえば、、、                        × 「今年はチョコレートもらえるかな~。義理でもいいから、もらえるといいな~」                               ○ 「あと一日で猟期が終わってしまう!鳩でもスズメでもいいから、獲らなくては!」                             と、言う日なワケですよ。

今期、初めて狩猟者登録を行い(4万数千円支払いました)迎えた猟期(11月15日~2月15日)ですが、猟師一年生は空振り続き。。。他人様の仕掛けたイノシシの止めを刺すために散弾銃はお役に立ちましたが、鳥猟においては惨憺たるもの。撃っても当たらず、どころかそもそも撃てる距離まで近づかせてすらもらえません。車で走っていれば、ちらほら見かける雉も鴨も鳩も、いざ猟場で見ると、銃を構える前に逃げられてしまう始末。

「もしや、初年度はボウズか。。。」その予感が確信に変わりかけていた焦燥感と切迫感が120%の2月14日だったわけです。

で、こうして書いているということは、、、、、

やりました!獲りましたよ!! というかむしろ、獲れちゃいました!!!

いくつか目星を付けれるようになった猟場を回っていたら、カルガモの群れを発見。今までの浅い経験では、車を停めただけで逃げられていたのですが、この日に限っては不思議と逃げず。距離にして約20m。しかも、こっちが銃を構えるのを待っててくれたかのようなタイミングで飛散。

で、パーン!、と

2羽落ちました。10数羽の群れが一斉に飛び立ったため、特定の1羽には照準は合わせきれず、群れの中心部に向かって撃ったら見事的中!

「ア、当たっちゃった・・・。」(←正直な感想)

で、軽くパニックです。「当たっちゃったけど、どうしよう?」「そうだ、回収だ。」「その前に銃を仕舞おう。」「ん、でも車に置いとくのは良くないな。」「ゲ、頚動脈切るためのナイフ忘れた。」「獲ったもの何に入れよう?」・・・etc。『落ち着け、オレ!』

深呼吸して回収です。近づいてみると、1羽がバッサバッサと飛んでいきました。「まだ、逃げてない個体もいたのか」と不思議な気もしながら、散策を続けると、1羽は座っているのを発見。もう1羽は何処を探しても見当たらず・・・?どうやら、最後に飛んだ固体が半矢(弾は当たったが、絶命してない状態)だったようで、回収し損ねてしまいました。どこかで力尽きることになるのでしょうが、「無駄に痛い思いをさせてゴメンなさい」と反省しつつ、もう1羽を回収、、、って『こっちも生きてる!』            飛べなくはなっているみたいですが、結構元気です。足と羽はバッタバタしてます。でも、ナイフ無いし。。。                    仕方ないので、ネットで見た鶏の〆方よろしく首をグリッと回す感じで絶命をお願いします。

正直、「命をいただく」なんて高尚な気持ちは湧いてきません。(こちらの都合で)自然界では生き残れない状態にしてしまった個体なので、「早く大人しくなってくれ!」と、ただ殺しているだけなので、罪悪感はてんこ盛りです。

何とか、動かなくなったので、車の荷台に乗っけて、「さぁ、美味しくいただくぞ」、、、と。。。。?

パニック、again! どうやって捌く???

狩猟読本には書いてあった図解はしっかりと覚えてはいますが、試験に強く実践に弱い私としては「困ったときは先達に聞け」をモットーに即TELです。 そこは頼りになります島のベテラン猟師のT師匠。「とりあえず、ナイフとまな板と一緒に持ってきて。」との力強いお言葉。下命に従い、不運なカルガモ君とドライブです。

で、荷台ではまだガサガサ動いてます。よし、急ごう。

着いたらまず手順を伺います。どうやら、                ①首を落とす                             ②羽を皮ごとむしる(マガモ以外は脂が少ないのでその方がいいらしいです)③部位ごとに解体&内臓摘出                      という流れで行うとのこと。

そういった話を伺っている最中も、首根っこ押さえているカルガモはバタバタ暴れたりします。動物の生命力ってすごいッス。

で、断頭式です。胴体を押さえながら、大先輩が頭を落とすのを見ていましたが、手つきはスムーズ&ワイルド。1kgにも満たないカルガモ君はかつてないほど暴れますが、私も必死に押さえます。

一番驚いたのが、頭を落とした後も2~3分は胴体が動き続けていたこと。 怪談の一つに首を落とされた侍が噛み付いたり、首なしの胴体が走り出したり、というのがあるけど、あながち嘘でもないのかもしれない、とか考えさせられました。

大人しくなってからは作業はスピーディ。1時間もかからず骨と肉になっちゃいました。ただ、羽は大量に出ましたが・・・            ↓(ちと、キツ目な画像なので、小さくしました)

あとの作業は自宅にて。細かいゴミをきれいに流水で洗い落とし、血管や筋など可食部位を手とナイフで切り分けていきます。(←これは、個体が小さいのでイノシシに比べるとかなり楽♪)

で、もう美味しそうなお肉にしか見えなくなってきたお姿がこちら     ↓

左の2本:もも。中央上部:むね。中央下部:ささみ。右下:手羽先&手羽元。右上:胸骨。といった具合です。ささみがむね肉の下に付いているなんて生まれて初めて知りました。4足動物でいうところのヒレ肉なんですね。

どうやって食そうか悩みましたが、丸ごと味わえるものがいいかと考えてシンプルに鴨鍋にしました。骨からは出汁をとって、肉と心臓・砂肝を入れ、醤油・酒・みりんで味を調えます。

旨いッス。

鴨の風味が何とも云えない良い雰囲気を醸し出します。カルガモが臭いだなんてトンデモナイ。スープもうどん入れてしっかりと飲みきるほど堪能させていただきました。ただ、お肉は1羽から150~200gと少な目でしたが、風味があるせいなのか、結構食べ応えはありました。

いや~、最高のValentine's Giftでした。神様ありがとう!!!

どんな女の子から貰うチョコレートよりも嬉しい贈り物でした。


ちなみにこのカルガモ君、オスだったけど。。。ま、それはどうでもいいかw

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?