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31日目:「大晦日」とは家族が揃う時間(100日目に40歳になる猪瀬)

今年も残すところあと数時間。みなさん、いかがお過ごしだろうか。我が家は家族3人でテーブルを囲み、赤と白の歌番組を横目に今年の出来事をついさっきまで振り返っていた。

今年はほんとコロナ一色だった。春先には我が子が幼稚園に登園する時期がいつになるのかわかっていなかったし、夏にはリモートワークで仕事をする日がいつまで続くのかも想像できなかった。コロナがなかったらきっと考えることもなかった疑問や不安が生まれたのが私にとっての2020年という年だった。

今後も変異したウイルスの広がり具合は心配だし、来年の東京オリンピックが果たして開催できるのか、まだまだわからないことばかりだ。


① 「大晦日」 とは(辞典で意味を確認)

今回から小学館の現代国語例解辞典にも登場してもらうことにした。毎回、三省堂の新明解国語辞典で意味を調べるたびに「これ他の辞書だとどんな意味になっているのだろうか」と気になることが多く、辞書による違いはどあるのか、あるのだとしたら差異はなんなのか自分の目で確かめたくなってしまったからだ。わたし、気になります、気になるんです!

ということで、二つの辞書で言葉の意味を調べて比べてみる。そんな楽しみ方に目覚めた(笑)。

大晦日(おおみそか)
 十二月三十一日の称。おおつごもり。
 出典 :『新明解国語辞典(第8版)』(2020)三省堂

 一年の最終日。十二月三十一日。大つごもり。
 出典 :『現代国語例解辞典(第5版)』(2016)小学館

現代国語例解辞典の「一年の最終日」は感覚的でわかりやすい。細かい日付を覚えなくていいので優しさすら感じる。一年の最終日である今日はまさしく大晦日だ。


② 私の釈義

大晦日になると家族みんなで1年を振り返る。これは私が子どものころからいまでもずっと続いている猪瀬家の習わしみたいなものだ。誰が最初に始めたのかわからないが、だいたい年越しそばを食べ終えたあたりからこの話題になる。

特になにも用意する必要はなく、なんとなくその年にあったことを思い出して、一番の記憶に残っているエピソードをただ話せばいい。

大晦日とは家族が揃う時間

これが案外おもしろい。というのも、思ってもいなかったことが実はその人の記憶に残っていたりする。家族ひとりひとりを理解することのできるとても大切な時間になっている。

たとえば我が子の場合、今年は家で遊ぶ時間が一番嬉しくて印象的だったという。誕生日やクリスマスなどでもらうプレゼントだったり、旅行にでかけた話ではなく、家でするお医者さんごっこやすごろく遊びなどの時間が嬉しいという。そんなことを言うので、きっと彼は家族とのふれあいが好きなのかも知れないなと私は思うのであった。

この取り組み、20代の頃までは私と両親との合計3人で毎年していた。それが妻と結婚して4人になり、子どもが生まれて5人になり、そして一昨年からは4人になった。父が脳梗塞で倒れてしまい参加できなくなってしまったからだ。

幸い一命はとりとめたが、その後遺症がひどく言葉を発することができなくなってしまった。寝たきりなので、二度と同じ席で以前のように話をすることもないだろう。

父との確執は解消していないものの、このような形で決着がつくのは望んではいなかった。それに曲がりなりにも私を生んでくれた両親なわけで、こんな形で突然話ができなくなってしまうのは寂しさが募る。

だからこそ思う、子どもとの時間を少しでも長く過ごすためにも健康には気をつけねばならない。私は大晦日に子どもが話す今年一番の出来事をまだまだ聞いていたい。


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