見出し画像

18日目:「食事」とは四季を味わうこと(100日目に40歳になる猪瀬)

一日3回、毎日あたりまえのように食事をしている。いつからそうしているのかわからないくらい習慣になっている。

では、なんのために食事をするのだろうか。

私はものごとの意義についてふと考えるときがある。そして、思考の淵から掘り出した意義はずっと固定概念として定まるのではなく、年齢の経過とともに見直しが入り再構築されてきた。

その意義が書き換えられる瞬間、新しい発見に心の底から喜びが溢れてくる。そしてそれがとても面白いと感じる。

もしかすると自分の意義を壊す楽しさを味わうために、現時点での考えを置いているのかもしれない。愉快犯なのだ。

① 「食事」 とは

当たり前のように思っていることを辞典で引くとき、一体それがどのように意味付けられているのかとても期待してしまう。

今回の「食事」もそうだ。とても興味が湧く。そしてこの私の興味に応えてくれるのはいつもの相棒「新明解国語辞典」だ!

しょくじ【食事】
・意味
 〔生命を維持するために〕生活習慣として、主食と副食物とを組み合わせて食べること。また、その食べ物。
出典 :『新明解国語辞典(第8版)』(2020)三省堂

「生命を維持するために」と前置きがされているのがいい。そう、私たちは生きるために食べる。これはとても重要な意味だ。

お金さえあれば好きなものを好きなだけ手に入れられる時代なので、この本来の意味は忘れがちではないだろうか。

少なくとも私はいっとき忘れて暴飲暴食に走ったことを反省している。あれは生きるためではなく欲を満たすための食事だったと断言できる。

ここでもう一つ気になるのが「主食と副食物とを組み合わせて」というところだ。これは、もしテーブルの上に主食だけ、もしくは副食物だけ並んでいる場合、それは食事ではないということなのだろうか。

白米だけのおむすびは主食のみなので食事ではないのか。そこに海苔を巻いたら海苔は副食物の扱いになるのか。シーチキンの具だったら副食物として認めてもらえるのか……。

境界線上には妄想の宝が埋まっている!


② 私の釈義

食事とは四季を味わうこと

タイトルにも掲げているとおり、現状の私の意義は四季を味わうことだ。とはいえ、これはこれまでの意義の上に築かれている。なので土台となっているものを順に紹介しよう。

1、食事とは生きるために食べること
2、食事とは生きるために必要な栄養を摂取すること
3、食事とは四季を味わうこと

画像1

最初に私が掲げた食事の意義は辞典と同じで生きるために食べることだった。これに気づいたのは30歳になったころ。それまでの私はただ美味しいと感じるものをひたすら求める食欲モンスターだった。

意義に気づいたとはいえ、その怪物はときおりやって来た。こいつはなかなか手ごわいのだ。そしてモンスターとのバトルに敗北した37歳のとき、体重が急増したことで自身の健康への関心が高まった。そこで二番目の意義に変化する。食事とは生きるために必要な栄養を摂取することだと。

つまりこれまでただのカロリーぐらいにしか思っていなかった食事に対する解像度が上がった。三大栄養素と言われるような脂質、糖質、タンパク質などの成分を必要に応じて摂取するという意識になったのだ。

すると栄養バランスとともに美味しさにも自然と意識が向き始めた。栄養のバランスがとれていて思わず舌鼓を打ちたくなるような美味しい料理を出されたとき、料理人への感謝の念を覚えるようになったのはこのときだ。

そして38歳になってまた新たな意義にたどり着く。それがいまの四季を味わうことだった。つまり、生きるために必要な栄養を摂取するときに、そこには四季の食材を盛り込んでいこうというものだ。

これまで体のために健康のためにという観点で食事を捉えてきたが、それに加えて、日本だからこそ楽しめる食事とはなにかと考えた。するとそこに四季があった。

欧米的な食事でも栄養のバランスは間違いなく考えることはできるだろうが、せっかく日本に住んでいるのだから日本らしさを盛り込みたい。

そこで改めて和食といわれる日本の食文化を調べてみると、四季折々の自然を味わうために料理の器や盛り付け、部屋のかざりにまで気を配られていた。これには全身が震えた。

つまり、私が知らなかっただけで、実は昔の日本人は四季を食事で愉しんでいたし、愉しむための工夫をしていたのだ。遅ればせながらそこにようやく気づき、意義を見直すことができた。

食事はきっと人の数だけこだわりがあるに違いない。私の場合はそんなわけでしばらく四季にこだわってみよう。器は未知の領域なのでぜひ考え方やおすすめ本、有名な方などご存知であればぜひ教えて欲しい。

新しいことを学ぶのはとても楽しい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?