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「鼻」で意識と身体を導く


前回は呼吸の最先端の鼻を深く観ていく「表の鼻、裏の鼻」のお話でしたが、その中で

「また、鼻は呼吸するだけの器官にあらず。
鼻先というのは顔、身体、意識のベクトルを表していて、バランスの要となる不思議な場所。
天狗さまがなぜ鼻が高いのか、お分かりですか?」

と続けました。

今回は呼吸以外の「鼻の使い方」をお話ししていきます。

鼻、バランスの要

顔の中でも鼻は前方に突き出した唯一の器官。

先端を担うということ、この役割は見逃されがちではないでしょうか?

前進する時、目の前の世界に一番最初に触れる鼻。

そして三角形的な形。

これには、
「前方」
「方向」
「ベクトル」
また
「火」
の要素が含まれていると思います。

また、鼻がきちんと整うと、身体や意識のバランスもとれてくる。

呼吸と嗅覚(これも興味深い要素ですが)以外の「鼻」の役割はとても面白く深いのです。

では、この「鼻」の感覚を身体で感じてみましょう。

まず立った姿勢で深呼吸。

身体の各部分の力みに気付いていき脱力。

スッとした姿勢で立てる様にして、目を瞑り、いよいよ意識を鼻先に向けていきます。

自分の鼻先の最先端を感じて、その感覚の集中を高めていきます。

大地から空に向かってそびえ立つ富士山の様に、頭、顔の中心から前に伸びる感覚も観ていきます。
(意識を向ける感覚が難しいという方は、前回同様のやり方から始めてもいいと思います)

前方への鼻先の意識、感覚が満ちてきたら、頭、首、胸、腹、腰、腕、指先、脚、足、足の裏と大地、そして頭上の空間、背後の空間、左右の空間と鼻先の感覚をつなげて感じていきます。

この時、「ただただ感じていく」だけにする様に。

頭で「こんな風に」と想像妄想すると、感覚ではなく思考になってしまいますのでご注意を。

十分に感じてきたら、鼻先を感じながら目を開けます。

普段私たちは「目」が中心になりがちで鼻を忘れていますが、「鼻」がちゃんと出来てくると過剰に「目」に注がれている意識と力みが落ち着き、世界を写す「レンズ、鏡としての目」が出来てくる。

無駄な意識で歪んだ「レンズ、鏡」はありのままの景色を写せません。

鼻の付け根に鎮まる目、という感覚も観てみてくださいね。

では、次はいよいよ身体を動かしてみましょう!

まずは顔をほんの少しだけ左右に向けてみますが、必ず鼻先から動く様にします。
ただし、首を動かし過ぎない様に。

徐々に両手両足も鼻先を主体にしながら動かしてみます。

肩を上げたり背骨を曲げたりねじったりするのはまだ後にして、初めは縦に整った感覚、大地から空へ抜ける中心軸の様なものを保ちながら、両手足を広げてみたり円を描いてみたりしてください。

鼻先から動く様にすると、目の力みや思考が引っ込んで身体がまとまって動きやすく感じるかと思います。

そのまま歩いたり、身体が求めてくるままに動いてみてください。

しばらくすると身体全体の滞りがなくなり、自在に風が吹き抜ける様な爽快感が出来てくることもあります。

その感覚はまさに「天狗」。

それまでの自分の意識が「まがった小さな火」だとすれば、自在に駆け巡る天狗の「大火炎」の意識は、世界的、地球的、はたまた宇宙的ともいえます。

鼻は目も、意識や身体も導いてくれます。

これらのことは、天狗さまを深く探っていくともっともっと分かってきます。

が、また長くなりますので続きは次回に。

榛名山 スルス岩の天狗さまとワタクシ。
奇しくも榛名富士と榛名湖は「鼻と目」の様。
(ここには写ってませんが…)

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