見出し画像

『あなたの身を護る「危機管理大全」 日本人の全リスクに対応できる1000の視点』誰が読者ペルソナなんだ(環境研究)

 この本を書いた著者と編集者はどんな人なんだろう、どうやって企画会議を通過させたのだろうという疑問が読めば読むほど湧いてくる1冊だ。類書は江戸時代の『廣益秘事大全・民家日用』という書籍のようだ。これは江戸時代の生活の知恵を1000項目に集めたものだ。

 地震のこととか、日常の危険とか、犯罪対策とか、海外の危機管理とかはわかる。なぜ、「閑職に追いやられたとき」という「章」があるのだ。内容は、人生には流れがある、物事にはいい加減に臨まない、縁のある仕事、仕事は長丁場、自分に合わせろ、動かず時間の経過も大切とある。これが危機管理なのか...

 もっとも驚いたのは、「中国兵と戦う場合の注意」という「章」があり、死んだふりに気をつけよう、という内容では、中国兵は一人っ子政策世代なので、親から戦争になったら「死んだふりをせよ」と教えられているという。だから、倒れていたら必ず剣か銃剣で突いて確かめ、生体反応があったらそのまま発砲せよ、と書いてある。この本のペルソナは誰なんだろう。編集者はなぜこの部分を削除しなかったのかなどの疑問が湧いてしまう。

 とにかく、安倍、岸田襲撃事件があったので、危機管理の本にはどんなことが書いてあるのかを確認してみたかったのだが、本書の1000の視点には別の意味で驚いてしまった。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。