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『外国人差別の現場』この本にあるような実態をあからさまにするTV番組を制作する必要がある(環境研究)

 フランスで移民が郊外の団地に住んでエスニック・セグリゲーションを作り、その中からホームアロンテロリストが生まれていると話題になったことがあるが、この本の著者の安田浩一さんは日本の団地におけるエスニック・セグリゲーションを取材し『団地と移民』を出版した。安田菜津紀さんは日曜朝のサンデーモーニングのコメンテーターとしてみかける。

 この本は、日本の入管施設の実態を明らかにしている。今のところ私自身は、入管施設を訪れたことがないので、実態はニュースを通じてしか分からないが、この本にも悲惨な実情があからさまになっている。特にコロナ禍になったからの日本社会における外国人の人権や差別問題が表面化し、「ジャパニーズ・オンリー」をかかがえるラーメン屋なども出てきたようだ。相変わらず、外国人技能実習生に対する労働法違反も後をたたない。

 ハーマン・カーンが1969年の『日本未来論』で以下のように語っている。

「日本は非常に大きな問題を抱えていると思う。日本は、たとえば労働力というものが、だんだん高くなっていく。これにどういうふうに対処していくということから、たとえば、より安い労働力を外国から呼ぶといったようなことは、日本人はやれない国民であろうと思います。日本人は自らの内部的な同質性、均質性というものを保っていたいと思い、同時に日本は、経済的に成長していくためには対外的な接触を深めるので、さきのようなひとつになっていく社会からみると、日本は片足を世界に、片足は自らの中に残しておくという、そういう形をとるわけであります。」

 日本企業が、日本人のマネージャシップを輸出し、消費地に近いところで、現地の労働力を使いビジネスを行うというビジネスモデルがはじまったのは、1960年代中ごろだ。それは第一次、第二次オイルショックで加速し、現在に至っているが、コロナ禍や地政学的リスクの高まりからすでに限界に達している。さらに、ハーマン・カーンが指摘するように、日本人には外国人を受け入れる器量というか、風土はない。したがって、収容施設では人間扱いしない、不況業種で採用される技能実習生を人間と思わない。安田浩一さんや安田菜津紀さんは、こんなことでいいのかと、このような情報発信を行っているが、一般の日本人は見てみぬふりがお得意な人たちばかり。

1)技能実習制度は廃止する
2)この本にあるような実態をあからさまにするTV番組を制作する(お二人に期待したい)
3)グローバル企業は先駆けて多文化共生が自然に可能になる人事をシステム化する

 外国人労働者でなく、ロボットがなんでもやるという代替案を語る人はそれを推進すればよいが、少なくとも上記のような取り組みを行わないと、日本に未来はないというのが、私の意見だ。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。